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2016/02/12

【国会中継 衆議院 予算委員会】日本でのフィンテックの推進について、衆議院議員 秋元 司氏(FinTech推進議員連盟 幹事長)と麻生 太郎氏(副総理 財務大臣 金融担当大臣)の質問/答弁、全文を書き起こし!

| by:サイト管理者
 2016年1月22日(金)に自民党FinTech(フィンテック)推進議員連盟が衆議院第一議員会館で開催した海外のFinTech事情と日本におけるFinTechの取り組みについての「勉強会」(レポート)に続き、2016年2月5日(金)に国会中継 衆議院 予算委員会において、衆議院議員 秋元 司氏(FinTech推進議員連盟 幹事長)より「フィンテック」に関する質問と、衆議院議員 麻生 太郎氏(副総理 財務大臣 金融担当大臣)による答弁が行われました。



(全文を書き起こし)2016年2月5日 国会中継 衆議院 予算委員会(9時の質問開始から、29分30秒から39分30秒)

衆議院議員 秋元 司氏(FinTech推進議員連盟 幹事長)

私はもともと規制改革論者でございますので、いらない法規制は撤廃していく。そういう主義でございます。

IT分野では、プラットフォームをどう作るかという国際競争に入っており、プラットフォームを作る上で障害になる法規制はどんどん変えていかなければならなりません。

私が今回着目しているのは、ITの光、最近話題になっている「フィンテック」の世界。私は日本にとってフィンテックはチャンスだと思っています。

残念ながら日本はIT社会においては欧米に遅れている現状があります。アップル、グーグルなどが先に大きなプラットフォームを形成しました。我々が使っているアップルの携帯電話(や携帯アプリ)などは、アップルが課金していますから、日本がIT社会を推進すればするほど、米国にお金が流れてしまうという環境がずっと続いています。一刻も早く我が国でもITプラットフォームを作り、少なくともアジア市場で展開し、日本が稼げる環境を作っていくべきだろう。これは今までも国内のIT社会で議論されてきたことでもあります。

ここで出てきたのが「フィンテック」であります。私はフィンテックを利用した挑戦というものを我が国で行っていく必要性があると思っています。「フィンテック」、一体なんなのか。世界でも研究が進んでいますが、日本でも投資をもっとおこなって研究していく、政府もあげて研究していく必要があると思っています。

最近、(日銀のマイナス金利導入の話もあり、)銀行における金利の話が話題になっていますが、一般的に国民が金融機関に持っている大きな不満は、なかなかお金も貸してくれないが、国民の預金、日本は貯蓄性向が高く、貯める傾向だが、ためても預金金利が低いので、個人にとっては銀行にお金を預けているからといって、良い金利がついてくる環境ではなありません。しかしながらちょっと振込したり現金を引き出そうとしたら手数料が高い。「預金金利よりも手数料が高い。なんなんだ」という怒りが多くの国民の皆さんは感じていることだと思います。

消費税を1、2%上げるときに日本では大きな議論なんですが、一方、銀行の金利が低いことについてはあまり声を挙げないといういい国民性だと思っていますが(笑)、実際は国民は手数料にストレスは感じています。

ではなぜ銀行などの手数料が高いのかと言われれば、これは間違いなく古いシステム維持のために多額の費用が使われているからです。日銀のHPの調査報告書によると、米国の金融機関におけるIT支出のうち、変革・イノベーションに使用しているのが6割、システムの維持管理は4割です。一方日本の金融機関は、IT支出の7割は古いシステム維持、複雑化したシステム応急処置などにかかっている。

IT支出の殆どが古いシステムのためにお金が使われていて、それを利用者みんなが負担している。だから手数料が高い。

我々は、フィンテック、そして銀行でも注目されるブロックチェーン技術など、この世界に注力することによって、手数料を低くする、そういうことを目指せる世界に入っていけるだろうし、ぜひ日本としてフィンテックプラットフォームを構築し、アジア全体の市場を取りに行く、そういう方向に進んでいくべきと思います。

ただ日本は入り口論が弱い。「もの」と「インターネット」がつながるのが「IOT(Internet of Things)」、これに金融・決済機能がつくと「フィンテック(FinTech)」と呼んでいます。

フィンテックにおいては、仮想通貨も利用していくのであります。しかし日本では、現在仮想通貨は「もの」扱いになってます。国内の法定通貨の円から仮想通貨に市場(交換所)を通じて交換するときに、実は「もの」だから消費税がかかってしまっています。

世界はどうなっているかというと、EUでは最高裁で、仮想通貨に消費税はかけないという判決がなされました。EU全体では法定通貨との交換に消費税がかかりません。

日本だけがかかるとなると、結果的に日本で、仮想通貨の交換市場を作ろうというベンチャーが現れても、日本では消費税がかかるから、入り口論として進んでいかない。いよいよ三菱UFJフィナンシャルグループも仮想通貨に取り組んでいこうというのを新聞やメディアで見ましたが、日本の民間企業が仮想通貨に積極的に取り組もうとしているなか、日本だけが仮想通貨の交換に対して消費税がかかっている。これについては、本来は財務省でしょうが、「金融を促進する」という視点から、金融担当大臣として、麻生大臣、そろそろ世界の潮流に合わせて、仮想通貨に消費税をかけないという検討いかがでしょうか。

衆議院議員 麻生 太郎氏(副総理 財務大臣 金融担当大臣)

「ファイナンス」と「テクノロジー」を合わせて通称「フィンテック」と最近使われだした言葉だと思います。こういったものがいろんなかたちで技術の進歩とともに、いまいわれたような通貨、手数料の問題を解決するものとしてでてくる時代であります。(仮想通貨の法定通貨との交換について)EUが消費税撤廃はしました。他方オーストラリアやフィンテックテクノロジーが進んでいるシンガポールなどは消費税課税状態なので、日本だけがということではないということは、最初に申し上げておきたい。いずれにしても、このようなものが、金融の将来に大きな影響を及ぼすということは、これまちがいないですよ。そういった事になると私も思っています。

この種の「仮想通貨」というんですか、金融機関を介さず、自由にインターネット上でやり取りできる特性があると思いますが、(既存金融機関の)金利の話、交換するときの手数料の話などがありますので、迅速に利用が膨らんできていると思います。

一番の問題はテロです。テロの通貨取引に最も利用されているのはこれ(仮想通貨)だろうといわれています。G7サミットにおいてこの仮想通貨に関するルール整備が言われているところであります。

国内でも一昨年、MTGOXというのが渋谷で起こした事件がありますが、あれが破綻する時にかかった経費というのが多額のものがかかっています。

いずれにしてもこういったものを我々としては、早急に作業は進めていかねばならぬと思っています。

いま申し上げた点も十分に勘案したうえで、必要な環境整備というのをすすめてまいりたいと考えております。

衆議院議員 秋元 司氏(FinTech推進議員連盟 幹事長)

ぜひこれは早期に結論を出していただきたい。せっかく日本が少なくてもアジアのプラットフォームを取れるかどうか大きな過渡期であると思います。

安倍総理の答弁は求めませんが、これは大事な論点で、日本にとっていい風だと思ってますので、今後政府内でも検討頂きたいですし、米国ではフィンテックに対して1兆円の投資、ブロックチェーン業界においては1000億円の投資がなされてます。

英国においてはもっと進んでいて、政府とフィンテック業界が積極的に連携して共同研究を行っている現状です。

残念ながら日本では100億円レベルの投資しかなされていない状態で、その背景としては国内の法規制の問題があって、絵(事業計画)を書いても、進んでいかないという現状があります。それをふまえてよろしくお願い致します。


書き起こし : 三島 一祥氏




15:27 | 写真:金融・IT業界向け




 

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