2014年10月4日(土)、コモンズ投信は、千代田区立日比谷図書文化館において、社会的課題に取り組む社会起業家を応援し、投資家とを繋ぐ橋渡しの場として「第6回コモンズ社会起業家フォーラム」を開催した。
社会の課題を事業により解決するソーシャル・ アントレプレナー12名が登壇し、今年度SEEDCap応援先の授賞式や懇親会が行われた。
冒頭に登壇したコモンズ投信 取締役会長 渋澤 健 氏は、今日よりもよい明日のため、投資の日である10月4日にちなんで開催している背景に触れ、政府の役目をフローの再分配だとすると民間の役目はフローを生むストックを価値創造を通じて築くことだとし、大自然を前にこれほど小さな存在である人間が、とてつもない勘違いをもって大きなチャレンジをすることは素晴らしいことだと挨拶。
その後、11名のソーシャル・ アントレプレナーが、ひとり7分間のスピーチで、”いま一番伝えたいこと” を熱く語った。
NPO法人 Homedoor
川口 加奈 氏は、知ったからこそ伝える責任があるとし、10月4日を天使の日として3年前に法人を設立、ホームレスの更生に取組んでいる。
特定非営利活動法人 BONDプロジェクト
橘 ジュン 氏は、きいて伝えるだけでなく必要な大人とつなげるため、少女たちを守る実効性のあるパトロールをしている。
Malaria No More Japan (マラリア・ノーモア・ジャパン)
水野 達男 氏は、マラリアで苦しむ子供たちに、予防と治療の技術や道具(蚊帳や薬などを)を届けられないところにもしっかり届ける活動をしている。
特定非営利活動法人 Light Ring.
石井 綾華 氏は、心の病を持つヒトを支える身近でそばにいる周囲の人たちの力を応援すべく取組んでいる。
公益財団法人 京都地域創造基金
深尾 昌峰 氏は、寄付は義務ではなく権利だとし、持続可能な社会づくりに向けた発信、参加の糸口を創り出すべく取組んでいる。
面白法人KAYAC
柳澤 大輔 氏は、カマコンバレーと呼ばれる鎌倉エリアのIT企業の発信力、地域のクラウドファンディングやブレインストーミングを支援している。
シュアールグループ
大木 洵人 氏は、手話大好きから、聴覚障害を持つ36万人の仲間のコミュニケーションを支えるべく、ITを活用したサービスを展開している。
MotionGallery.inc
大高 健志 氏は、アートをはじめとする芸術や映画など、クリエイティブの世界における活動支援のための資金調達を支援する活動に取組んでいる。
日本ブラインドサッカー協会
松崎 英吾 氏は、東京で開催されるパラリンピックの真の目的は公平な社会を作ることだとし、笑顔でやれるスポーツをジェット気流に乗せたいとした。
気仙沼ニッティング
御手洗 瑞子 氏は、気仙沼の高校生が地域課題の解決を目指したふたつの話を披露、課題解決はどのような場所にもあり、誰にでもできるとした。
コンテクストデザイナー
高木 新平 氏は、パブリゲート(プライベートの延長にパブリックがあるという造語)をシェアハウスの例で、寺の存在意義にもつながる根源に触れた。
認定特定非営利活動法人 かものはしプロジェクト
村田 早耶香 氏は、毎年200万人いるという売られている子供たちを無くすべく、カンボジアからインドまで活動の幅を広げている。
なお、今年度のSEEDCap応援先の授賞式は、認定特定非営利活動法人 かものはしプロジェクトが受賞。コモンズ投信 代表取締役社長 伊井 哲朗 氏は、頑張っている企業を長期的に応援し、社会にお金を循環させるべく、これからも取組んでいくとした。
ヒトと社会、身近な生活の中にある課題解決をライフワークとして取組む活動家の皆さんの想いと行動力。どのような事業も活動も想いを実現しながら継続していくためには、共感、共有、仲間と支援が欠かせない。
豊かで健全な社会を形成する共通のゴール達成と持続的な活動に向けた共存共栄の循環をどのように組み立てていけばよいか、金融インフラやソーシャルメディアの果たす役割は大きい。あらためて、そのようなことに思考を巡らす機会となった。
(取材、撮影、記事、編集・制作: 藤野 宙志 @株式会社グッドウェイ )
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