2017/09/20 | クロスマーケ Research Memo(13):今中期経営計画は未達になる見込みだが、中身は評価できる | | by:ウェブ管理者 |
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*15:12JST クロスマーケ Research Memo(13):今中期経営計画は未達になる見込みだが、中身は評価できる
■中期経営計画
2. 2015−2017年度中期経営計画の振り返り
クロス・マーケティンググループ<3675>は2014年に発表した中期経営計画で、2017年12月期に売上高17,985百万円、経常利益1,500百万円を目指していた。しかし、最終年度の2017年12月期は期初計画から既に売上高17,350百万円、経常利益1,400百万円と未達計画になっていた上、期中にKadenceに関する特殊なのれん償却と減損が発生したことで、経常利益は1,071百万円へと更なる下方修正となった。
しかし、事業上の利益は中期経営計画目標値に対して誤差レベルの水準であり、おおむね計画どおりの進捗といってよいだろう。また、目標としていた事業領域と事業エリアの積極的な拡大、アジアNo.1へ向けた土台作りは出来上がりつつあると考えられる。つまり、本業の成長が続いていることを示していると考えることができる。
一方で心配な面もある。2013年の持株会社化というターニングポイントでM&Aや新規事業、海外展開など性急に手を広げ過ぎたのではないか、ということである。これに対し同社は、国内については手を広げながらも一方で重複機能など整理整頓も進めているもようであることから、生産性向上による今後の効率改善を期待したい。海外については、2017年12月期第2四半期のKadenceの株式取得における追加支払いの影響は、株式市場でネガティブサプライズになるほどマイナスインパクトが強かった。しかし、考えてみれば、業績がよくなって全体収益にマイナスになったのは単に契約の問題であり、ファンメンタルズ的には喜ばしいことのはずである。むしろこの好調を今後も続けられるようすべきであり、同社経営陣はグリップを強めている。
国内各事業は順調であり生産性向上の余地がある。海外ではKadenceの業績は好転している。マーケティングソリューションへの進化とアジアNo.1への土台作りは出来上がりつつある。こうしたことを考慮すれば、今後も中期的に2ケタ成長を目指すことができると考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《TN》