【決算概要】預り資産は5.5兆円、総合口座数は285万口座を突破。グループシナジーやアセットビジネスなど大きく拡大。
楠氏は決算概要について、預り資産は前年同期比20.3%増の5.5兆円を突破、楽天会員が半分を占める総合口座数は同20.5%増で285万口座を突破したことなどを説明。主要ネット証券5社の中における自社業績について解説し、営業収益が295億(前年同期比16.8%増)、営業利益が103億(同16.2%増)と堅調に推移したことを示した。収益の分散化状況については上期の特徴としてFXや金融収益の中では信用取引、貸株サービスの伸びが大きく貢献。債券の販売が伸びたことも強調した。
続いて、事業の状況については、国内株式市場が堅調だったことから株式売買代金は同13.2%増。委託手数料は前年12月の手数料引き下げも影響して同10%減となるも、証券会社別売買高シェアは16.2%から18.2%(同2%増)と拡大した。また、投信の残高も同21.3%増、積立設定件数はつみたてNISAの設定件数が貢献し同129.8%増となった。FXの売買代金は同25.5%減となるも、8月のトルコリラショックの影響で収益は同150.7%増と大幅に伸びた。IFAビジネスは顧客数、預り資産共に順調に増加しており、資産残高は2018年9月末に3,600億円を突破(同25.1%増)したという。
続いて、今後の戦略・施策については、楽天グループのビジョンとして全体像を説明。金融だけに留まらずインターネットサービス全般の提供を進める中で、アセットビジネスとして「楽天スパーポイント」を使って投信を購入するなどポイント投資デビューからの残高育成をはじめとする「投資」エコシステムの構築について紹介。「楽天カード」のクレジット払いでポイント還元を受けながら投信積立の購入が可能となったこと、楽天銀行との口座連携による「マネーブリッジ」(利用残高は同52.9%増)についても解説した。
最後に「お客様本位の業務運営」の内容として「共通KPIの公表」について言及、質疑応答が行われた。
拡大する楽天グループの金融ビジネスと楽天経済圏との強力なグループシナジーを背景に、常に新たな革新的サービスの提供を進め、ビジネスの拡大を目指す楽天証券の今後の展開に注目したい。
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