2022年の大発会も好天に恵まれ、セレモニーが行われる東証アローズ オープンプラットフォームでは琴による生演奏が大発会のムードを盛り上げた。コロナ感染症対策により昨年の大発会はオンライン開催となり、本年はリアル開催となった一方で、一部の市場関係者のみ式典に参加するなど入場人数を大幅に制限して執り行われた。
年頭挨拶 | 清田 瞭氏(日本取引所グループ 取締役 兼 代表執行役グループCEO)
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清田氏は昨年の株式市場を振り返り、リーマンショック以降最高となった新規上場企業社数にも触れた後、JPXの各種取組みとして4月からの新しい市場区分、システムトラブルの再発防止策とレジリエンスの向上、今秋からの現物株取引時間の30分延長、およびデリバティブ関連としてJ-GATE3.0稼働とCME原油先物の上場、TOCOM(東京商品取引所)への電力先物の本上場とLNG(液化天然ガス)試験上場の申請や2023年9月からのデリバティブ祝日取引開始予定について説明。また、コロナ情勢を踏まえながら企業業績と経済の回復に期待したいとした上で、「寅、千里を走り」という格言の通り、勢いのある縁起のよい年になることを願っていると述べて挨拶とした。
来賓挨拶 | 鈴木 俊一氏(財務大臣 兼 内閣府特命担当大臣(金融))
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鈴木氏は、コロナ感染症拡大防止と経済活動の両立に向けて、岸田内閣が目指す新しい資本主義の実現に向けて資本市場は欠かすことができず、その役割はますます重要になってきているとした上で、金融庁としてもコーポレートガバナンス、非財務情報の開示促進、気候変動や脱炭素への取組みをしっかり後押ししていきたいと挨拶で述べた。また、豊かな人生やライフプランには安定的な資産形成への取組みが必要だとして、安心して投資ができる環境づくりに政府も取組んでいくとした。さらに、東証も市場改革を進める中、日本市場の魅力向上や東京国際金融センターの機能向上に向けて官民で協力していき、新しい資本主義の実現に向けて政府、市場関係者が一丸となって取り組んでいこうと呼びかけて来賓挨拶を終えた。
2022年の取引開始を告げる打鐘では来賓挨拶を行った鈴木氏の他、田代 桂子氏(大和証券 代表取締役副社長)、林 礼子氏(BofA証券 取締役副社長)、菊池 廣之氏(極東証券 代表取締役会長)が合計5回にわたって鐘を叩いた。鐘を打ち鳴らす「5回」は穀物が豊かに実る「五穀豊穣」に由来するという。
打鐘の後、最後に今年一年の市場と経済の発展を願って川井 洋毅氏(東京証券取引所 執行役員)による手締めが行われ、無事大発会は終了した。
大発会の東京株式市場の日経平均株価(225種)は、新型コロナウイルスの新規感染者が増加する中、米国株上昇を受けて大幅反発してスタートし、終値は前年末比で510.08円高の29,301.79円と4年ぶりに前年末比を上回って取引を終えた。2022年の株式市場が寅年の相場格言「寅、千里を走り」の通り、コロナを乗り越えて勢い盛んなマーケットとなることを期待したい。
(写真、取材、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部@株式会社グッドウェイ )