2012年5月18日(金)14:00~16:00、東京都中央区日本橋の日本橋三越前にあるビジョンセンター日本橋において、FX/オプション取引をメインとする金融コンテンツプロバイダーインディ・パが国内金融機関向けに「第1回バイナリーオプション合同勉強会」を開催した。
会場には金融機関のみならずITベンダーも来場、バイナリーオプションの概要と位置付け、業者側のリスク、理論価格とリスクパラメータの数値例と特徴に至るまで勉強会が行われた。
【第1部】 バイナリーオプションのリスク総論
第1部ではインディ・パ代表取締役 本郷 喜千氏が冒頭で勉強会の主旨、バイナリーオプションのビジネスを手掛けるに至った経緯などを説明。バイナリーオプションを通じてオプションそのものに対する投資家の理解を深め、それにより個人投資家のパフォーマンスアップに繋げていくことで、初心者からプロまでオプショントレーダーの生態系を作りたいとの考えを披露。その後、バイナリーオプションの歴史、エンドユーザーにとっての意義、売り手の視点から見たリスク構造など、最後のまとめを含めて約30分間の講義を終了した。
【第2部】 バイナリーオプション価格理論入門
第2部では、裁定価格理論の枠組み、バイナリーオプションの理論価格およびリスクパラメータの数値例、リスクの特徴などについて1時間ほど解説。オプションそのものの基礎がベースとなった第2部の講義内容は、やや難しい印象も受けるも、参加者の中には目を凝らして前方のスクリーンを見つめメモを取る姿も。その後、質疑応答&勉強会は終了。
本郷氏によると今回の合同勉強会では当初予想を上回る応募があったため、参加できなかった申込者のために第2回開催を検討しているという。また、6月下旬~7月上旬頃を目処にバイナリーオプションに関するコンプライアンス勉強会も開催したい意向だ。
2000年代前半のFXがそうであったように、バイナリーオプションも当局の規制や法的インフラが整備されるまで大手の金融機関であるほど参入障壁が高いと予想される一方、極めてシンプルな商品設計が一旦市民権を得てしまえば、若年~壮年の投資家層を中心に裾野が広がる可能性もあり、社会的な評価が定まる前に先行して参入することで、競争激化の前に少しでも顧客基盤を固めてしまおうという金融機関もあるだろう。シストレと同様に、今後もバイナリーオプションの動向には目が離せない状況が続きそうだ。
(取材、撮影、記事、編集構成: 柴田 潔)