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2014/08/18

【フォレックスマグネイト】東京サミット・パネルディスカッション「CEOs Discuss Their Success Stories(CEO達が語る成功談)」レポート!セントラル短資FX 松田 邦夫 氏、ワイジェイFX 伊藤 雅仁 氏、マネックスグループ 松本 大 氏、インヴァスト証券 川路 猛 氏、SBIリクイディティ・マーケット 重光 達雄 氏の5名のCEOが、FX市場の変遷、顧客ニーズの変化、新たな収益源の確保、税制への提言などについて語る!

| by:ウェブ管理者




 2014年7月29日(火)~30日(水)、フォレックス・マグネイトは、2日間にわたってマンダリン オリエンタル ホテル 東京において「フォレックス・マグネイト 東京サミット2014」(取材レポート)を開催した。会場には日本の金融機関やベンダーほか各団体、そして海外およびスポンサー企業の担当者、メディアを含め業界関連の幅広い分野からエグゼクティブを中心に332社から976名もの業界関係者が集まった。


 今回のサミットで開催されたパネルディスカッションの一つ「CEOs Discuss Their Success Stories(CEO達が語る成功談)」では業界を代表する5名のCEOが登壇。FX市場の変遷、顧客ニーズの変化、新たな収益源の確保、税制への提言などについて、それぞれの見解や方向性が示された。
 パネリストには、セントラル短資FX 松田 邦夫 氏、ワイジェイFX 伊藤 雅仁 氏、マネックスグループ 松本 大 氏、インヴァスト証券 川路 猛 氏、SBIリクイディティ・マーケット 重光 達雄 氏の5名のCEO(順不同)が登壇、モデレーターは、グッドウェイ 藤野 宙志が務めた。

<パネルディスカッションの動画は、こちらをご覧ください。1時間4分53秒>



── FX市場の変遷と現状認識について教えてください。


【松本氏】従来、中央銀行、金利、実需などで為替の値段が大きく動く時代から、FXの登場によりこの20年ほどでプレイヤーも増え、マーケットの参加者の構成や顔ぶれが変わった5年ほど前に大きなチャンスが訪れましたが、最近はそのバランスが崩れているように感じており、ボラティリティも下がっています。今は、これから先のプレイヤーの存在がどのようになるか、テクノロジーが進んでもプレイヤーが少なければ空回りしてしまうので、考えるべき時に来ていると思います。


【重光氏】時代や参加者の変化など新たな枠組みを模索している中、現状を踊り場と見るか、変化の時と見るか、さまざまあろうかと思いますが、少なくとも、現状のビジネスを見る限り裾野は確実に広がっています。足元のターンオーバーは落ちていますが、グロスの口座数や預り残高は増えており、為替のデリバティブの分野において日本はすごい市場になっていると思います。今後は、市場の透明性という観点で、個人と業者間のみならず、業者とインターバンク間の流動性についてもクリアにしていくことが求められるでしょう。


── 最近の顧客ニーズの変化と新サービスについて教えてください。


【川路氏】老若男女、人口分布に近い構成でFXの裾野は広がっており一般的な金融商品になった中、当初は取引コストに対するニーズが強かったものの、最近はプラスアルファのサービスやサポートを求める層も増えており、選択型のシストレ24や裁量取引における決済のタイミングの難しさを支援するトライオートを提供しています。実際に、シストレ24の新規口座開設者の中には、FXの取引経験が6ヶ月未満、経験の無い方が多くいらっしゃいます。


【伊藤氏】他の人の取引タイミングを参考にしたいという要望に応えるため、Yahoo!ファイナンスの新コンテンツとして、自分の取引や資産情報をニックネームで公開し、共有することができるファイナンススタジアムの提供を開始しました。また、社会人の投資スタイルをはじめ、スマホ経由の比率は高まる一方なので、色使いや操作性を高めていくべく毎日のように追求しています。


【松田氏】顧客ニーズに応えるためにテクノロジーや商品が発展し、それがまた新たなニーズを生み出すという循環において、お客さまのニーズに対して常に謙虚に耳を傾けています。投資のパターンを増やすなど、裁量取引におけるスプレッドへの要望に応えつつも、システムトレードや市場直結型のウルトラFXなど、丁寧かつクリアに対応しています。


── 新たな収益源の確保に向けた取組みについて教えてください。


<リクイディティコントロール>
【重光氏】昨年は過剰な流動性に手を焼いたり、今年は少ないと嘆いたりと、生きているマーケットにおいて取引コストが急速に落ちている中、考えるべきことは、いろんな人が参加するマルチな市場構成を大きくすることです。そして、これまで日本が取組んできたストップロスやレバレッジ規制など、しっかりと整備された取引を呼び込める仕組みを介した日本のハブ化/日本金融構想の実現によって市場を更に大きくし、その結果として、全体の収益を大きくしていくなど、次のステージをどうするか、大事な時にあります。


<低ボラティリティ環境の影響と対策>
【松本氏】投資家が収益を上げ、その結果としてブローカーが収益を上げるという関係を作らないと長くは続きません。トレードする側の立場からすると、投資できる対象が限られているのは、パターだけでゴルフをするようなもので、とてもキツく短命となることが多いです。取引できる商品を幅広く用意し、オープンマインドなトレード機会を提供していくべきだと考えています。そういう意味ではFXオプションもやっていきたいと思っています。


<海外市場への進出>
【川路氏】2013年4月よりはじめているオーストラリアでの事業展開について、ひと言で言うと、”人を得ること”が、新しい世界へ踏み出す上で重要だと実感しています。グローバル戦略を自ら語ることができる若くて素晴らしい現在の経営陣とパートナーとしてめぐり合えたことが、とても大きかったです。


【伊藤氏】2014年4月よりUK(イギリス)で営業を開始するまで、現地採用者と日本からチャレンジしているメンバーが手探りで試行錯誤、悪戦苦闘しながら長い準備時間がかかりましたが、おかげさまで、お客さまは増えています。やはり世界一を目指す以上、国内だけでなくグローバルに出て行く必要があり、また、一方で、日本が育て上げてきた取組みやすい金融商品であるFXをグローバルに評価してもらいたいとも思っています。


<社会インフラ/実需への対応>
【松田氏】個人にとっての両替や外貨預金、企業法人においては急速にグローバル化が進む中小企業による外貨調達、一時運用、為替予約、ヘッジといった実需分野において、FXははるかに安いコストで代替できる大きな可能性を持った商品です。そのメリットを伝える拡大余地は大いにあり、従来よりこれらのサービスを提供してきた銀行のビジネスモデルに変化をもたらし、相対的に注目されるチャンスは大きいと思います。また、社会インフラとしても、規制やルールなどソフト面のインフラ整備が進む中、世の中において不可欠で大切なインフラとして認知してもらうためにも、ビジネスの透明性、公平性を高め、関係者の全てが努力していくことで業界発展につながっていくと考えています。


── 業界への要望


【松本氏】世界的に見ても損益通算(損失の繰越控除)において期限が無い国がほとんどという中で、日本の3年間というのはありえない短さと言えます。また、損益通算が可能な商品の適用範囲も、とても狭いです。先ほど触れたように、マーケットには波があり、投資家にとっていろいろな選択肢が用意されていないといけないと考えています。個人投資家は、会計年度が無く、長くポジションをもてることが強みでもあるので、この期間(縦軸)と商品(横軸)について、幅広く横断的に損益通算できるようにすることがとても重要であり、意見をまとめていくべきです。


【重光氏】個人がリスクをとってもうけても、FXと株で損益通算ができないというような国はありません。世界的に見てもFXの規模が大きい国の中で、現物であれ預金であれ何であれ、やはりリスクファクターにおいて投資したものに対して広くあまねく損益通算できるようにすること、本来のあるべき姿にしていくことが、外からの投資を呼び込み、市場の発展を大きくする一つのきっかけになるものと思います。デリバティブがそもそも何のためにあるのか、そのような視点からもぜひ損益通算について考えて欲しいと思います。



損益通算については、金融庁ホームページにある平成26年度税制改正要望(金融庁)にある以下の改正要望事項(No16)を参考にされたい。


  金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)

  <概要>

  平成26年度税制改正( 租税特別措置) 要望事項( 新設・拡充・延長)
  (金融庁総務企画局政策課)


  【制度名】
  金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)


  【政策目的】
  個人投資家の市場参加を促すことを通じ、国民の長期的な資産形成が図られること。


  【施策の必要性】
  ・ 個人投資家の市場参加を促すためには、投資家が多様な金融商品に投資しやすい環境を整備することが重要。
  ・ 金融商品については、商品間の損益通算の範囲が制限されており、投資家が多様な金融商品に投資しにくい状況。
  ・ 平成25年度税制改正において、損益通算の範囲が特定公社債等にまで拡大されたところであるが、デリバティブ
         取引・預貯金については、未だ損益通算が認められていない現状。
  ・ このため、金融商品に係る損益通算範囲を拡大し、個人投資家の積極的な市場参加を促す環境を整備することが
         必要であることから、金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金に拡大する必要。



(取材、撮影:藤野 宙志、柴田 潔 /  記事、藤野 宙志 /  編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ )


◎(ご参考)過去の開催レポート

 

 


12:21 | 写真:金融・IT業界向け




 

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