2022年2月17日(木)~18日(金)、グッドウェイは「第14回 AMLコンファレンス2022~増大する「規制リスク」とその対応~」を開催した。
AML関連のイベントとしては日本最大規模で、14回目の開催を迎えた本コンファレンスでは、「増大する「規制リスク」とその対応」をテーマに、警察庁、財務省、金融庁といった関係当局や金融機関の実務者、専門家によるマネー・ローンダリング防止に向けた規制や実務と課題、最新の取組みなどが参加者に共有された。
冒頭の「本日のプログラム解説」では、小野 勝司氏(有限責任あずさ監査法人 ディレクター)が2日間のプログラム概要を紹介した。
特別講演
| 「マネー・ローンダリング対策の現状と課題」 |
髙井 良浩氏(警察庁 組織犯罪対策企画課 犯罪収益移転防止対策室長)は、マネロンの情勢や対策、犯罪収益移転危険度調査、疑わしい取引の届出について説明したほか、JAFIC(犯罪収益移転防止対策室)からのお知らせなども合わせて共有した。
講演
| 「AML/CFT対策におけるAI活用とモデル・ガバナンス」 |
新村 和樹氏(SAS Institute Japan ソリューション統括本部 Fraud & Security Intelligence ソリューショングループ & シニアコンサルタント)は、AML/CFTにおけるAIの活用事例、およびAIモデル管理におけるポイントとして、説明性のあるモデル開発や継続的モデル管理の必要性について講演した。
講演
| 「KYCの専門機関が解説!継続的顧客管理をスムーズに実行するeKYC×Salesforce×LINE」 |
千葉 孝浩氏(TRUSTDOCK 代表取締役)、鈴木 文也氏(セールスフォース・ドットコム エンタープライズ & インダストリーアライアンス営業部 金融担当マネージャー)、木村 正吾氏、仲宗根 麻衣氏(いずれもLINE ビジュアルインテリジェンスチーム)4名による講演では、各社のプロフィールやサービス概要、実績等が紹介された後、eKYCによる継続的顧客管理について、パネル形式で金融機関の実施状況や完了率、中長期的な取組みポイント等に関する情報や知見が共有された。
特別講演
| 「日本におけるマネーローンダリング・テロ資金供与・拡散金融対策について」 |
髙木 悠子氏(財務省 国際局資金移転対策室 室長)は、FATF相互審査と第4次対日相互審査について解説した後、FATFやG20/G7で取り上げられる事項、実質的支配者情報の透明性向上、テロ資金供与・拡散金融リスクと外為法について紹介した。
講演
| 「FATF第4次相互審査各国フォローアップの状況と今後の我が国のAML規制環境の見通し」 |
小野 勝司氏(有限責任あずさ監査法人 ディレクター)は、FATF相互審査の概要、他国のフォローアップ審査の状況、我が国のフォローアップ状況の概要と論点について講演した。
講演
| 「貿易金融に係る金融犯罪:トレード・ベースト・マネーロンダリング(TBML)の課題と対策」 |
マシュー・フィールド氏(NICE Actimize APAC市場ディレクター アンチマネーロンダリング担当)、アダム・マクラフリン氏(NICE Actimize AML戦略担当グローバルヘッド AML専門家)、および斉藤 麻由子氏(NICE Actimize プリセールス)は、業界が直面する現在の課題や顧客中心のAMLの新しいプロセス、データを活用した名寄せ処理の収束の技術等を説明後、最適な監視・検出・調査を実現する統合型AMLソリューションのデモも行った。
特別講演
| 「マネロン等対策の現状と今後の対応について」 |
尾崎 寛氏(金融庁 総合政策局 マネーローンダリング・テロ資金供与対策企画室長)は、マネロンを取り巻く世界の現状、我が国のマネロン等対策の概要や法制度、事犯例・処分例から金融行政方針、FATF関連情報や国際動向、各種対策等に至るまでAML実務に関連する様々な情報を共有した。
講演
| 「Fraud Alertを活用したAML対策、FATF対策の事例紹介と、新しい継続的顧客管理の取組」 |
島津 敦好氏(カウリス 代表取締役)は、簡単な自社プロフィール、サービス紹介の後、疑わしい取引の検知事例として、マネーロンダリング口座や口座多数保有者、架空名義口座の特定方法の一部を紹介。事業者間での不正利用者情報共有等の今後の取組みも共有した。
パネルディスカッション
| 「FATF第4次対日審査結果を踏まえた当面の実務対応について」 |
パネルでは、FATF対日審査指摘のリスクの理解の状況や法改正が必要な指摘事項について触れた後、刷新された危険度調査書、SDD(Simplified Due Diligence)、丁寧な顧客対応および反社関係アップデートについて各行の対応や取組み、方針などが共有され、鈴木氏からは弁護士の立場からみた金融機関のAML/CFT 、反社対応について解説が行われた。
特別講演
| 「AML / CFTに係る近時の事例の紹介とその対応」 |
本間 正人氏、末冨 純子氏(いずれもベーカー&マッケンジー法律事務所(外国法共同事業)弁護士 パートナー/弁護士・NY州弁護士)は、対ロシア投資や対イラン制裁関連等の仮想ケーススタディについて解説後、海外法人の実質的支配者情報への対応、海外金融機関等の買収におけるAML/CFT体制の確認について講演した。
講演
| 「AIによるインテリジェントな名称照合とその応用」 |
長谷川 純一氏(ベイシス・テクノロジー 代表取締役)は、テキスト解析に20年以上携わる自社のソリューションや実績を紹介後、海外のテロ犯罪の事例にも触れながらインテリジェンスなAI名称照合テクノロジーの利点や特徴などについて説明した。
講演
| 「DXによる、業務効率改善、従業員と顧客満足度向上、KYC対応、AML対策及びFATF継続的顧客管理コンプライアンスを確保」 |
スウィニー デニス氏(Fenergo Japan 営業部長 兼 カントリーマネジャー)、ジャパロフ ムロ氏(Fenergo Japan クライアント・ソリューション・リード)は、会社概要や金融機関の課題について述べた後、顧客オンボーディングや継続的顧客管理にマッチする自社のソリューションの概要、およびシステムデモを実施してその特徴を紹介した。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )