普段抱えている組織の看板・肩書きといったものをいったん脱ぎ捨てるというコンセプトの下、参加者はスーツではなく私服で集まり、一人一品、地元の美味しい特産品を持ち寄り懇親会の飲食物として振舞われた。会場では、名札の紐の色別に属性(金融機関、公務員、その他)が分かるようにし、ミートアップでのつながりを支援。Tシャツ姿の事務局スタッフによる準備も進み、オープニングのムービーで会がスタートした。
開会の挨拶は、菅野 大志氏(金融庁 監督局 第二課 協同組織金融室 総合政策局総合政策課 地域課題解決支援チーム代表)が登壇。参加者へのお礼の言葉と共に、第2回ちいきん会への参加者が約180名に上り、熱量のあるつながりを求める人々が集まったことへの喜びの言葉を述べた。また、地域課題解決チームの活動報告や「新現役交流会」について紹介した。
続いて、脇 雅昭氏(よんなな会 代表、神奈川県 政策局未来創生担当部長)が登壇。47都道府県の地方公務員と中央省庁で働く官僚をつなげることで、日本全体を有機的につなげることを目的とした「よんなな会」について紹介。また、ハンズアップルールなど運営説明のほか、アイスブレイクを行い、笑顔を増やして仲間を作っていきたいと語った。
当日は、クウジットが開発したデータ解析技術をもとに、会場前方に設置してあるカメラで「笑顔計測」を実施。末吉 隆彦氏(クウジット 代表取締役社長)が簡単な説明を行った。
続いて、上田 真吾氏(金融庁 監督局 銀行第二課 協同組織金融室長)がちいきん会Tシャツの姿で登壇。上からよりも現場からの盛り上がりを大事にしたいと述べ、ちいきん会への期待の言葉を述べた。ちいきん会の肩書を脱ぎ捨てるというコンセプトのもと、肩書にとらわれず肩を組みあう姿も見られた。
「地元の熱い公務員を探すには?」では、後藤 好邦氏(山形市 企画調整部 企画調整課 課長補佐 兼 政策調整係長)が登壇。500名を超えるメンバーで活動している、自治体や民間企業の職員・学生など様々な立場の人が交流・情報交換するコミュニティ「東北まちづくりオフサイトミーティング」の発起人でもある後藤氏は、全国47都道府県に「愉快な仲間たち」がいるという。
ゲスト公演「それホントに本業ですか?~カヤックによる地域に根差した活動の展開」では、佐藤 純一氏(面白法人カヤック グループ戦略 担当執行役員)が登壇。鎌倉の地域企業でありながら「まちをオフィスに、オフィスをまちに」を掲げ、まちをつなげるための様々な「しかけ」を作っているという。講演の中で紹介された「社畜ミュージアム(動画)」は、社会人なら誰しもが一度は経験したであろう「社畜あるある」についての動画で、会場の笑いを誘った。
ゲスト公演「味覚定量化技術(センサー)の活用による地方創生」では、2社の企業がそれぞれ登壇した。
まず初めに、鈴木 隆一氏(AISSY 代表取締役社長)より「味覚センサー「レオ」技術・事例紹介」と題して講演。食の未来を見えるかすることをコンセプトに活動しており、様々な企業の業績改善に味覚センサーが活躍した事例を紹介した。
続いて、高橋 貴洋氏(味香り戦略研究所 研究開発部 主席研究員)より「おいしさを数値化するという仕事」と題して講演。足のにおいに、バニリンというバニラの香りの主成分を足すとチョコレートのにおいになるといった豆知識で会場を驚かせた。
「信用金庫の地方活性化への取組み」では、宮川 成司氏(城南信用金庫 地域発展支援部 上席調査役)が登壇。金融機関の枠を超え、社会貢献企業としての信用金庫が取り組んでいる事例である、「“よい仕事おこし”フェア」などついていくつか紹介した。
「官と金による地域活性化に寄与した事例」では、八高 篤史氏(第一勧業信用組合 未来開発部 創業支援室)が登壇。「地方生産地方消費」から「地方生産都市消費」へと地域間の資金循環を活性化させるための施策、組合の連携状況などについて説明を行った。
「第一勧信と松坂市の連携事例」では、北出 俊哉氏(第一勧業信用組合 未来開発部、松坂市役所 商工政策課)が登壇。創業支援イベントや地域のお祭りへの参加など取組みについて説明を行った。
全てのプログラムを終え、参加者全員で記念撮影。
休憩中は参加者同士で歓談。ハンズアップルールによってスムーズに次のプログラムへと進んだ。続いて、江上 広行氏(URUU 代表取締役)が進行を務め、「熱い思いを発信するテーマピッチ」がスタート。
(1)「ESG金融解説動画のご紹介」
渡辺 幸子氏(環境省 大臣官房 総合政策課 企画評価・政策プロモーション室 環境専門調査員 技術士) (2)「Local10,000 プロジェクトについて」
東 宣行氏(総務省 地域力創造グループ 地域政策課) (4)「電子地域通貨を活用した地域活性化の取組み」
川田 修平氏(フィノバレー) (5)「共感資本社会の実現を目指す」
枩山氏(eumo 経営企画室)
ピッチ後は、それぞれの登壇者をサークルで囲み、グループワークでディスカッション。各サークルにはファシリテーターが一人参加し、人形を持っている人のみが発言権を持つというルールの下、すべての人が話す機会を設けていた。ファシリテーターはきらぼし銀行、全国労働金庫協会、商工組合中央金庫の有志の方々が務めた。
グループセッション終了後、「仲間集め~皆さん、聞いてください!~」と題して10名がピッチを行った。
(1)「激増する課題である 空き家と事業継承の問題を解決したい」 近藤 威志氏(総務省 地域力創造アドバイザー) (3)「Fintechで地方創生!」 箕浦 信氏(大垣共立銀行 IT総括部) (5)「「事例から学ぶESG地域金融の在り方」セミナー東京開催のお知らせ」 石井 規雄氏(環境省 大臣官房 環境経済課) (6)「楽しい仕事が生まれる職場ってどんな感じ?」 本間 唯人氏(藤沢市役所) (8)「よんなな×スタートアップ会について」 水口 怜斉氏(経済産業省 新規事業創造推進室 係長(J-Startup担当)) (10)「キラキラ・トキメキある仕事で業績アップ!」 皐月 エミー氏(マイネム)
最後に、笑顔計測によって求められた、瞬間トップ3が発表された。
1位:講演途中のストレッチ時
2位:「社畜ミュージアム」動画視聴時
3位:笑顔計測説明後の脇氏登場時(2度目)
乾杯の挨拶は、川本 恭治氏(城南信用金庫 理事長)が登壇。川本氏による乾杯の音頭で懇親会がスタート。一人一品で持ち込まれた地元の美味しい特産品が振舞われた。
懇親会では、隣り合う人が次々とつながり、親睦を深め合った。中締めは、油布 志行氏(金融庁 監督局 審議官)が登壇。
最後は、ちいきん会事務局スタッフが並び、再度感謝の言葉を述べた。第2回開催も大盛況となり、次回もぜひ開催したいとし、菅野氏の一本締めで締めくくった。
ちいきん会事務局は、産学官連携を有効に機能すべく、地域内外において地域課題の解決に熱意・志をもったキーパーソンを探し出す必要があるとし、今回、組織の看板、肩書きにとらわれないMEET UP イベント「第2回 ちいきん会」を開催した。
「地域のために何かがしたい」、「一緒に進んでいける仲間が欲しい」など、熱量が高く、強い想いを持った金融機関職員や公務員の出会いを通じて、地域課題解決への新たな知恵やディスカッション、コラボレーションが生まれることに期待したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )