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2024/01/05

【フィンテック養成コミュニティ】フィンテック養成勉強会#36「責任あるAIの実践:金融業界のための戦略と原則」を開催!

| by:サイト管理者
【フィンテック養成コミュニティ】フィンテック養成勉強会#36「責任あるAIの実践:金融業界のための戦略と原則」を開催!

 2023年11月28日(火)、フィンテック養成コミュニティが主催する勉強会が、QUICKの会場で開催された。 このイベントは、金融業界における生成AI技術の責任ある運用に焦点を当て、「責任あるAIの実践:金融業界のための戦略と原則」と題して進められた。主要な議題には、倫理的な生成AIの活用ガイドライン、リスク管理、透明性の確保が含まれ、技術者から経営層まで幅広い参加者が集まった。
 このコミュニティでは、金融関係者のスキル向上と革新的な技術活用を目的としてセミナーが開催され、2023年度は、AIに焦点を当てたセミナーの開催が今回で7回目となった。


 今回は、生成AIの金融業界への進出がもたらすメリットとリスクを深掘りし、専門家の講演とパネルディスカッションを通じてその影響を多角的に分析した。参加者は、責任あるAIの適用方法や倫理、ガバナンスへの理解を深め、金融システムにおける生成AIの安全かつ有効な使用について探求した。また、進行役は、渡辺 萌木氏(QUICK)が務めた。


 基調講演「生成AIの法的論点と政策動向」では、増田 雅史氏(森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士、一橋大学 特任教授)は、生成AIの進化とそれに伴う誤情報のリスク、著作権法の問題、プライバシー保護と個人情報漏洩のリスクについて取り上げた。さらに、国際的な動向にも言及し、米国のAI技術の進展、欧州のAI Actの影響、日本の人間中心のAI原則についての視点を提供した。最後に、増田氏は、これらの背景を踏まえて、政策や戦略を立案する者は未来を予測し、自国や自社の立ち位置を意識することの重要性を強調した。


 パネル「第3回 生成AIとともに金融の未来を探求する」では、増田氏に加えて、佐藤 竜介氏(東京海上ホールディングス デジタル戦略部 マネージャー、金融データ活用推進協会 生成AIワーキンググループ長)、栗原 宏平氏(Privacy by Design Lab 代表理事)が登壇し、藤井 達人氏(みずほフィナンシャルグループ デジタル企画部 執行理事 デジタル企画部 部長、日本ブロックチェーン協会 理事、フィンテック養成コミュニティ)がモデレーターを務め、金融AI活用、プライバシーとデータ保護、AIの法的側面と規制の分野で活躍する専門家が集まり、生成AIが金融業界でどのように使用され、社会にどのような影響を与えるかについて議論された。
 特に、生成AIの活用時には、ガバナンスの観点からリスクや社会的影響を詳細に検討するのが重要であることが強調された。これには、外部の専門家による監査、および社内外のさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションによる信頼構築、そしてAIの動作をチェックし適切にモニタリングすることなどが含まれる。そしてAIのアルゴリズムを開発し、学習させるエンジニアは、特に大きな責任を負うとも指摘された。これは、AIが一度構築され運用が開始すると、変更が難しいからだ。
 また、三年ごとに行われる個人情報保護法の見直しや、個人情報保護委員会の動向を注視することも、重要な話題として取り上げられた。さらに、生成AIのガイドライン策定については、ステークホルダーのインセンティブやシナジーなどが様々な局面でどのように活用されるべきかも重要であると強調された。
 全体として、このパネルは金融業界における生成AIを積極的に活用する重要性と同時に責任の重さを浮き彫りにし、法律や倫理、社会的な側面からの深い考察の契機を提供した。専門家たちの意見から、生成AIのさまざまな問題に対し、多角的な観点からの考え方を示し、倫理的な基準の遵守、透明性の確保、効果的な監視の必要性を学んだ。


 クロージングでは、武井 昭仁氏(QUICK)が登壇し、来場者への感謝の言葉を述べた。その後、今後のイベントの予告や紹介が行われた。
 全てのプログラムが終了した後、南治 虎太郎氏(QUICK)による乾杯が行われた。その後、登壇者と参加者はネットワーキングを通じて交流し、活発な意見交換が行われていた。


 フィンテック養成コミュニティは、金融とテクノロジーの結合を通じた社会変革を志向し、技術および金融スキルの向上を目指している。2024年度も、さまざまなテーマのセミナーを開催する予定である。この活動には引き続き注目したい。





10:40 | 写真:金融・IT業界向け




 

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