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2015/03/18

【トムソン・ロイター・マーケッツ】世界的な金融規制、リスク・ガバナンス・サイバー犯罪等の現状を幅広く討議した「第2回金融規制ジャパン・サミット」ホテルオークラ東京にて開催!

| by:ウェブ管理者


 2015年3月10日(火)、大手金融情報サービス企業のトムソン・ロイター・マーケッツは、ホテルオークラ東京において、主に金融機関の法務、コンプライアンス、海外事業管理等の担当者を招き、「第2回金融規制ジャパン・サミット」を開催した。(第1回金融規制ジャパン・サミットの様子はこちら



 冒頭の挨拶で、トムソン・ロイター・マーケッツ 代表取締役社長 富田 秀夫氏は、「本年は前年を受け、国際的な金融会議に発展させてゆきたい。」と報告し「昨年と比較し専門者間ではConduct(行動規範)におけるトピックが重要視されている。今回はコーポレートガバナンスコード、AML/CFT、サイバーセキュリティ等幅広い論点を採り上げている。」と発言した。また、当社は200名の専門スタッフにより日々規制の状況をアップデートしており昨年も同様に規制に関わる課題をトピックごとに提示したが、
2015年はアジアにおける課題のトップ10として、

 1) Improving culture
 2) Conduct risk
 3) Lines of management responsibility and accountability
 4) Customer Disclosure
 5) Training of staff to ensure competence
 6) Sanctions and beneficial ownership
 7) Improved governance of cyber security
 8) Anti-corruption
 9) Anti-terrorist financing
 10) Planning for Overreaching financial global reforms and capital requirements

を挙げた。



 当日は、金融庁 長官 細溝 清史氏による特別講演では、金融庁の使命(安定性確保、利用者保護、サービス円滑化)と現状の体制や取り組みを紹介。日本が直面する課題(デフレ脱却、人口減少と高齢化)に対し、成長分野への資金サイクルと顧客ニーズを満たす持続的サービスの形成が重要とした。また、資金の出し手(投資家)、受け取り手(企業)、金融機関のそれぞれに対して進めている政策措置を挙げ、それぞれが建設的な対話を通じて日本の国際金融センターとしてのステータスを高めていけるよう、日本経済の回復に向けてあらゆる手段を講じ務めていくとした。



 その他にも、6つの基調講演(写真上段左から、金融庁 総務企画局 国際室長 小森 卓郎氏、プライスウォーターハウスクーパース(PwC) 金融規制アドバイザリー グローバルリーダー アダム・ギルバート氏、財務省 国際局長 OECD租税委員会議長 浅川 雅嗣氏、写真下段左から、金融活動作業部会(FATF) バイス・プレジデント シン・ジェユン氏、警察庁 長官官房参事官 サイバーセキュリティ担当 警視長 岡部 正勝氏、、また、東京国際金融センターについて、東京都 政策企画局政策担当部長 小室 一人氏)のほか、メガバンク・証券・外資金融機関・法律事務所・コンサルティング会社、事業会社のコンプライアンス部の統括者や幹部層を招いての5つのパネルディスカッションが行われた



 午前中のパネルディスカッション「アジアおよび世界的な規制環境の現状」では、5名のパネリスト(みずほ銀行 常務執行役員 市場ユニット副担当役員 大島 周氏、野村ホールディングス 執行役員 Deputy CRO 中田裕二氏、三菱UFJフィナンシャル・グループ リスク統括部 副部長 勝藤 史郎氏、DTCC Deriv/Serv LLC アジア地域担当ヘッド ピーター・ティアニー氏、日本証券クリアリング機構 企画部長兼OTCデリバティブ清算部長 細村 武弘氏)が登壇し、PwC 金融規制アドバイザリーグローバルリーダー アダム・ギルバート氏がモデレーターを務めた。
 本ディスカッションではバーゼルⅢの要件と日本の銀行業界への影響・ストレステストの役割及び重要性について、またOTCディリバティブ改革とその日本への影響に関して討議された。



 次に、「コンダクト・リスク、文化およびリスク・ガバナンス」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。パネリストは5名(香港証券先物取引委員会 シニア・ディレクター兼リスク&ストラテジー責任者 ベネディクト・N・ノレンス氏、オムロン 執行役員 経営IR室長 安藤 聡氏、日本経済新聞企業年金基金 常務理事兼運用執行理事 久保 俊一、ゴールド・サックス証券 コンプライアンス部門統括 マネージング・ディレクター 吉村 隆氏、PwC パートナー 有友 圭一氏)が登壇し   日本CFA協会 理事(アドボカシー担当)原田 武嗣氏が務めた。
 本パネルではコンダクト・リスクの位置づけ、スチュワードシップ・コードの有効性及びコーポレート・ガバナンスの改善について実務を踏まえた議論がなされた。



 午後は3つのパネルディスカッションが行われた。最初の「マネー・ローンダリング/テロ資金供与(AML/CFT)、顧客管理(KYC)、グローバル・コンプライアンス」では、4名のパネリスト(三井住友銀行 海外コンプライアンス室長 黒井 功次郎氏、ドイツ銀行グループ・ジャパン コンプライアンス統括部長 マネージングディレクター 大橋 一成氏、ACAMS(公認AMLスペシャリスト協会)・CAMS(公認AMLスペシャリスト)日本代表 日比野 正彦氏、森・濱田松本法律事務所 パートナー江平 亨氏)が登壇した。モデレーターとしてPwC Japan あらた監査法人 パートナー 西川 嘉彦氏が務めた。
 本パネルではAML/CFTに関するグローバル規制の動向・グローバルに活動する本邦金融機関が直面するKYCの課題、金融犯罪コンプライアンス体制の整備に関する整備について討議された。




 次に、「個人情報保護、サイバー犯罪および風評リスクの脅威」として4名のパネリスト(野村ホールディングス IT統括部 マネージング・ディレクター 阪上 啓二氏、PwC ディレクター 山本 直樹氏、トムソン・ロイター ファイナンシャル&リスク部門 アジア・パシフィック ヘッド・オブ・リスク・セグメント クリステン・タイナー氏)が登壇した。モデレーターとしてトムソン・ロイター アジア担当 シニア・エディター トロンド・ヴァゲン氏が務めた。
 本パネルではオペレーショナル・リスク、BCP、事業継続に関わる最高情報責任者の役割についての言及、サイバー攻撃・データ漏えいなどについての説明がなされた。



 最後のパネルディスカッションでは、「主導的な国際金融センターとしての東京の成長、アジア市場との協調的取り組み」として5名のパネリストOECD(経済協力開発機構)事務次長 玉木 林太郎氏、BNPパリバ証券   代表取締役社長 兼 BNPパリバ銀行東京支店 在日代表 フィリップ・アヴリル氏、東京証券取引所 執行役員 上場推進・マーケット営業担当 小沼 泰之氏、野村総合研究所 金融ITイノベーション研究部長・主席研究員 井上 哲也氏、PwC金融サービス部門アジア・パシフィック地域リーダー ヒュー・ハーレイ氏)が登壇し、モデレーターとして  国際銀行協会 ポール・ハンター氏が務めた。
 本パネルでは2020年に向けた国際金融センターとしての東京の役割、日本と他のアジア金融市場との共存に関する説明がなされた。




 一連のパネルディスカッションが終了後、閉会の挨拶としてトムソン・ロイター・マーケッツのマネージングディレクターのSanjeev Chatrath氏より閉会の挨拶が行われた。
 「今回のサミットも幅広いトピックを扱い、弊社でもフラッグシップとなるイベントとなるだろう。また、世界レベルでみた場合、一日約150もの規制の変化が行われており、これは域外への適用が含まれているものが多くIT・データを活用する事なしに捕捉することは非常に難しい。
トムソン・ロイター・マーケッツではそういった分野での知見、日本での歴史的なプレゼンスによりサービス提案できる余地は大きい。今後も各分野・企業の第一人者の招聘を行い規制側と被規制側の対話の場としてゆきたい。」、と挨拶を行った。



 一日をかけて行われた本会議の閉会後、登壇者と来場者を交えての懇親会が催された。
PwC Japan 日本代表 鈴木 洋之氏による乾杯のほか、会場には、自由民主党 衆議院議員 内閣府大臣政務官 越智 隆雄氏が訪れ、「持続的な経済成長に資するよう尽力したい。またNISA、スチュワードシップ・コード、コーポレートがナンス・コードの導入に始まり、より真の金融センターとなる要素は整ってきている、更に2020年にむけて金融分野も飛躍してゆくと確信している。」と挨拶した。会場では名刺交換・ネットワーキングがいたる所で行われた。



 トムソン・ロイター・マーケッツでは、今回の会合以外にも「贈収賄リスク対策セミナー」など国内外の実務者・当局者を招いた種々のイベントを開催している。同社のイベントへの出席は今後も変化の早い国際金融規制・コンプライアンス等の潮流を得るには格好の機会といえよう。詳しくは同社WEBサイトをチェックされたい。

撮影:藤野 宙志、制作:村上 遥 @株式会社グッドウェイ )

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