会場となった東京ビッグサイト西1・2ホールでは、午前9時30分からオープニングセレモニーが始まるとあって、開始前には多くの主催行、出展社のスタッフや関係者、メディアが特設ステージ前に集まって開会を待つ。イベントを盛り上げようと全国から駆け付けた各地のご当地キャラもステージ脇に集結した。
【開会挨拶】地方銀行フードセレクション 実行委員長・リッキービジネスソリューション 代表取締役 澁谷 耕一氏「5行で始めた地方銀行 フードセレクションも、本年は昨年より11行多い、主催銀行52行、出展社も687社、724ブースと大きく成長。」
開会挨拶に立った澁谷氏は、来場や協力・支援に対する御礼を述べた後、「地方銀行フードセレクションは今回で11回目を迎えた。10年前に地方銀行の皆様に企画を提案し、八十二銀行、千葉銀行、七十七銀行、静岡銀行、群馬銀行の5行で第1回地方銀行フードセレクションをスタート。年を重ねるごとに主催銀行が増え、今年は昨年より11行多い、主催銀行52行、出展社も687社、724ブースと大きく成長することが出来た。」と感慨深げに10年間を振り返った。
また、地方銀行の取引先である地方の中小、中堅の食品メーカーだけが出展し、地方銀行の行員が出展メーカーと共にバイヤーに商品をPRすることなどから、今回は本商談会を地方創生型商談会と名付けたとし、地方銀行と連携して研修や成約に向けての取組を継続的に実施していきたいと語った。さらに個別商談のマッチングや、バイヤーがいち早く商品をチェックできるようにした商品展示コーナーなどの仕組みを説明した後、地方活性化に貢献できるよう地方銀行と努力していくと語って挨拶を終えた。
【来賓挨拶】内閣総理大臣安倍 晋三夫人 安倍 昭恵さん「銀行から単にお金を融資するというのではなく、一緒になっていいものを創っていこうという提言をもらい、銀行というものの役割が少し変わっていく時代になってきている。」
続いて来賓挨拶に立った安倍 昭恵さんはお祝いの言葉を述べた後、「地方銀行フードセレクションは地方創生に力を入れている安倍政権にとっても大変に心強く、主人も喜んでいるところだ。リッキービジネスソリューションの澁谷社長と主人は同い年で、日頃から大変お世話になっており、親しくお付き合いをさせていただいているが、澁谷さんからも色々とフードセレクションのお話を聞き、全国の地方銀行が参加する素晴らしい会に発展したことは皆さんの努力の成果だと思う。」と述べた。
また、「ここからぜひ、地方のいいものを東京に、世界に発信していってもらいたい。地方には地方の、本当にいいものがたくさんあり、住んでいる方達も気づかない宝物がたくさんある。私も今年から飲食店や宿泊施設を始めたが、銀行から単にお金を融資するというのではなく、一緒になっていいものを創っていこうという提言をもらって、銀行というものの役割が少し変わっていく時代になってきているのではないかと思っている。今日は商談がたくさん決まって、地方がここから盛り上がっていくことを期待している。」と挨拶した。
【来賓挨拶】金融庁 監督局長 遠藤 俊英氏「リレーションシップバンキングの発展と比例して参加銀行数も増加」
安倍 昭恵さんの後に来賓挨拶に立った遠藤氏は、「2006年にスタートしたこの地方銀行フードセレクションは、銀行数からするとこの10年間で10倍になった。金融庁はここ十数年、地方銀行の皆さんには地域のリレーションシップバンキングとなることをお願いしてきたが、その発展と比例して参加銀行数も増えてきたのではないかと考えている。」と語り、続けて「融資を決めるにあたっては、担保とか保証を脇に置いて、企業の事業、事業の進化、発展性であるといった事業性を評価して行っていただきたいと申しているが、普段は背広姿で硬い表情で金融庁と対峙しているなか、本日はお揃いの法被やジャンパーなどを着られ、地元の取引先のためになんとか商談をまとめたい、普段以上に取引先企業と話ができるという思いで頭取、各地方銀行の方々がこの機会を楽しみにされていたのではないかと思う。今日1日が687社の参加企業、52行の参加銀行にとって良き1日になることを祈念したい。」と語って来賓挨拶を締め括った。
オープニングセレモニーの最後にはフォトセッションが行われ、安倍 昭恵さんと頭取を始めとする主催行の代表者が登壇してカメラに収まった。
オープニングセレモニー終了後、開場となり、首都圏を中心に全国から来場した多くのバイヤーが列をなし、次々と展示会場に入場していく。来賓の安倍 昭恵さんもしばらくの間、展示会場を見学、試食したりスタッフと談笑したり、記念撮影に収まるなどした。
オープニングセレモニー終了後、ステージ周辺は「商品展示コーナー」となり、多くの新しい食材が展示される。未発表の新商品や震災復興関連商品を一堂に集め、バイヤーがいち早くチェックできるように工夫したという。
◎展示会場&事前予約制個別商談会会場の様子
以下、2日間にわたって賑わった活気ある展示会場の様子を撮影写真で紹介したい。優れた自然環境が育む新鮮な山の幸や海の幸、アイデア満載の魅力的な地域食材などをバイヤーにPRする主催行、出展社の笑顔からは、「食」を通じて明日創りに取り組もうとする地方の未来が垣間見える。
こちらは出展社とバイヤーの個別商談会の会場。2日間で600以上の商談が行われた。
こうして、主催行が52行、687の企業・団体が出展するなど、国内最大級の「食の商談会」に成長した「地方銀行 フードセレクション2016」は、2日間の延べ来場者数が初めて12,000名を突破して12,436名を記録して閉会。地域の経済を支える多くの地方銀行が連携し、地域の食文化の魅力を食品バイヤーに伝えようとする本商談会は、地方創生に向けた取組として、食品関連の地場生産者、製造業者などへビジネスチャンスの場を提供することで、地域活性化への貢献を目指している。次回開催もますます盛況となることで、「食」の力が地域産業を刺激し、販路拡大への新たな取組とその流れが生まれることを一地方出身者として心から期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : 柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )