2013年11月11日（月）～12日（火）、英国・ロンドン中心部に位置するホテル（Grange St. Paul's Hotel）において、「フォレックス・マグネイト ロンドンサミット2013」が開催された。会場には26社の展示ブースが並び、世界各国からFX業界の関連企業（ブローカー、リクイディティプロバイダー、システム開発・情報やツール等サービス提供企業など）の経営者、幹部が集結した。昨年開催された「ロンドンサミット2012（取材レポ）」と比べると、日本人を含むアジア系の来場者の姿はほとんど見当たらなかった。変化するFX市場の中で、グローバル展開を目指すプレイヤー（ブローカーとソリューションプロバイダー）の所在と戦略（対象市場と進出のプロセス）に注目したいところだ。
今回のロンドンサミットは開催期間が2日間に拡大され、ウェルカムブランチや各出展社の目印をつけた小テーブルにてスタンディング形式で行われたネットワーキング・ブリッツ（交流会）がアレンジされるなど、訪れた参加者と出展者との効率的な再会や商談の場が用意された。フォレックス・マグネイト社CEO Michael Greenberg氏によるスピーチからも、前回の「ロンドンサミット2012」に比べて一層のコミュニケーションを図るための工夫が凝らされた内容となり、数々のパネルディスカッションや講演、アワード2013授賞式やエレベーターピッチが行われた。そのため、今回のロンドンサミット取材レポートは2回に分けてお届けすることとしたい。
なお、今回のロンドン以外では、アジアでのFX関連の金融イベントとして、2013年11月22日（金）～24日（日）に、中国の上海で開催されている「上海金融博覧会（Money Fair）」や、2014年1月22日（水）～23日（木）に中華人民共和国マカオ特別行政区のタイパ島にあるVenetian Macao Resort Hotelでの開催が予定されている「2nd iFX EXPO Asia」がある。当日の模様は前回、世界中から約50社が出展した「iFX EXPO Asia（取材レポ）」を参考にされたい。
「フォレックス・マグネイト アワード2013授賞式」では、14部門において事前に来場者から挙げられた各5社のノミネート企業から、事前投票やいくつかの要素を加味し最終一社が選出された。また、残る1部門「最も革新的なスタートアップ（Most Innovative Financial Product）」では、未来における可能性を感じさせるスタートアップ企業のエレベーターピッチによる企業のプレゼンテーションと会場投票が行われた。
なお、各部門では最多受賞企業は、3部門を受賞したCiti（Best Liquidity Provider、Best Prime Broker、Best Primary Bank Dealer）。次いで2部門を受賞したSaxo Bank（Best Broker、Best Proprietary Platform）、MetaTrader（Best Retail FX Technology Provider、Best Mobile Platform）、その他の8社（FXCM、ThinkLiquidity、eToro、TRADOLOGIC、24option、LMAX Exchange、Sucden Financial、SafeCharge）が各1部門において受賞する結果となった。
1. 「Best Broker 賞」: Saxo Bank
2. 「Best Retail FX Technology Provider 賞」: MetaTrader
3. 「Best Proprietary Platform 賞」: Saxo Bank
4. 「Best Mobile Platform 賞」: MetaTrader
5. 「Best Retail Broker Execution 賞」: FXCM
6. 「Best Risk Management Provider 賞」: ThinkLiquidity
7. 「Best Liquidity Provider 賞」: CitiFX Pro
8. 「Best Prime Broker 賞」: Citi FXPB
9. 「Best Primary Bank Dealer 賞」: Citibank
10. 「Best Social/Auto-Trading Platform 賞」: eToro
11. 「Best Binary Options Software Provider 賞」: TRADOLOGIC
12. 「Best Binary Options Broker 賞」: 24option
13. 「Best Interbank ECN 賞」: LMAX Exchange
14. 「Best Prime of Prime Solution 賞」: Sucden Financial
15. 「Most Innovative Financial Product 賞」: SafeCharge
また、エレベーターピッチは、以下の12社の登壇企業のスピーカーにより行われた。
（各社の特徴や詳細は、後日、コラムなどでお届けしたい。）
1. tradeslide （ソフトウェア開発）2012年設立
2. gleneagle securities （アセットマネジメント、注文執行）2009年設立
3. AstroPay （ペイメント）2008年設立
4. SAFECHARGE （ペイメント）2000年設立
5. CHARTIQ （チャート）2012年設立
6. TRAIDO （ソフトウェア開発）2013年設立
7. CurrentDesk （ソフトウェア開発）2012年設立
8. TRADERSTOOLSET （注文執行・プロテクションツール）2013年設立
9. Clarissimus （マーケットインテリジェンス）2013年設立
10. TradeCrowd （ソーシャルトレーディング）2013年設立
11. FAUNUS （IT、ビッグデータ、ビジネスインテリジェンス）2010年設立
最後に、フォレックス・マグネイト社CEO Michael Greenberg氏による特別プレゼン（選考対象外）が行われた。
12. MINGLER （ライブビジネスネットワーク）
⇒どこにいてもダイナミックにビジネス機会を最大化するライブ感覚のプロフェッショナル・ネットワーキング・プラットフォームを提供。
（※）投票用紙に記載されている Panda Trading systems は登壇せず。
なお、「フォレックス・マグネイト アワード2013授賞式」と「エレベーターピッチ」以外のロンドンサミット全体については、後編で紹介する。
（取材、撮影、記事： 藤野 宙志 ／ 編集・制作： 柴田 潔）
