2018年8月22日(水)、証券会社・フィンテック企業・大手テクノロジー企業を中心とする国内の51社(2018年8月末時点)が参加する「証券コンソーシアム(事務局:SBI Ripple Asia)」は、会員数増加やワーキンググループ設立などを報告する「証券コンソーシアム 第二回全体会」を、六本木グランドコンファレンスセンターで開催した。
「証券コンソーシアム」は、2018年4月に業界横断的な基盤技術の研究と共通基盤の構築を推進し、DLTや生体認証・AI等の先端技術を活用した新たな金融インフラの検討を目的に発足された組織で、業務効率化やコスト削減、証券サービスの利便性向上による「貯蓄から資産形成へ」の流れを促進する活動を行っており、発足当初の参加企業35社が、開催時点では51社に拡大している。
【挨拶】証券コンソーシアム会長 SBIホールディングス 代表取締役社長 北尾 吉孝氏
事務局を務めるSBI Ripple Asia 代表取締役 沖田貴史氏の進行の元、挨拶に立った北尾氏は、KYC共通化、共通事務、DLT先端実験、各ワーキンググループの設立について、「ワーキンググループで一番大事なのは、「会して議せず、議して決せず、決して行われず」とならずに、必ずここに成果を生み出していく、だらだらと時間をかけるのではなく、それぞれ会員さんの英知を結集して迅速にこれを成し遂げ実用化に向けて動き出すこと。このワーキンググループは成果を必ず生み出すものと期待している。」と語り、会員数の増加ににも触れながら「コンソーシアムやワーキンググループがさらに拡大し、よりお客様の便益性を向上させ、最終的にはその成果が、貯蓄から資産形成へと繋がってくれれば」と期待を込めて挨拶した。
【新規参加企業代表挨拶】
発足後に新規に参加した16社を代表して3社が挨拶。1社目はエヌ・ティ・ティ・データ、続いて日本オラクル、ソフトバンクの順に参加した経緯や抱負などを語った。
【進歩報告】「KYC 共通化ワーキンググループ」リーダー企業:楽天証券
平山 忍氏(楽天証券 常務執行役員 IT本部長)は、対面・非対面による新しい本人確認(改正犯収法対応)、口座開設に係る本人確認情報・結果の共有、重要取引におけるタイムリーな本人確認等の実現に向けた、KYC共通化ワーキンググループ設立に当たっての背景、グループの概念、今後のマイルストーンや体制などについて説明。
【進歩報告】「共通事務ワーキンググループ」リーダー企業:SBI証券 小川 裕之氏(SBI証券 取締役)が、運営体制、今後の進め方などを説明。共通事務ワーキンググループは、非競争領域の各種証券事務を対象に、証券会社及びベンダー各社が協働して FinTech、AI 技術、RPA 等の活用により業務効率化・高度化に貢献するとしており、今後、テーマごとに複数のサブワーキングを立上げ、その第一弾として「売買審査 AI 適用サブワーキング」を開始するとして概要を説明した。
【進歩報告】「DLT 先端実験ワーキンググループ」リーダー企業:野村ホールディングス 八木 忠三郎氏(野村ホールディングス 執行役員)は、分散台帳技術(DLT)の証券業界への実装を見据えた実証実験といった活動スケジュールの説明をした後、DLT概論や他業界での活用事例などを学ぶ勉強会を開催するといったの具体的な取り組み、WGの募集概要についてなど紹介。
【証券コンソーシアム 副会長挨拶】
最後に、証券コンソーシアム 副会長である齋藤 正勝氏(カブドットコム証券 取締役 代表執行役社長) 、八木 忠三郎氏(野村ホールディングス 執行役員)、楠 雄治氏(楽天証券 代表取締役社長)の3氏が順に挨拶。各氏が現状の課題などを踏まえてコンソーシアム、ワーキンググループへの期待感をそれぞれコメントした。