2014年10月1日（水）、サムライインキュベートは、金融業界に変革を興したい人のチャレンジを勇気づけるキッカケやヒントを共有すべく、金融ベンチャーの分野で活躍する経営トップを招き、「Fintech Venture Meetup」をSamurai Startup Islandで開催した。
なお、FinTechとは、FinanceとTechnologyを合成した造語。

　会場には100名を超えるFintechベンチャーに関心を持つ参加者が集まり、マネックスグループ 取締役会長兼代表執行役社長CEO 松本 大 氏の基調講演「金融ベンチャーは実は一番儲かる！」では、金融領域におけるビジネスの特質に加え、高いビジョンを持つことはもちろん、社員・社会・お客様とのコミュニケーション、ニーズや社会の変化に対する軌道修正、そして何よりも最大に能力を覚醒させる好奇心を持って取組むことが大切だとした。



　続いて、マネックスラボの取り組み報告（マネックス証券 執行役員 マネックス・ラボ室長 飯田 敦 氏）では社内ベンチャー活動の最新アップデートとして、マネックス証券の顧客に限定せずに誰でも使える投資スタイルにマッチした銘柄を表示するアプリ「answer」（準備段階）について披露した。

　また、国内外事例紹介「FinTechと創る金融イノベーション」（電通国際情報サービス 金融事業戦略部 シニアコンサルタント伊藤 千恵 氏）では、ITの進化とグローバル化が金融市場にもたらす3つの変化について解説、その他に、サンフランシスコで開催されたFinDEVr（FinTechイベント）の速報と海外事例、FIBC（Financial Innovation Business Conference）でのピッチコンテスト、OPEN INNOVATION LABについて紹介した。



　最初のパネルディスカッション「VCに聞く！Fintechベンチャーはイケテルのか？」では、マネックスベンチャーズ取締役 髙岡美緒氏、Femto Growth Capital LLP General Partner 磯崎 哲也 氏、サムライインキュベート finance strategic manager 玉木 諒 氏がパネラーとして登壇、ナビゲータープラットフォーム 取締役 アナリスト兼Longine編集委員長 泉田 良輔 氏がモデレーターを務め、投資家の立場から、規制業種をどう見るか、どのような案件が魅力的かなどについて語った。



　続いてのパネルディスカッション「Fintechベンチャーが考える事業機会と金融出身者のキャリア」では、クラウドクレジット 代表取締役 杉山 智行 氏、マネーフォワード 代表取締役社長CEO 辻 庸介 氏、ユーザベース 代表取締役共同経営責任者 梅田 優祐 氏、ナビゲータープラットフォーム 代表取締役社長 原田 慎司 氏が登壇、同じく泉田氏がモデレーターを務め、起業家の立場から、Fintechベンチャーの事業機会と成長機会、大変だった時の思い出話を披露した。





　その後、登壇者と来場者による懇親会が催され、用意された飲物や食べ物と共に名刺交換や事業紹介、意見交換が繰り広げられた。

＜取材を終えて＞

　1999年に革新的なネット証券が日本に生まれ、パラダイムシフトが起きてから早15年。ITの進化と合理化によって利用者にとってのコストメリットは拡大する一方、その競争原理からこれまでの金融事業会社のビジネスモデルのままでは同じトランザクションから獲得できる収益は年々低下している。
　今こそ従来の考え方や捉え方から脱却し、夢の実現に向けた強い突破力を持つベンチャーの存在が金融業界全体に刺激を与え、新しい付加価値サービスの創出と市場拡大につながる共存共栄エコシステムの実現に向けた企業間のコンセンサスが欠かせなくなっている。そして、金融を強みとしながらも、金融という垣根を越えた異業種との連携を加速し、金融インフラを活用した豊かな社会貢献サービスの実現を目指す取組みを通じて、未来のブルーオーシャン市場が生み出されることだろう。

　今回のイベントを通じて、Fintechビジネスに挑戦する新たなチャレンジャーが登場することに期待したい。

（取材、撮影、記事、編集・制作：藤野 宙志　＠株式会社グッドウェイ　）

◎（ご参考）その他の開催レポート

2014.09.13【サーキュレーション】 「サーキュレーター・サミット2014」開催！	【マネックス証券／tradable】 オープン投資プラットフォーム「tradable」ハッカソン開催！	2014.03.03 【電通国際情報サービス（ISID）】  「FIBC2014」開催！