2022年3月20日(日)、ちいきん会事務局は、「新しい資本主義、コロナ対応、時は疾風勁草!生き方を考える」をテーマに、約1年ぶりとなる「第6回 ちいきん会」をオンラインで開催した。
2,500名を超えるネットワークに広がり、対話の場や、各地で事業の企画・実施に至る取組みも増えているちいきん会。今回、ちいきん会と共に地域を盛り立てる有志をサポートする「テラロック」と連携し、地域でのイノベーション創出や仲間づくり、モチベーション向上を通じて官・金・民の連携による地域課題解決を目指して様々な対話やピッチが行われた。また、今般、ちいきん会は一般社団法人化することを発表。地域に必要なノウハウ・情報を共有するイベントや、各地域の取組みの伴走などをさらに強化していくという。
新田 信行さん(ちいきん会 代表理事 / 開智国際大学 客員教授 / 元 第一勧業信用組合 理事長)は、代表理事挨拶冒頭で関係者への御礼を述べた後、法人化にあたって130名もの会員からおよそ50万円の寄付があったことを報告。新しい価値創造に向けて、自助と幇助と共助が必要な時代の中、地域金融機関と公務員が、フェイストゥフェイスで地域を超えた様々な人と広くつながるちいきん会は本当に重要な場であり、皆さんとぜひこの活動を盛り上げていければと挨拶。
続いて各理事の紹介が行われ、順に就任の挨拶を行った。
・久能 雄三さん(ちいきん会 代表理事 / クノウ 代表取締役) 福島県で広告代理業と人材紹介業を営んでいる中で、近年特に注力しているのが都市部の複業人材と地域課題をマッチングを通じて課題を解決していく取組み。地域課題を一番把握しているのは金融機関であり、課題解決を目指して地域の経営者、金融庁、金融機関の皆さまとご一緒させていただければと挨拶した。
思い入れが深いちいきん会は熱気に溢れて多くの人達が集まり、そこから派生的にそれぞれの地域のダイアログにつながったと過去の歩みを振り返った。また、一般社団法人化は金融庁から離れることを意味するが、オープンなプラットフォーム化に伴って様々な人が入ってこれる場になることで、益々、ちいきん会の役目は重要になってくるだろうと述べた。
・日下 智晴さん(ちいきん会 理事 / 元 金融庁 地域課題解決支援室長 / 日下企業経営相談所 代表) ちいきん会を間近に見てきた中で期待したいことは、この有志の活動がさらに各地域に飛び火して、各地域ごとにダイアログが起こり、そして、そこに更に多くの人達が参加することとし、自身も2021年10月から広島に居を移していることを共有した上で、地域の一人として様々な課題を解決していきたいと語った。
・増田 寿幸さん(ちいきん会 理事 / 京都信用金庫 顧問) 今日のこのイベントの内容を、金融機関は組織のトップに対して、公務員なら知事や市長に対して早々に報告しませんか、とこの日の参加者に提案。ともすれば孤独感を感じている頭取や市長、知事も、直接ダイアログを申し込めば大いに喜ぶだろうと述べ、報告に困難が生じた場合はいつでも相談に応じたいとエールを送り挨拶とした。
トークセッション『「と」の力=持続可能性』には、渋澤 健さん(シブサワ・アンド・カンパニー 代表取締役)、寺西 康博さん(テラロック 主宰)が出演し、寺西さんが渋澤さんに質問する形式で進行した。
日本初の銀行を設立した渋沢 栄一さんが唱えた「論語と算盤」の思想の現代意義は、サステナビリティ(持続可能性)であるという渋澤さんの持論を踏まえ、「か(or)」ではなく、論語「と」算盤は未来に進んでいる車の両輪であるとの考えのもと、今の世の中に求められる「と」の力とは何かなどについて、渋澤氏が持論を披露した。また、セッション終了後には複数の参加メンバーから、ちいきん会への熱いメッセージが寄せられた。
トークセッション『ちいきん会の可能性』には、新田 信行さん(ちいきん会 代表理事 / 開智国際大学 客員教授 / 元 第一勧業信用組合 理事長)、遠藤 俊英さん(ちいきん会 理事 / 元 金融庁 長官 / ソニーグループ シニアアドバイザー)、日下 智晴さん(ちいきん会 理事 / 元 金融庁 地域課題解決支援室長 / 日下企業経営相談所 代表)が出演、橋本 卓典さん(共同通信社 編集委員)がファシリテーターを務めた。
セッションでは、今回のちいきん会の一般社団法人化をはじめ、それぞれの立場の変化とものの考え方や見える景色の変化、組織団体トップの孤独感、金融機関と自治体の連携における課題、ちいきん会のこれからの役割と見通しについて私見を披露。ちいきん会に対する今後の期待などそれぞれの想いが共有された。
閉会の挨拶は、遠藤 俊英さん(ちいきん会 理事 / 元 金融庁 長官 / ソニーグループ シニアアドバイザー)より、同じ志を持ってる皆さんがちいきん会に集まり、そしてそれぞれが地域に持ち帰り地域ダイアログを展開するなど、ちいきん会は確実に前を向いて歩き、結果を出していることをあらためて感じたとし、これからの全国地域へのさらなる拡大に期待感を示した。その上で、今回の「第6回 ちいきん会」の開催は一般社団法人化という新しいちいきん会の第一歩でもあり、ぜひ皆さんと一緒に盛り上げていきたいと語り、挨拶とした。
ちいきん会では今後の全国地域への活動をさらに拡大するため、活動費としての寄付(協賛金)を広く募集しているという。興味のある方は、ぜひ支援されたい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )