2017年5月18日(木)、ロードスターキャピタルは、同社会議室(ゼニア銀座ビル 6F)において、不動産テック・ソーシャルレンディグの現状と今後の展望と題し、「プレス向けカンファレンス」を開催した。
カンファレンスには、岩野 達志氏(ロードスターキャピタル 代表取締役社長)、成田 洋氏(同社 執行役員 運用部長)が出席、鈴木 英玲奈氏(同社 経営企画室 広報担当)が司会・進行を務めた。
冒頭、岩野氏は、参加したプレス関係者へのお礼の言葉と共に、自身と成田氏の経歴を紹介。”不動産とテクノロジーの融合で未来のマーケットを切り開く”を掲げ、2012年にゴールドマン・サックス・リアリティ・ジャパン時代の仲間と3人でロードスターキャピタルを設立。現在、資本金は約11億円、役職員は31名の規模で、不動産投資領域における高い専門性を活かし、FinTech・不動産テック領域に注力し、サービスとして不動産特化型クラウドファンディングサービス「OwnersBook(クラウドファンディング事業)」、オフィス価値査定サービス「AI-Checker(AI × 不動産投資)」を展開。安定的な事業拡大(経常利益は約6億8,000万円:2016年12月期)と財務基盤を築いている。
「OwnersBook」は不動産特化型としては日本初のクラウドファンディングとして2014年9月よりサービスを開始。実行済み案件数は51件、累計投資額は約16億円、会員数は5,000名を突破しており、不動産の目利きとアプリ対応を含め内製によるシステム開発を強みとしている。10万円以下の小口投資家が4割を占める一方、1,000万円超えの大口投資家も存在。リピート率が高く、日々の値動きを追わず株式や投資信託の次の分散投資先として選ばれているケースが多いという。
また、会計監査人や社外監査役2名を選任し監査役会を設置しているほか、FinTech協会や不動産証券化協会等の業界団体への加入など、安心・信頼への取り組みを最重視して運営していることを強調した。
続いて、成田氏によるデモンストレーションでは、案件投資までのスムーズな流れや豊富な情報提供など、少額資金での不動産投資を可能にする新しい資産運用プラットフォームの特徴について紹介。
その上で、不動産テックサービスとしてマッチング、ビッグデータ・AI、業務効率化を挙げ、クラウドファンディングの形態(非投資型(寄付型、購入型)、投資型(エクイティ投資型、貸付型(ソーシャルレンディング)))、日本の主なプレイヤー、海外市場規模と成長率、クラウドファンディングの内訳(貸付型が牽引)、リスクリターン、日本における成長可能性や課題について詳しく解説した。
岩野氏は、将来予想として、IT技術の活用で不動産投資はどう進化するか、日本におけるFinTech投資の成長可能性について触れ、プロ投資家と個人投資家の垣根が低くなり、優秀な資産運用者が正当に評価されるようになり、安定した不動産投資マーケットの実現が広がるとの見通しを示した。
最後に、成田氏より、同社がインターネットを利用して実施した「投資に関するアンケート調査結果」(投資家の分布、投資の目標、傾向、商品、リターン、ソーシャルレンディングの興味・関心など)が発表された。そして、「OwnersBook」の投資家増加数については、イノベーター期(一部の大口投資家層中心)、アーリーアダプター期(情報感度の高い20代・30代増加)からアーリーマジョリティー期(40代以上も含めた投資家の増加)に向かうとの見通しを示し、締め括った。
全ての説明が終わり、質疑応答と写真撮影へ。その後、記者との個別質問の列ができ、名刺交換や意見交換が続いた。
”不動産とテクノロジーの融合で未来のマーケットを切り開く”を掲げ、創業以来、5期連続増収増益を続けるロードスターキャピタル。ベンチャーでありながらも、会員数、累計投資額ともに順調に成長しつつ、早い段階から利益を確保し財務基盤を築き、更に、オフィス分野の適正な売買市場創生に貢献することを目指す新サービスの展開を手掛けるなど、積極的な展開を続けている。今後の同社の不動産領域における課題解決に向けた取り組みと新たに開拓される市場規模の成長・推移に注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )