2018年11月3日(土)、楽天証券(以下、同社)は、日本総合研究所 会長 寺島 実郎氏やETFに精通する専門家、ETF運用会社のスペシャリストを講師に招き、「楽天証券ETFカンファレンス2018~これからの経済見通しとETFを活用した資産形成術」を、東京のベルサール渋谷ファーストで開催した。
証券取引所に上場している投資信託(上場投資信託)であるETF(Exchange Traded Fund)は、株価指数やコモディティ等へ連動するETFやREIT(不動産投資信託)などがあり、低コストで国際的に分散投資できる点が幅広い投資家の支持を集めて、2017年末の残高は世界で5兆ドル(約565兆円)に迫る勢いになっている。
渋谷駅から徒歩数分のベルサール渋谷ファースト。1,000人規模のイベントも可能な大型イベントホールで、続々と集まった来場者は受付手続きを済ませてから講演会場に次々と入場していった。
【挨拶】楽天証券執行役員 兼 株式・デリバティブ本部長 土居 雅紹氏
土居氏は、「国内ETF・REITは上場銘柄数が合わせて307銘柄あり、10万円以下で買えるのがその内247銘柄と約8割ある。また、当社で新しく提供している1日定額コースなら、1日10万円以下の売買なら手数料が無料で、高額の取引に対応する超割コースも併設されている。さらに、外国上場銘柄も手数料を大変安く設定しているので、ぜひ利用していただきたい。今日はETFを提供する運用会社のブースも多く出展されているので、気軽にスタッフに質問していただければ。」と開演冒頭の挨拶で語った。
【講演】楽天証券経済研究所 チーフグローバルストラテジスト 香川 睦氏「2019年の相場見通しとETF投資戦略 ~中間選挙後のトランプリスクと向き合う~」
講演者のトップバッターとして登壇した香川氏は、前半に米中間選挙の結果を踏まえて、2019年の相場見通しとリスク要因について解説。その後、長期の視野で考えるETF投資戦略として、そもそも成長期待はどの分野、セクター、マーケットにあるのか、INDEXを活用した貯めながら増やす投資戦略とは?などについて詳しく紹介した。
【講演】ETF運用会社
続いてETF運用会社による20分ずつの講演が行われる。各社が提供するETFの特徴やメリットなど、ETFを選択する際の参考情報の他、ETF投資の戦略についてなど、個人投資家にとって有益な情報も多く紹介された。
①世界の投資家が選ぶバンガードETF ~今、日本の投資家がとるべきETF戦略~
バンガード・インベストメンツ・ジャパン 投資戦略部長 塚本 俊太郎氏
②2018年のSPDR(スパイダー)ETF国内取扱いラインアップ拡充について
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ マーケティング部 ETF商品部長 杉原 正記氏
③ETFで手軽に分散投資
ブラックロック・ジャパン ETF事業部 ETF事業部 ヴァイス プレジデント 渡邉 啓輔氏
④Lion-Phillip S-REIT ETFのご紹介
ライオングローバルインベスターズ チーフマーケティングオフィサー Mr. LIM Shyoung Piau氏
【展示会場】ETF運用会社、取引所の出展ブースも休憩時間中は多くの来場者で賑わう
休憩時間になると展示会場は多くの来場者で賑わいを見せる。ノベルティーグッズやパンフレットを貰ったり、ETF、サービスについての説明をスタッフから聞くなどしながら来場者は休憩時間を過ごした。
【キーノートスピーチ】一般財団法人日本総合研究所会長 寺島 実郎氏「世界経済の構造変化と日本の進路-第四次産業革命への挑戦」
寺島氏は、今、足元の世界情勢がどうなっているのかとして、米中貿易戦争、地球全体のGDP、ユーロ圏の動き、資源価格などを取り上げてグローバルな情勢を語った後、世界の中での日本の立ち位置を示し、キャッシュレスを含めた「デジタル・エコノミー」やこれから迎える「異次元の高齢化社会」にどう立ち向かうのか、その視点として「ジェロントロジー」を「高齢化社会工学」と捉え、高齢者が積極的に社会参画できる社会システムづくりの必要性などについて詳しく解説した。
【講演】ETF運用会社
⑤魅力再発見!~進化し続けるNEXT FUNDS~
野村アセットマネジメント 運用調査本部ヘッド・オブ・インデックス・プロダクト 奥山 修氏
⑥ETFで広がるREIT投資
三菱UFJ国際投信 法人投資家営業部 マネジャー 小林 祐貴氏⑦進化する日本のETF市場 東証マーケットメイク制度を知って、効率的なETF投資をしよう
日興アセットマネジメント ETFセンター長 今井 幸英氏
⑧今! 金・プラチナETFへの投資を考える
三菱UFJ信託銀行 証券代行部 林 恒氏
【講演】楽天証券経済研究所 客員研究員 山崎 元氏「ETF投資家が知っておきたい!資産配分の作り方 」
「ETFとは(E)いい、(T)手数料の、(F)ファンドである。」で始まったメディア出演や出版書籍も多数の山崎氏の講演では、資産配分作成の3つのポイントとして、期間、データ、期待値設定をあげて、それぞれについて詳しく説明。山崎式・資産運用簡便法やアセットアロケーションを作るコツも幾つか紹介した。来場者はスライドが投影されたスクリーンを見つめながら熱心に聴講した。
【出展ブース】
協賛企業と東京証券取引所のブーススタッフの皆さん。1日を通して日本で最大規模のETFのカンファレンスの盛り上がりを支えた。
こうして無事に盛況のもと閉会した「楽天証券ETFカンファレンス2018」。各講演では様々な角度からETFを取り巻く環境について解説が行われ、来場者の事前登録数は1,000名を優に超えたという。
同社ではこうした講演会やセミナー、勉強会を定期的に開催(開催スケジュール)しており、特に注目度の高い次回イベントとしては、2019年1月12日(土)にパシフィコ横浜で開催される「楽天証券 新春講演会2019」は、3階席までを合わせるとおよそ5,000席という大きな国際会議場に多くの個人投資家が訪れて展示会場なども大変な賑わいとなる。既に登録受付も開始されているので、新春以降の相場の動向を占う意味でもチェックしておきたい講演会だ。
(取材、撮影、記事、編集:柴田 潔 / 制作:メディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )