2018年2月28日(水)、JTBコミュニケーションデザインは、(G-MAC Conference)シリーズとして「第19回日本国際金融システムフォーラム2018」を、東京・日本橋にあるロイヤルパークホテルで開催した。
今回は、「金融業界におけるブロックチェーンの現状と未来~どのように捉え、準備するべきか~」と題して、テクノロジーが世界の規制改革にどのように役立つのか、Reg-Techの台頭、欧州第2次金融商品市場指令(MiFID2)施行を迎えて、日本市場へのインパクトを探る、というテーマを基にプログラムが構成され、会場には多くの金融市場関係者が訪れた。
【パネルディスカッション ①】
冒頭は「金融業界におけるブロックチェーンの現状と未来 ~どのように捉え、準備するべきか~」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
<ファシリテータ>
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャグループ マネジング・ディレクター 山根 圭輔氏
<パネリスト>
・三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタル企画部 部長 相原 寛史氏
・日本取引所グループ 総合企画部 フィンテック・ラボ 室長 山藤 敦氏
・日立製作所 金融システム営業統括本部 事業企画本部 金融イノベーション推進センター センター長 長 稔也氏
【パネルディスカッション ②】
続いて「テクノロジーが世界の規制改革にどのように役立つのか:RegTechの台頭」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
<モデレーター>
エンコグナイズ合同会社 CEO 国際レグレック協会(NPO)執行委員会メンバー兼日本支部代表 ブルーノ・アブリユ氏
<パネリスト>
・クラウドリアルティ 代表取締役 一般社団法人Fintech協会理事兼キャピタル・マーケッツ分科会会長 鬼頭 武嗣氏
・Keychain Pte. Ltd. Co-founder & CEO ジョナサン・ホープ 氏
・RegPac Revolution Pte. Ltd. 創業者兼CEO モナ・ゾエット氏
・アクセンチュア 金融サービス本部 ファイナンス&リスクサービス シニア・マネジャー 芦田 琢治氏
【コーヒーブレイク】
展示会場には、アクセンチュア、Cognizant、ピュア・ストレージ、チャールズリバー、フィデッサ・グループ、TORA、丸文のブースが並び、コーヒーブレイク中には参加者へのデモンストレーションや意見・情報交換する様子が広がった。
【A-1】分散型台帳技術は、金融業務をどのように変革するか。
コグニザントジャパン 金融事業部 ディレクター 高橋 正敏氏、シニアマネージャー 尾内 勇次氏
仮想通貨の取引事業者がメジャーになり、ブロックチェーンのメリットが理解されるようになってきた中で、根本的な概念である「分散型台帳技術」は、その話題性のなかに埋もれつつあるとして、信用を最も重視する金融業務にとって当技術が如何に有効であるか、また、業界の将来像について紹介した。
【A-2】複雑化する規制対応への次の一手 ~RegTechによる効果創出の仕組みづくりとは
アクセンチュア 金融サービス本部 ファイナンス&リスクサービス シニア・マネジャー 芦田 琢治氏
金融機関の法規制への対応コストは増加の一途をだどり、経営を取り巻く環境の不確実性の一つとなっている。RegTechはその解決策の有力な一手として注目されているが、”魔法の杖”ではないとし、金融機関がその効果を享受するための仕組み作りの要点を、RegTechを形作る技術要素とその受益者に分解して解説し、その実例を紹介した。
【A-3】デジタル化が進む金融ビジネスへの新たなデータプラットフォームとは
ピュア・ストレージ・ジャパン シニア アカウント エグゼクティブ 丸山 隆生氏
フィンテック、ビッグデータ、AIといったデジタル化の波が、金融業界に大きな変革をもたらす中、今後必要なデータプラットフォームとして、魅力ある金融商品・サービスの投入、顧客の利用体験の満足度向上、市場リスクの分析と対応、様々な法規制への遵守など、金融ビジネスの攻めと守り、スピードと変化への高いAgility(俊敏性)を備えた、今までにない新たなデータプラットフォームを紹介した。
【基調講演】FinTechと金融規制の在り方
金融庁 総務企画局 参事官 松尾 元信氏が登壇。金融庁のFinTechに対する取組みから、オープンAPIの推進および、ITの進展に伴う銀行法等の法改正、決済高度化や海外当局との連携など金融庁が行っている対応について具体的に説明した。
【パネルディスカッション ③】
フォーラムの最後のセッションでは「欧州第2次金融商品市場指令(MiFID2)施行を迎えて-日本市場へのインパクトを探る」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。
<モデレータ>
日本FIX委員会 共同委員長 ブラックロック・ジャパン株式会社 トレーディング&リクイディティ戦略部長 梅野 淳也氏
<パネリスト>
・シティグループ証券 市場部門 市場企画管理部 ディレクター 渡辺 敦也氏
・みずほ証券 グローバル パンアジアン エクイティCOO兼エクイティ業務部長 マネージングディレクター 今泉 ライアン氏
・りそな銀行 アセットマネジメント部 トレーディンググループ グループリーダー 平塚 崇氏
・シュローダー・インベストメント・マネジメント 法務・コンプライアンス統括 西山 寛氏
すべてのセッションが終了後、ネットワーキングレセプションが行われ、多くの来場者が歓談する賑わいを見せた。
◎G-MAC Conference
JTBコミュニケーションデザインの主催する国際会議(G-MAC Conference)は金融機関、上場企業の役員・上級管理職・役職者を参加対象として開催。企業経営にとって重要なテーマや時勢に合った関心の高いテーマについてその専門家であるスペシャリスト、企業経営者、部門最高責任者等による講演やソリューションのブース出展により、参加者へ情報収集、学習の場を提供している。一方、協賛企業に対しては、企業の製品・サービスに関心を持つ購買決定者というセグメントされた層に対しての製品・サービス発表の場を提供、良質のセールスリード獲得を目的としたターゲットマーケティングをサポートしている。
(取材、撮影、記事、 編集・制作: GoodWayメディアプロモーションチーム @株式会社グッドウェイ )