2022年6月3日(金)、楽天証券は同社と契約を結んでいる全国のファイナンシャルアドバイザーおよそ250名を招いて、「楽天証券IFAカンファレンス」を虎ノ門ヒルズフォーラムで開催した。
IFA(Independent Financial Advisor)とは、金融商品仲介業者に所属する独立系ファイナンシャルアドバイザーを指し、個人投資家に資産の運用についてのアドバイスを専門に提供するなど、あらゆる金融商品の中から最も適切な商品や運用方法などを中立的な立場で投資家に提案してくれる専門家を指す。同社では半年毎に契約アドバイザーを招いてカンファレンスを開催しており、今回で26回目(コロナ感染対策で直近はオンラインによる開催、リアル開催は2年半ぶり)を迎えた。
大嶋 広康氏(楽天証券 副社長執行役員)は、来場および日頃のご愛顧への御礼を述べた後、マーケット下落の影響を受けつつも拡大するIFA関連の預かり資産が1兆円を視野に入れてきたこと、コミッション重視からフィー型(運用資産残高連動報酬型)への転換を目指してきたことで、ROA(Return On Asset / 預かり資産に対する報酬の割合)が10年前に比べ1/3に低下した実績などを中心にIFA事業の概要を報告。高齢化社会に向けたサービスや紹介スキーム、多方面からの問い合わせ・連携の申し出等の状況なども共有後、アドバイザーの必要性や未来に向けたミッションについてのメッセージを送って挨拶とした。なお、この日の進行は平田 梨沙氏(楽天証券 パートナービジネス事業本部 / IFA事業部)が務めた。
楠 雄治氏(楽天証券 代表取締役社長)は大嶋氏に続く挨拶の冒頭、同社の株式上場準備の開始(楽天グループプレスリリース)について触れ、資金調達等による成長戦略など上場のメリット等を説明。また好調なグループの連結業績や主要KPI及びフィンテックエコシステムの概要、4年連続TOPの楽天証券の新規口座開設数、シェア2位の売買代金、投信積立や投信販売額の順調な伸長についても報告後、同社での継続的取引関係の維持を目指した各種サービスや米国株信用取引の受託開始、および楽天モバイル債などの概要を紹介した。
挨拶の後の表彰式では、2021年度下半期に優秀な成績を残したIFA事業者および個人が表彰され、記念品が贈呈された。預かり資産を拡大した法人部門の上位3社は以下の通り。
続いて、フィー型(運用資産残高連動報酬型)の預かり資産を拡大した法人部門の上位3社が表彰された。
それぞれの個人部門の受賞者は以下の通り。
新設のコンプライアンス賞の受賞企業は以下の通り。なお、セレモニーの間、楽天証券スタッフによるバイオリン演奏が行われ、その美しい音色が授賞式を彩った。
表彰式後の講演が会場で行われている間、IFA事業を統括する大嶋氏が別室にて報道機関向けレクチャーを実施。自身の経歴、過去を振り返っての証券業界の課題や問題点等に触れた後、ブローカーモデルからアドバイザーモデルに転じた背景やIFA事業創設の経緯等を紹介。また、同社のIFAに関わる事業やサービスに関するトピックスも交えながら、IFA事業の目指す方向性やビジョン、アドバイザーの必要性に関する想いなどを報道陣に共有した後、質疑応答を経てレクチャーは終了した。
米国ではIFAが資産運用アドバイザーとして存在感を示し、国内でも各種金融機関が手数料ビジネスからアドバイザリービジネスに収益源の一部をシフトしようとするなか、顧客本位、且つ継続的な取引関係を目指したFeeベースを軸としたIFA事業を推進する同社の今後の展開に注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 :GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )