米中貿易摩擦など世界情勢が混迷の度合いを深める令和元年。世界が「つながり」から「分離」へという動きに傾きつつある中、この不確実性に投資家はどう向き合っていき、何を判断基準としていけばよいのか。今回は、「グローバリズム VS ナショナリズムの着地点~令和元年 新時代の投資戦略~」をテーマに、2020年以降へ向けた投資戦略について著名講師陣が講演。展示会場も併設された会場には朝から多くの個人投資家が訪れて閉会まで盛況となった。
今回の会場は東京・港区高輪にあるグランドプリンスホテル新高輪の「飛天の間」。民放局の歌謡祭なども開催される同会場での記念セミナーでは、午前9時30分の受付開始前から長い行列ができたため、予定時間を繰り上げて開場した。
最大2,400席の飛天の間は、開場早々から順調に席が埋まり、併設されたサテライト会場にも多くの来場者が入場した。見通し困難な今後をどう展望すべきなのか、開演前から資料に目を通しつつ、熱心に聴講しようとする来場者の姿が目立った。
【挨拶】楽天証券 代表取締役社長 楠 雄治氏「手数料は20年前より96%安くなった。今後ますますお客様のニーズに応え、利便性を上げてコスト面でも頑張っていきたい。」
司会進行を務めるフリーアナウンサー 叶内 文子さんの紹介で壇上に上がった楠氏は、冒頭に来場への御礼を述べた後、「手数料自由化から20年、続けてこられたのも皆様のご愛顧のお陰。現在は主要上位5~6社で個人株取引の8割を占めている。」と述べた後、「ネット証券最大の恩恵は自由な取引と手数料。20年前、100万円取引の手数料は11,500円のところ、当社は1.900円で提供。さらに現在は約400円で96%も安くなった。」と振り返り、今後ますますお客様のニーズに応え、より一層利便性を高めてコスト面でも頑張っていきたいと語った。
さらに、直近の市場動向を分析した後、同社の最新の取組として、「楽天スーパーポイントで国内株式 (現物取引)が購入可能(10月28日~)」、「先進的な取引ができるマーケットスピードII」などをPRして開演挨拶とした。
竹中氏は冒頭に「先を見通してお金を動かす人が最大の戦略家」であると語った後、足元の政治や経済について様々な角度から分析して私見を披露。また、今後の投資を考える重要な要素(5つのファクター)として人口知能、ロボット、IoT、ビックデータ、シェアリングを挙げ、第4次産業革命がさらに高次元に入っており、日本は重要な局面を迎えていると述べた。さらに統合型リゾートやスーパーシティなど、投資機会も出てくることから、「リスクとチャンスが背中合わせだが、投資家の方々にぜひ健闘していただきたい。」と語って講演を終えた。
【講演】楽天証券 経済研究所 チーフストラテジスト 窪田 真之氏「令和時代の日本株投資戦略」
窪田氏は投資戦略を立てるプロフェッショナルの立場から、昭和と令和での成長モデルの違いや、平成の構造改革などに触れた後、2020年に半導体ブームが復活し景気回復を予想する理由などについて解説。様々な角度からマーケットや株価、配当等を分析した上で、令和時代の日本株の投資戦略はグロース株とバリュー株への分散投資が有効ではと語った。
【講演】香港大学 アジアグローバル研究所 兼任准教授 加藤 嘉一氏「いま中国で何が起こっているのか:習近平政権、米中貿易戦争、香港情勢」
加藤氏は、米中貿易の見通しに加え、中国共産党にとっての課題は経済成長と台湾であるとして、経済の頭打ち、就職率悪化で国民から不満が上がっていること、また、習近平の任期中の台湾統一にとって香港情勢が壁になっていることなど、難局を迎えている中国の情勢について詳しく解説した。
【展示会場】休憩時間を中心に、終日賑わいを見せた出展ブース
展示会場には同社を含めた楽天グループ、運用会社、提携するIFA(金融商品仲介業)事業者の出展ブースやデモコーナーが所狭しと立ち並び、特設セミナー会場、書籍販売やサイン会のコーナーなども休憩時間中は多くの来場者で賑わった。
【講演】小西美術工藝社 デービッド アトキンソン氏「生産性の向上について~人口減少×高齢化に打ち勝つ企業の生産性向上戦略~」
デービッド氏は、国運を握る人口減少問題という課題を抱える中、「現在の資本主義、経済学、金融政策すべてが人口増加中に考えられたもの」であるとして、インバウンドの活用を含めた生産性向上の施策について語った。
堀古氏は、冒頭に老後2,000万円問題について触れ、金額が妥当かは別として、自分の老後に必要な貯蓄はしておくべきと述べた。また、リスクとリターンについての考え方を解説した後、今後の米国経済や株式相場の見通しについて語った。
【特別対談】レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長 藤野 英人氏、タレント 杉原 杏璃氏「七転び八起きの投資術~株式投資は続けたもん勝ち~」
堀古氏の講演の前に行われた対談では、杉原氏が初めて株式投資に至った経緯、始めてからの成功談や失敗談などを語り、藤野氏は杉原氏に質問を繰り返しながら専門家として適宜解説を加えていった。また、対談では、2020年オリンピックに向けておすすめの銘柄なども話題に上がった。
サテライト会場の隣に用意されたミニセミナー会場Aでは、出展(協賛)企業や楽天証券スタッフによるセミナーが順に開催され、こちらも多くの来場者が聴講した。
・楽天証券 株式事業部 外国株式チーム 紙田 智弘氏「これからはじめる米国株!-米国株の魅力と人気銘柄-」
・インベスコ・アセット・マネジメント リテール営業本部 金谷 優樹氏「インターネットに次ぐ技術革新!ブロックチェーンが世界を変える~インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンドのご紹介~」 ・HSBC投信 シニア・マーケット・スペシャリスト 久世ベルト 素子氏、HSBC投信 クライアントサービス本部 石田 慎介氏「新時代を切り開く若き成長国への投資で、未来を先取り!~フロンティア諸国の投資魅力を迫る~」 ・楽天証券 株式事業部 片山 智絵氏「30分でわかる!ゼロからはじめる!SPEED入門」
・楽天証券 ソリューション企画部 長谷川 拓実氏 「進化を続ける!マーケットスピードⅡのココがすごい!」
・ファンドマネージャー 石原 順氏「2020年に向けての相場展望と投資ストラテジー」
・楽天投信投資顧問 第二運用部長 杉山 直哉氏「-Believe in the future-楽天グループの魅力を結集した「楽天・ビックデータ日本株ファンド」のご紹介」 ・楽天証券経済研究所 吉田 哲氏「金投資のいろは」
・楽天証券 株式事業部 紙田 智弘氏「これからはじめる米国株!-米国株の魅力と人気銘柄-」
・楽天証券 株式事業部 土居 裕明氏 「ゼロからわかる!ETFのアレコレ」
こうして楽天証券サービス開始 20周年記念投資セミナーは大盛況の元、無事に閉会した。今回の記念セミナーは東京開催に先駆けて大阪でも7月6日(土)に大阪国際会議場「グランキューブ大阪」で開催され、こちらも多くの来場者で活況となった。1999年10月1日の株式売買委託手数料の完全自由化からちょうど20周年という節目にあわせ、開催された今回の記念セミナー。冒頭挨拶で楠氏が語ったように、同社は今後も利用者のニーズに応えるべく、より一層の利便性向上を目指してサービスの充実化に邁進していくとしている。
(撮影:楽天証券、グッドウェイ 記事、編集:制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )