今夏、FX専業大手の外為どっとコム(以下、同社)は、同社が取り扱う外貨自動両替機を東京メトロ千代田線・明治神宮前駅に設置した。コンビニ、観光・娯楽施設、宿泊施設に続く設置で、今回、グッドウェイはこのサービス展開の概要や狙いを同社 営業部 課長 渡辺 圭太氏から聞いた。
外貨自動両替機の東京メトロへの設置は初!
今回は、東京地下鉄、メトロコマースとパートナーを組んで展開するもので、手軽に外貨を円に両替できる両替機を外国人が多く集まる東京メトロ千代田線明治神宮前駅の原宿口改札付近に設置した。
年中無休。米ドル、ユーロ・ウォン・元など13通貨の外貨自動両替機を通じて円で引き出し。4か国語によるコールセンター対応も!
時間は5:00~23:30まで年中無休で利用でき、取り扱いは13通貨で外貨を円転可能だ。米ドル以外ではユーロ・韓国ウォン・中国人民元・香港ドル・ニュー台湾ドル・英ポンド・カナダドル・豪ドル・シンガポールドル・マレーシアリンギット・タイバーツ・フィリピンペソを手軽に日本円にすることができるという。
両替の上限額は1回の取引につき日本円換算で10万円までで、硬貨は投入できず紙幣のみ投入が可能で、利用者へ素早く対応するために4か国語によるコールセンター対応も提供されている。
また、両替機は偽札を選別する機能を有していることが必須だが、機械はJCM(日本金銭機械)が開発したもので、同社の製品はカジノでも使われているほど性能には定評があり、現金の装填や回収は「日通」が行っているという。
コンビニ、観光・娯楽施設、宿泊施設に続き、外貨自動両替機の設置は今回で8か所目。
両替機は「歌舞伎」を発信する施設『GINZA KABUKIZA』や築地市場、横浜ベイシェラトンホテル、ローソン(4店舗)など既に7か所に設置されており、今回が8か所目となる。
渡辺氏は、「日本ではまだキャッシュでしか買い物できなかったり取引ができなかったりする店舗も多くあり、外国人の方がキャッシュを多く使う場所への設置を進めていきたいと考えている。一方で、認知度がまだまだ低いため、両替機の存在を知っていただくために英語と中国語の紹介文を載せた名刺型のカードを設置場所近くで配布するなどしてPRに努めている。」と語る。
訪日外国人増加と東京五輪に向けたインバウンド需要のさらなる高まりを見据える!観光庁が使用する訪日観光に関する海外市場向けキャッチフレーズ・ロゴの使用も許可される!
こうした一連の取組は近年の訪日外国人増加と東京五輪に向けたインバウンド需要のさらなる高まりが背景にあることは言うまでもない。渡辺氏は、「第一義的には、外貨を扱う企業として、訪日外国人の役に立つ企業となることを目指したい。付加価値的に、マシンの両側面の同社の青色のロゴマークや社名表記が広告塔としての役割を果たしてくれれば。」と語る。
また、観光庁が2010年4月から、訪日観光を海外市場でPRする際などに使用しているキャッチフレーズ・ロゴ「Japan. Endless Discovery」のロゴの使用を許可されたといい、両替機にロゴが印字されたシールが張られているのは他に例を見ないという。
「インバウンドが続くことで他国通貨の両替需要も広がる中、今後は外国人の方が日本を訪れてからでも同社が設置した両替機の仕組みを知ることができる流れを作りたい」と語る渡辺氏は、「また、旅行者が日本に居住している外国人に両替の情報を求めたときにこの情報が伝わるよう、様々なニーズに応えていきたい」とも話す。
現在は外貨から円貨へのインバウンド対応のみだが、同社は年内を目処に円貨から外貨へのアウトバウンドへの対応も実現したい考えだ。(取材、記事、編集・制作 :柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )