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2024/03/29

エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(1):M&Aを推進し、成長加速を図る

| by:ウェブ管理者
*16:41JST エージェント・インシュアランス・グループ Research Memo(1):M&Aを推進し、成長加速を図る
■要約

エージェント・インシュアランス・グループ<5836>は、個人及び法人に損害保険(ストック収益)と生命保険(フロー収益)をワンストップで提供している。同社は、保険業法の改正や損害保険会社による手数料ポイント制度(詳細は後述)の変更、保険代理店オーナーの高齢化などを背景に統廃合の進む保険代理店業界に対し、「保険代理店支援プラットフォーム」を提供し、積極的なM&A及び事業承継を推進し成長してきた。2016年1月~2023年12月までに531件の保険代理店を事業承継している。これらの多くは中小規模の損害保険代理店であるが、2024年4月には同社グループよりも事業規模の大きい、生命保険を主軸とする総合保険代理店ファイナンシャル・ジャパン(株)の全株式について、(株)SBI新生銀行からの取得を予定している。今後は大型のM&Aも推進し成長加速を図る。このM&Aの実現により、2024年12月期営業収益は前期比118.8%増の7,763百万円、営業利益は同77.1%増の274百万円に業績が拡大する見通しだ。

1. 2023年12月期の業績概要
2023年12月期連結業績は、営業収益3,547百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益154百万円(同21.5%減)となった。営業収益は、ビジネスモデルの根幹である事業承継及びM&Aの取り組みが引き続き順調に推移し前年同期比で増収となった。一方、営業利益については、国内における損害保険から生命保険へのクロスセルが低調となったこと、M&A及び事業承継の候補代理店の大型化や多様化が加速する中で、体制強化の先行投資を行ったことにより前年同期比で減益となった。また保険診断アプリ「ほけチョイス」※の活用進捗が遅れ、クロスセル・アップセルが想定を下回った。

※保険診断アプリ「ほけチョイス」:ユーザーはオンライン上で簡単な質問に答えるだけで、個々の異なる条件に基づき最適な保険を診断することができる。このアプリを活用することで、損害保険の契約者に対し生命保険を分かりやすく提案することができ、これまで以上にクロスセルの促進につながることが期待される。


2. 2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の連結業績は、営業収益で前期比118.8%増の7,763百万円、営業利益で同77.1%増の274百万円となる高い成長を予想している。2024年4月には同社グループよりも事業規模の大きい、生命保険を主軸とする総合保険代理店ファイナンシャル・ジャパンの全株式をSBI新生銀行から取得する計画。ファイナンシャル・ジャパンの業績が連結決算へ影響するのは2024年12月期第3四半期以降となる見通しであり、当期連結業績予想に含めている。

また、引き続き保険会社とのさらなる関係強化を図りながら、マーケット拡大に向けた保険代理店のM&A及び事業承継を推進する。これまでは、中小規模かつ保険代理店を専業とする専業代理店を中心にM&A及び事業承継を行っていたが、今後は1件1件のM&A及び事業承継規模の拡大に加えて、自動車ディーラーや不動産販売等の他の事業とあわせて保険販売を行う兼業代理店のM&A及び事業承継も積極的に行う。今後、さらなる保有マーケット拡大に向け、生命保険代理店のM&A及び事業承継、そしてアップセル・クロスセルを推進し、新規契約の増加を図る。

3. 中長期成長戦略
引き続き、全国の保険代理店のM&A及び事業承継がドライバーとなり継続的な成長が期待される。同社は保険会社から紹介される形で他の保険代理店のM&A及び事業承継を進めている。保険業法の改正等に伴う体制整備が求められていることで、中小規模の保険代理店単独での事業運営が困難となっている中、保険会社は同社のような一定の規模、クオリティー、ガバナンスが期待できる保険代理店への集約を図りたい考えがある。同社はM&A及び事業承継を通して同社の「パートナー社員」もしくは「勤務型代理店」となった場合、保険代理店支援プラットフォームを通じて、営業・事務両面からのサポートとして、週1回の面談による業務フォロー、定期勉強会やeラーニングを活用した研修支援、FP資格を持った社員の営業同行支援などを行い、「あんしん」して働ける環境を創出している。また、同社は各保険会社から高い評価を得ている。例えば、東京海上日動火災保険(株)の認定制度は2018年度より刷新されているが、同社は最高峰のランクである「ロイヤルエクセレント」の認定を初年度より継続して受けている。「ロイヤルエクセレント」は、44,761店中36店(0.08%、専業代理店9,946店中の場合は0.36%)の代理店のみが受けることができる(2023年7月時点)。また同社は日本国内にて確立している保険代理店支援プラットフォームを米国でも展開。米国50州のうち38州で事業ライセンスを取得しており、この強みを活かして米国においても保険代理店のM&A及び事業承継を軸に成長拡大を図る方針だ。

■Key Points
・2023年12月期は損害保険から生命保険へのクロスセルが想定を下回り減益に
・損害保険代理店の業界再編を背景に、M&A及び事業承継を通じて事業規模を拡大
・トップクオリティの代理店であることを示す「ロイヤルエクセレント」に継続的に認定
・2024年12月期にはファイナンシャル・ジャパンの株式を取得し、営業収益は2.2倍の規模へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 田窪芳人)


《HH》

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