協賛のNICE Actimizeは、地域金融機関およびグローバル金融機関、政府規制当局向けに金融犯罪・リスク・規制遵守ソリューションを提供する世界最大規模のプロバイダー。
開場後、座席はまもなく満席となり、講演途中には追加椅子を出すなど盛況となった。FATF第4次対日相互審査に向けて、銀行のみならず様々な金融機関から多くの参加者が集まった。
神田氏は、「いよいよグローバルAMLが日本にやってきた。今、AMLは大きな変革期を迎えているなか、既にアメリカやヨーロッパでは、現在の日本がどう対応すればいいかは熟知している。グローバルでは、『いかに検知して業務を効率化するか?』を新たな課題としているが、現在はAI、ロボティクスなどを利用し、投資も進んでいる。これから日本の企業と一緒になって活動していきたい」と挨拶した。
【対談】「AML規制への取り組みと実務」
≪登壇者≫:金融機関の実務者
山科 輝人氏(北陸銀行 国際部 国際事務センター 先任推進役) 酒井 宏二郎氏(じぶん銀行 執行役員(CCO兼CRO)
≪ファシリテーター≫
最初のセッションは金融機関実務者による対談。神田氏の質問の内容は以下の通り。
<全般>
・金融庁ガイドラインが制定されて約1年間、FATF相互審査に備えてどのような準備をしてきたか伺えますか?
・FATF第4次相互審査のオンサイト審査に向けて、あと半年ほどどのような取り組みをされるか?
・「経営陣の関与」が大事と思われるが、AML/CFTに関しては経営陣はどのように関与されているか?
・FATF第4次相互審査に向けた『課題』を伺えますか?
<体制>
・AML/CFT運用体制を教えていただけますか?
<リスクベースアプローチ>
・金融庁ガイドラインでリスクベースアプローチの重要性が改めて示されました。
AML/CFT管理活動にどのような変化がありましたか?
<顧客管理関連>
・『継続的な顧客管理』の対応にどのように取り組まれていますか?
・『リスク格付』の対応にどのように取り組まれていますか?
・『実質的な支配者』の対応は営業店、リスク統括部門でどのように行われていますか?
<データガバナンス>
・金融庁ガイドラインに定められたのデータガバナンスに対してどのように取り組んでいますか?
【講演】「AMLプログラムの近代化を可能にする技術とは」スティーブン・テイラー氏(NICE Actimize アンチマネーロンダリング事業部長)
テイラー氏は「現在は銀行にとっては難しい状況。守るべきルールが多くある中で、いかに正確にシンプルに業務をこなしていくのかが求められる中、犯罪者達は、ルールを守らずにテクノロジーを使用するため、どんどん悪質に、複雑になっている。そこで必要不可欠なのは、機械による効率化である。最新のテクノロジーで、異常行動をある程度予測・検知する事で、複雑化している現在の犯罪に対応していかなければならない」として、最初のAIやロボティクス技術、海外の対応事例などについて概要を語った。
【講演】「中堅中小金融機関のAML/CFTシステム選びの新常識」増田 武史氏(ITFOR(アイティフォー) AMLプロジェクト責任者(公認AMLスペシャリスト))
増田氏は中小中堅金融機関にAMLソリューションを導入するために、既存のシステムを一体化して使用できるようにしているとし、また、AMLのための機能はもちろん、記録の保存や顧客管理など、より多くの事務的業務もより効率的にこなせる製品も登場していると語った。また、今後は国内だけでなく欧米も視野に入れたシステム選びも必要になってくると予想されるなか、アイティフォーが考える処方箋について概要を説明した。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )