2019年7月25日(木)、日本CFA協会は、京橋・東京スクエアガーデン内にある東京コンベンションホールにおいて、毎年恒例の「ジャパン・インベストメント・カンファレンス 2019 - 人生100年時代に求められる金融サービス - 」を開催した。
日本CFA(Chartered Financial Analyst:CFA協会認定証券アナリスト)協会は、CFA Institute(CFA協会)と共に投資に関する教育プログラムを実施し、投資運用に関する専門知識の普及を目指しており、毎年1回、ジャパン・インベストメント・カンファレンスを開催。今回は「LIFE SHIFT(ライフ・シフト) - 100年時代の人生戦略 -」の共同著者であるアンドリュー・スコット氏、Graham and Dodd賞を受賞したバートン・ウェアリング氏など内外から著名講師を招いて、高齢化社会が抱えている金融分野の課題と今後のあり方について活発な議論を行った。
銀座一丁目駅、京橋駅などのほか、東京駅からも徒歩圏内の東京スクエアガーデン。目前に迫る長寿社会において資産運用の果たす重要性が益々重要となるなか、この日は海外から来日するアンドリュー・スコット氏など著名講師が登壇するとあって、資産運用会社等からの来場者の出足は好調となった。
【開会の辞】
午前の司会を務めるチェ・ジナ氏(日本CFA協会 Japan Investment Conference Working Group)の進行のもと、ニック・ポラード氏(CFA協会 マネージング・ディレクター)が登壇し、来場への御礼と協会の取組などを紹介しながら開会の挨拶を行った。
【カンファレンス基調講演】「LIFE SHIFT – 100年時代の人生戦略 –」
講演タイトルと同様の題の書籍をリンダ・ダラットン氏と共著で出版し、日本語訳が国内で30万部を超えるベストセラーとなったアンドリュー・スコット氏(ロンドン・ビジネス・スクール 教授)が基調講演に登壇。平均寿命が伸び続け、80歳程度の平均寿命を前提に教育、仕事、引退3段階で考えられてきたライフコースは抜本的に考え直されなければならなくなった今、スコット氏は講演を通じて新しい人生戦略を来場者に提示した。
【パネル・セッション Ⅰ 】「人生100年時代に求められる金融サービス」
【セッション基調講演Ⅰ】「人生100年時代における資産管理のあり方-金融ジェロントロジーのアプローチ」
【パネルディスカッションⅠ】:「高齢社会における金融サービスの担い手の役割と課題」
<モデレーター>
<パネリスト>
アンドリュー・スコット氏(ロンドン・ビジネス・スクール 教授)
フィル・グレイアム氏, CFA(元マーサー シニア・ポートフォリオ・ストラテジスト
兼 デピュティ ・チーフ・インベストメント・オフィサー)
野尻 哲史氏(フィンウェル研究所 代表)
ランチタイムにはビュッフェ形式の料理が振舞われ、食事後は歓談や展示ブースを訪れるなどして休憩時間を過ごす。特設スペースではアンドリュー・スコット氏のサイン会も行われた。
ランチが提供された展示会場にはスポンサー企業のブースが並び、休憩時間やランチタイム中などは多くの来場者で賑わった。スポンサー企業は以下の通り。(未出展企業も含む)【エグジビタースポンサー】香港科技大学 - ニューヨーク大学スターンMSグローバル・ファイナンス・プログラム、
【スポンサープレゼンテーション】「パッシブ債券運用:安定した運用成果を分かりやすく提供することを目指して」
【パネル・セッション Ⅱ 】「高齢社会における投資教育のあり方」
【セッション基調講演Ⅱ-1】「セグメント別教育充実の重要性」
午後の司会、坂西 ゆう子氏(日本CFA協会 Japan Investment Conference Working Group)の紹介で登壇した野尻 哲史氏(フィンウェル研究所 代表)。
【セッション基調講演Ⅱ-2】「高齢社会における投資教育のありかた」
【パネルディスカッションⅡ】「金融リテラシー向上への提言とアクションプラン」
<モデレーター>
野尻 哲史氏(フィンウェル研究所 代表)
<パネリスト>
【パネル・セッション Ⅲ 】「From Accumulation to Decumulation: 資産形成と退職後の取崩しについての考察」
【セッション基調講演III-1】「長寿国ニッポンで本当に大切なこと」
【セッション基調講演Ⅲ-2】「退職支出ルールと投資リスク:マルチ・イヤー・アプローチ」
登壇者は、M・バートン・ウェアリング氏(元バークレイズ・グローバル・インベスターズ グローバル・チーフ・インベストメント・オフィサー)。
【Q&Aセッション】「From Accumulation to Decumulation: 資産形成と退職後の取崩しについての考察」
<モデレーター>
<パネリスト>
M・バートン・ウェアリング氏(元バークレイズ・グローバル・インベスターズ グローバル・チーフ・インベストメント・オフィサー)
岡本 和久氏, CFA(I-O ウェルス・アドバイザーズ 代表取締役社長)
【パネル・セッション Ⅳ】 「高齢社会の課題を機会に: 金融デジタライゼーション、非金融との連携、グローバル知見の活用」
【セッション基調講演IV】「高齢顧客へのアプローチの実際と課題 ~金融・非金融の連携による金融機関の高齢化対応~」
【パネルディスカッションⅣ】「金融デジタライゼーション、コラボレーション、グローバルの知見を活用して、高齢社会における課題を機会に転換」
<モデレーター>
<パネリスト>
ジョン・サンイク氏(リフィニティブ 市場開発部ウェルス・マネジメント担当部長)
こうして全ての講演が終了後、閉会の辞には、古宇田 義規氏(日本CFA協会 会長)が登壇。「日本CFA協会20周年ということで、チャレンジングな企画にしたいと思い、「人生100年時代に求められる金融サービス」という大きなテーマを設定したが、うまくいくかと不安もあったなか杞憂に終わって安心している。国内外の登壇者の方々から、様々な分野・視点から興味深い話をいただいたが、これからも企画面でこういった分野も深掘りしていきたい。」と挨拶した。
全講演終了後に行われたレセプションには多くの来場者が参加し、古宇田氏が乾杯の挨拶を行ってパーティーがスタート。閉会まで和やかな歓談が続いた。
日本CFA協会は、1999年にCFA協会の日本支部として設立され、プロフェッショナル教育、交流、倫理と最良執行に関する提言、業界団体や大学との協力といった分野で活動を広げてきた。CFAの試験に成功した受験者は、金融投資の本質に精通し、グローバル市場を深く理解していることを示したことになるという。
また、この日登壇したアンドリュー・スコット氏(ロンドン・ビジネス・スクール教授)の講演内容がマネーポストWEBでも紹介されているほか、日本CFA協会設立20周年を記念して作られたビデオをyoutubeで視聴できるので最後にご紹介したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )