◎MT4(メタトレーダー)を核としたトータルソリューションサービス(ワンストップショッピング)の日本進出を図るボストンテクノロジー社が国内金融機関向け説明会を開催!
日時:2011年9月12日(月)
場所:都内
欧米の金融市場ではプログラム売買による取引高が年々存在感を高めている状況下、日本国内の個人投資家やリテール向け差別化戦略を図る国内金融機関の間でもここにきてオートトレーディングシステムへの注目度が徐々に高まっている。
一般に国内ではプログラム売買はシステム売買、自動売買などとも呼ばれ、一部ではニーズは限定的な理系投資家層に限られるとの見方もある一方で、テクノロジーの進化と投資家層の経験・研究心の高まり、欧米のオートトレーディングシステムから生み出される膨大なトランザクションに着目し、導入を検討し始める金融機関も増えてきているのも実情だ。
メタトレーダーは現状、FXトレード専用のツールだが、ボストンテクノロジー社は近々に株式やオプション、先物のサービスも開始するという。
◎MT4(メタトレーダー)とは
ロシアのメタクォーツ社が開発したFXトレード用のクライアントソフトウェア。秀逸な高機能チャートに加え、C言語をベースとしたプログラミング言語を用いオリジナルテクニカル指標作成機能、自動売買機能、バックテスト機能(過去相場を使って自分のプログラムの損益検証を行う)が行えるなど、その多彩で投資家を満足させるハイパフォーマンスな機能は既に一部の国内利用者からも絶大な支持を得ている。
今般、ボストンテクノロジー社はMT4というプラットフォーム&リクイディティー、バックオフィスシステム、複数のカバー先と銀行直接フィード、ハードウェア、データセンター&サポートというトータルソリューションサービス(部分的な導入も可能)を国内金融機関向けに提案。
当日の会場には国内金融機関関係者を中心に数十名が集まり、熱心にプレゼンテーションに耳を傾けた。
個人投資家にとっては金融機関(ブローカー)との契約(口座開設等)がなくとも、無料で専用ソフトをダウンロードして高機能なチャート機能を利用することもできるので、まずはプラットフォームに慣れる意味で無料ソフトからその秀逸なシステムの一端を利用・経験することもできる。ダウンロード方法は「MT4」で検索するなどすれば簡単に見つけ出すことが可能だ。
*写真背景は説明会が行われた都内のビル
◎ボストンテクノロジー 創立者 兼 最高経営責任者 ジョージポペーツク氏(写真)
当日のプレゼンテーターは来日中のジョージポペーツク氏。氏はロシアのメタクォーツ社をスピンオフしてボストンテクノロジーを創立した。
以下、プレゼンテーションの内容を要点のみ掻い摘んで報告する。
◎FX市場のデータ
・世界のブローカーランキング上位13社の内、日本企業(FX専業等)は1位、2位、5位、11位と4社がランキングされている。この4社合計で全世界のブローカー取引の実に4割を占めるまでになっている。
・一方、FXCM(3位)、Saxo Bank(4位)、GFT(6位)、Gain(10位)、Alparri(12位)といったボストンテクノロジー社のクライアント企業も5社がランクインしている。
◎オートトレディングの傾向
・ボストンテクノロジー社のクライアント(ブローカー)の内、リテール・トレーダーの60%がオート・トレーディングを利用している。
・2011年、総体的にオート・トレーダーが儲ける傾向。
・トレーダーは平均して月間500~2,000回の取引を行なうという。
◎驚愕の取引実態
一本(100万ドル)の取引を例に取ると、月間500~2,000回の平均を1,000回としても月間取引高は10億ドルにも及ぶ。
この例を当てはめれば、1万ドル(1枚)で取引している個人投資家の場合でも、その取引高は月間1,000万ドル(1,000枚)に及ぶということになる。
1取引当たり平均利幅「1pips(ピップス)を確保できれば、月間で1万ドル×1pips×1,000回=1,000ドル獲得となり、月額では取引高1,000万ドルに対して100万ドルのキャピタルゲインを得られるという計算だ。
◎クライアント(ブローカー)へ提供可能な平均スプレッド
一定数のボリュームをクリアする必要はあるが、ユーロ/米ドルで0.5pips、米/ドル円0.6pips、ユーロ/円で0.9pips
◎導入コスト
ボストンテクノロジー社は設備投資(東京へもデータセンターを設置)に数千万ドル(数十億円)を投資しているが、クライアントはローコストでセットアップできる。
主に、料金は変動性で従量課金だが、様々なタイプの料金設定も用意しているという。
◎まとめ
・オートトレードを通じて取引ボリュームを拡大
・クライアント企業を差別化させる
・収益増大の機会提供
・24時間×6日のサポートとインフラ
投資家が儲からなければビジネスの発展はなく、それによりボストンテクノロジーは顧客(クライアントのブローカー)と利益の合致者となることを目指している。
停滞する経済、少子高齢化による市場収縮など様々な課題を抱える金融マーケットで資産を運用する日本国内の投資家に、新たな運用手法が徐々にでも根付いていくのか、今後の成行に注目したい。
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MBRJapan:クリエイティブテック bt@mbrpartners.jp
(記事・撮影:柴田 潔)