2018年1月20日(土)、26年ぶりの高値水準で株価が推移する中、大手ネット証券の楽天証券は、横浜市みなとみらいにあるパシフィコ横浜 国立大ホールで毎年恒例の「新春講演会2018」を開催した。
株式市場が上昇を続け、明らかに「景色」が変わりはじめた2017年。何がマーケットを動かし、何が今後の鍵を握っているのか。そして2018年においては、投資家は何を見て判断していくべきなのか。今回の講演会ではジャーナリストの田原 総一朗氏による特別講演「時代を読む」のほか、東洋大学教授/慶応義塾大学名誉教授 竹中 平蔵氏による講演「第4次産業革命からみた世界経済」や、著名な専門家によるパネルディスカッションなどが行われた講演会場は多くの来場者で席が埋まり、展示会場も終日賑わいを見せた。
世界最大級の国際会議場「国立大ホール」や展示ホールなどからなるコンベンション・センターであるパシフィコ横浜。好調な株価の動きを受けて、午前9時30分の受付開始前から来場者が長蛇の列を作ったため、例年以上に大幅に予定時間を繰り上げて入場受付を開始した。
講演会場となった国立大ホールは、3階席までを合わせるとおよそ5,000席という大きな国際会議場。写真の通り、開演以降は1階席はほぼ満席、2階~3階席も多くの来場者で席が埋まった。
【挨拶】楽天証券 代表取締役社長 楠 雄治氏「皆さんにますます投資の部分で良い結果を残していただき、この日本をますます元気にしていただきたい。」
司会進行を務めるフリーアナウンサー 叶内 文子さんの紹介で壇上に上がった楠氏は、冒頭で来場への御礼を述べた後、株価上昇に伴い処理件数が増加しているコールセンター対応&口座開設についての体制を増強していくと述べた後、東証が毎週発表する「投資部門別売買状況」のグラフをスクリーンに投影し、需給動向について解説。「株価が上昇すると海外投資家は買っていき、個人投資家は利食い先行になるのが過去6年間のパターンだったが、ここ4ヶ月間は個人投資家も買っており、十分利が乗っている状況なので、今後の市場の中で非常に大きな存在感で動いていくのでは。」と述べた。
また、同社の最新の取組として、2017年12月下旬より、国内株式取引手数料を業界最安値水準まで引き下げたこと、また、つみたてNISAの取引も開始され、12月26日より、積立設定が可能になったとして、それぞれの概要を紹介。最後に、「今年は非常にいいスタートを切ることができている。皆さんにますます投資の部分で良い結果を残していただき、この日本をますます元気にしていただきたい。」と述べて挨拶とした。
【講演】東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授 竹中 平蔵氏「第4次産業革命からみた世界経済」
竹中氏は講演で、現在の日本の景気回復について、経済学者の75%は来年の消費税引き上げまでは続くと予想していること、自らも今年中に景気後退に陥ることはないとの見方を示しつつも、経済がいい状態にある時こそ、次の時代への備えが大変重要だと考えていると語り、以降、今後の留意すべき点として、北朝鮮問題、米金利の上昇、中国の問題などについて解説しながら、国際社会・世界経済の現状、それを踏まえての日本のあるべき姿について持論を語った。
【パネルディスカッション】セゾン投信 代表取締役社長 中野 晴啓氏、コモンズ投信 会長 渋澤 健氏、レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長・最高投資責任者 藤野 英人氏ら3名とモデレータを務める叶内 文子氏との豪華パネルディスカッション
続いては、中野氏、渋澤氏、藤野氏とモデレータを務める叶内 文子氏4名による豪華パネルディスカッション。個人投資家にもお馴染の中野氏、渋澤氏、藤野氏はそれぞれ、会社の会長・社長を務める傍ら、講演会やメディア出演を通じての情報発信により積極的に投資の普及、金融リテラシー向上のための活動に貢献しており、この日も投資のあり方などについて4名で様々な議論を交わした。
【特別講演】ジャーナリスト 田原 総一朗氏「時代を読む」
朝まで生テレビ(毎月最終金曜日 TV朝日) 、激論!クロスファイア(毎週日曜日 夕方18時BS朝日)などのTV番組出演でお馴染の田原氏は、1989年のベルリンの壁崩壊~冷戦終結、湾岸戦争など国際政治の曲がり角となった重要な出来ごとを幾つか取り上げながら、世界の情勢の大きな変化についてジャーナリストの立場からその背景を鋭く分析。80歳を超えた今も、TV番組では歯に衣着せぬ発言で番組を仕切る田原氏は、この日の講演でも抜群な存在感をみせつけた。
【展示会場】休憩時間を中心に、終日賑わいを見せた出展ブース
展示会場には同社やグループ企業、協賛企業や提携するIFA(金融商品仲介業)事業者の出展ブースやデモコーナーが会場狭しと立ち並んだ。特設セミナー会場、書籍販売やサイン会のコーナーなども用意され、特に休憩時間中は多くの来場者で賑わい、会場は熱気を見せた。
【講演】楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田 真之氏「2018年日本株投資戦略」
【講演】ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC プレジデント&CEO 堀古 英司氏「2018年の米国経済・株式相場の見通し」
続いての二つの講演は2018年の「投資戦略」、「相場見通し」。前半の講演での概観を踏まえた上で、具体的に2018年のマーケットにどう取り組んでいくか、より実践編的な講演だ。窪田氏は日本株は配当利回り・PERから見て割安だとし、「ゲーム・チェンジ」で伸びる可能性が高いセクターなども紹介した。
展示会場の一角に用意されたミニセミナー会場では、以下のセミナーが順に開催され、いずれも多くの来場者が聴講した。
・eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎氏「1万円以下でも始められる!大きなリターンが魅力のeワラント投資法」
・三菱UFJ国際投信 執行役員 大平 恒敏氏「ETFでREITと中小型株に投資する」
・ピクテ投信投資顧問 日本株運用部長 鈴木 毅氏 & 楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子氏「対談"本当にお金が増える投信10本"に選ばれた日本株ファンドとは? ~iTrust日本株式ファンド・マネジャー鈴木毅氏×ファンド・アナリスト篠田~」
・GAIA プライベート ファイナンシャルプランナー 三橋 圭介氏「銘柄選びは株だけじゃない!投資信託の銘柄選びの考え方」
・三井住友トラスト・アセットマネジメント 担当部長 百瀬 順治氏「“配当貴族指数”を活用した株式投資 ~配当貴族インデックスに欧州が追加!~」
・大和証券投資信託委託 ファンド・プロモーション部 兼 金融リテラシー・サポート部 チーフ・プレゼンター 宮澤 沙央梨氏 & 同 債券運用部 兼 金融リテラシー・サポート部 ファンドマネージャー 髙田 駿氏「つみたてNISA元年~低コストのインデックスファンドで資産形成を~」
・Good Moneyger 代表取締役 清水 俊博氏「アルゴリズムで判定!ロボアドバイザーが提案する2018年の資産運用」
こうして丸1日を掛けて開催された新春講演会は、会場を去る来場者を同社のスタッフ全員が見送った後に無事終了した。
同社は、新年早々の1月5日に、様々な条件から優待銘柄の絞り込みが可能になる新ツール「株主優待検索」の提供を開始。年末頃にローンチされた新サービスや取組を見ても、12月8日「つみたてNISA取引開始」、12月21日「AIによる自動生成ニュースの配信を開始」、11月21日「国内株式取引手数料引き下げ‐現物・信用取引ともに業界最低水準※1の手数料へ‐」、11月2日「PTS(私設取引システム)の取扱いを開始‐取引所時間外や有利な株価での取引が可能に‐」など、個人投資家の利便性を向上させる施策を次々と打ち出している。「戌笑う」年である2018年、好調な株式市況に加えて同社の積極的なサービス向上へ向けた取り組みが投資活動をサポートすることで、より多くの投資家に笑顔がもたらされる2018年となることを願いたい。
(取材、撮影:村上 遥 / 記事、編集・制作:メディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ)