2018年12月28日(金)、日本取引所グループの東京証券取引所は、東証Arrows オープンプラットホームにおいて、1年の取引の締め括りとなる恒例の大納会を開催した。
本年は、サッカー指導者で前サッカー日本代表監督の西野 朗氏がゲストとして招かれ、来賓挨拶や打鐘を行った後、最後に手締めを行って2018年の取引を締め括った。
大納会の会場である東証Arrows オープンプラットホームでは、セレモニー開始前、大型モニターに日本取引所グループやマーケットの今年1年を振り返るのトピックス映像が流された。
続いて、2018年に新規上場した企業の経営者ら代表が盛大な拍手を浴びながら順にエスカレータを降りて参列者に列に加わった。この後の挨拶でも紹介される通り、今年のIPO件数は東証と大証が統合後、最高を記録したという。
【挨拶】清田 瞭氏(日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO)「積年の課題である総合取引所実現に向けて東京商品取引所と鋭意協議を継続中」
清田氏は挨拶冒頭で今年の株式市場を振り返り、「年始は悪くないスタートを切ったが、前半は北朝鮮問題、米中貿易摩擦、後半は安全保障問題、中東の緊張、終息しないブレグジットなど新たな火種が次々と発生し、一時24,000円を上回った株価も米国金利上昇などもあって20,000円ギリギリまで悪くなった。」と述べた一方、好調なIPOについては「今年は98社が上場し、東証と大証が統合後、最高を更新するなど上場への意欲は衰えていない。新年以降も続くことを願うとともに取引所としても支援していきたい。」とIPOへの期待感を示した。
また、「今年JPXグループは清算システムのリプレイス、売買審査へのAI導入、国債の決済期間のT+1への移行、コーポレートガバナンスコードの改訂、100株単位へ統一等数々の施策を実施し、さらにSG/SDGsへの取り組みの他、積年の課題である総合取引所実現に向けて東京商品取引所と鋭意協議を継続している。」と語った。
最後にゲストの西野氏を紹介し、「西野氏にあやかって株式市場も世界にアピールし、来年が輝かしい1年になることを願っている」と語って挨拶とした。
【来賓挨拶】西野 朗氏(前サッカー日本代表監督)
西野氏は恒例の大納会に招かれて光栄と述べた後、「6月にワールドカップがあり、直前に監督になったが、国民の皆さんのバックアップのおかげで最低限の結果は出せたのかなと考えている。」と、前代表監督として大会への感想を一言述べた後、「今年は自然災害が多かったが、被災地の方々にいつも感動や元気を貰っているので、ワールドカップだけでなくスポーツ界全体で被災地の皆さんに勇気や感動を与えたい。」と挨拶。「ワールドカップで5万人の視線を浴びても大丈夫だが、今回はなぜか非常に緊張している。」と会場の笑いを誘いつつ、新年へ期待感を最後に語って挨拶とした。
【打鐘】西野 朗氏による5回の打鐘
挨拶後、西野氏による打鐘が行われた。鐘を打ち鳴らす「5回」は穀物が豊かに実る「五穀豊穣」に由来するという。
【手締め】最後は手締めで2018年の大納会を締め括る。
打鐘が行われた後、東京証券取引所 取締役常務執行役員 岩永 守幸氏の発声による手締めが行われ、無事大納会は終了した。
大納会終了後、辛うじて20,000円をキープした大型モニターを多くの報道陣がニュース配信用に撮影。
大納会が行われた28日の東京株式市場は3日ぶりに反落し、前日比62.85円安の20,014円77銭で終え、20,000円台は維持したものの、2011年以来7年ぶりに前年の引け値を下回って1年の取引を終えた。
来る2019年は「いのしし(亥)年」で、株式相場の格言では「亥固まる」と言い、いい意味で前年の堅調な流れを引き継ぐことが期待された中で年末の株価急落に見舞われたが、東京五輪が開催される翌2020年の「ねずみ(子)年」は「繁栄」の年。一日も早く相場が立ち直り、良い流れでオリンピックイヤーにバトンを渡せられるよう市場の回復力に期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 :プロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ)