「オルタナティブデータEXPO」は今回で2回目の開催となり、回を重ねるごとに出展社および来場者が増加してきている。
オルタナティブデータは、金融機関や投資家等が資産運用で利用してきた財務データなどの伝統的なデータとは異なるビッグデータや様々な情報源から収集できる多様な情報・データで、資産運用における投資判断の差別化を生み出すファクターとして、更に注目度が増してきている。
会場では、23社のソリューションプロバイダーによるデータ活用のための展示、会員企業によるオルタナティブデータの活用に向けたパネルディスカッション、データ活用の最先端の事例を集めた様々なセッションなどが実施された。
最後に、協議会でのつながりや今回のようなイベントによって、新しい仕事が生まれ、日本を変えていくということができればと抱負を語り、開会挨拶とした。
基調講演で池田 賢志氏(金融庁 チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサ―)は、資産運用と密接に絡むオルタナティブデータや、オルタナティブデータとしてのサステナブルデータについて、企業価値を読む上でどのようにデータを活用していくかなどについて語った。
各企業の協業内容について、5事例について各社より解説が行われた。
パネル・ディスカッション①
| 「FACTBOOKに見るオルタナティブデータ活用の現在地」 |
<モデレータ>
<パネリスト>
Paris Tung氏(Neudata Senior Analyst)
本パネルは、昨年末に取りまとめたFACTBOOKを元に、日本におけるオルタナティブデータの活用状況、将来の活用拡大に向けた取組み、提供者や利用者が直面する課題を紹介しつつ、議論が進められた。
基調講演で矢吹 周平氏(国土交通省 政策統括官付 情報活用推進課長、内閣官房地理空間情報活用推進室参事官)は、自治体におけるデータ整備について、事例を交えながら国民ニーズの多様化にこたえる取り組みなどについて講演した。
菊池 由美子氏(日本不動産カウンセラー協会 理事長)、竹田 賢治氏(日本不動産カウンセラー協会 理事)は、オルタナティブ推進協議会と不動産カウンセラー協会で共同研究が昨年スタートしたこと、オルタナティブデータと不動産をかけ合わせて自治体への提案を事例を交えながら講演が行われた。
パネル・ディスカッション② | 「生成AIの活用と課題」 |
<パネリスト>
北山 朝也氏(AlpacaJapan 代表取締役 Japan GM (JADAA 理事)) 高木 幸雄氏(電通総研 金融ソリューション事業部 事業戦略ユニット ビジネスエンジニアリング部 グループマネージャー (JADAA 人材育成委員長)) 岡谷 憲二氏(AGC 化学品カンパニー経営戦略本部 DX推進室)
ジャーナルメンバーに行ったChatGPTの活用に関するアンケートを解説したのち、アメリカでのAI活用による効率化を元に現在の取り組みや今後についてや、AIを使用した人材活用のために活用できる人材面の課題についてなど議論が進められた。
パネル・ディスカッション③ | 「サステナブルな経営を実現するためのオルタナティブデータ活用」 |
本パネルでは、オルタナティブデータが解決できえる重要なサステナビリティ課題や、オルタナティブデータの不完全性と正解のあいまいな問いに挑み方についてをテーマとして、議論が行われた。
基調講演で谷 浩氏(内閣府 地方創生推進事務局 参事官 地方創生SDGs担当)は、地方自治体におけるSDGsを進めるうえで重要な要素を事例を交えながら講演し、官民連携や、自立的好循環を作ための自治体と地域金融機関が地域の業者を見えるかしていくことの重要性などについて講演した。
①石原 哲夫氏(Macrobond Financial 営業 Macro Strategist)
②髙野 桂一氏(ジオテクノロジーズ GTダイレクト営業本部ソリューションセールス マネージャー)
③佐々木 治氏(マーチャンダイジング・オン 代表取締役社長)
④井上 晋氏(日本リスク・データ・バンク データサイエンス3部 部長)
⑤羽仁 みのり氏(TOPPANエッジ ビジネスイノベーション本部)
⑥山ノ内 智康氏(マネーツリー データリサーチ プロダクトマーケティングマネージャー)
⑦小野 美和子氏(Bloomberg データ部アジアサプライチェーンチーム 日本担当)
⑧田中 龍氏(マインディア セールス本部 セールス本部長 CCO 兼 CRO)
⑨平瀬 練司氏(サステナブル・ラボ 代表取締役CEO)
⑩栗本 廉氏(オープンワーク 社長室 室長)
10社による1社あたり4分のピッチマラソンが行われた。
閉会にあたって、笠井 康則氏(LSEG Data & Analytics ディレクター (JADAA 理事))は、昨年はオルタナティブデータで具体的に何ができるのか見えにくかったが、本日のピッチマラソンや様々な事例を見て、メインストリームに入ってきたのではないかと改めて確認できたと語り閉会挨拶とした。
オルタナティブデータの活用に関しては、世界中が注目しており、様々な形で活用されていくことで、日本の発展につながることが期待される。日本での更なるオルタナティブデータの活用に向け、オルタナティブデータ推進協議会の今後の活動や取組みに注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )