2019年5月30日(木)、KPMGコンサルティングは、ブロックチェーンを取り巻く現状と日本での実用化の課題をテーマとした「ブロックチェーンビジネス活用セミナー」を東京・日本橋にある野村コンファレンスプラザ日本橋で開催した。
今回は金融・非金融問わず、ブロックチェーンのビジネス利用に興味のある企業や、自社の持つブロックチェーン技術で大手企業と協力関係を築きたいと考えているFintechベンチャーなどを招いての開催で、来場者が多く訪れ、盛況なセミナーとなった。
ブロックチェーンを活用したビジネスが益々拡大することが予想されている中、実稼働に向けた取り組みを理解するべく、大きな関心を持って様々な業界から集まった来場者が開演時間前に列を作った。また全講演は日英に同時通訳された。
開会の挨拶は、椎名 茂氏(KPMGコンサルティング 執行役員 パートナー)。「短い期間に申込が定員に達し、ブロックチェーンを取り巻く環境が活況であることを感じる.。仮想通貨も上下変動もあるもののボックス圏内に動きが収まりつつあり、一定の信用力が仮想通貨の中で生まれてきているのでは。」と述べた後、「仮想通貨以外のところで活用しようという動きが色々出てはいても思うように進められていない。その反面、今後、スマートコントラクトなど様々な分野での新しい活用が予想されるので、今日はブロックチェーンをどのようにビジネスに活用していくのか、事例を中心に皆様に紹介したい」と語った。
基調講演「ブロックチェーンを使ったビジネス事例」には、Laszlo Peter氏(KPMG オーストラリア ブロックチェーンサービスアジア太平洋地域責任者)が登壇。食品業界のケースを例にとり、栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にする食品トレーサビリティーの重要性と食品偽造対策へのブロックチェーンの活用について解説。信頼できる情報の業界横断のプラットフォームとして開発したKPMG Originsの概要について紹介した。
続いて「ブロックチェーン活用における課題」として、東海林 正賢氏(KPMGコンサルティング フィンテック推進支援室 室長)、豊田 雅丈氏(KPMGジャパン KPMGイグニション東京 ライトハウス:ディレクター)が登壇。ブロックチェーン活用要素とビジネスモデルに与える影響について解説した。
【お客様事例①】「ブロックチェーンの活用事例」には、久田 直次郎氏(楽天 執行役員)が登壇し、楽天グループの概要や事業展開などの紹介に続いて、楽天ブロックチェーンラボ設立を含めた楽天の取組や活用事例について、経過や狙いを交えて詳しく紹介した。
【お客様事例②】「ブロックチェーンで築く地域デジタル基盤」には、関村 淳哉氏(岩手銀行 システム部 副部長)が登壇。岩手県の現状、サービス概要に続いて、ブロックチェーンを利用した今後のサービス展開や企業支援イメージなどについて講演を行った。
【お客様事例③】「ブロックチェーンによる株主管理」では、柴原 祐喜氏(日本クラウドキャピタル 代表取締役CEO)が同社のビジネスおよびブロックチェーンの活用範囲、ビジネス・法律面の整理などについて解説した。
【パネルディスカッション】「ブロックチェーン実用化に向けた課題」
(パネリスト)
関村 淳哉氏(岩手銀行 システム部 副部長)
柴原 祐喜氏(日本クラウドキャピタル 代表取締役CEO)
(モデレーター)
東海林 正賢氏(KPMGコンサルティング フィンテック推進支援室 室長)
講演の終了後はネットワーキング・ドリンク(懇親会)も催され、来場者と登壇した講師や出展社スタッフ、来場者同士の歓談が長く続いた。
KPMGジャパンでは今回のようなセミナーを始め、会計、規制対応、フィンテックなど様々な分野のセミナーを東京や地方都市で随時開催しているので、最後にご紹介したい。
(KPMGジャパン セミナーカレンダー) (取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )