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2017/08/04

【日本CFA協会】「社会のメガトレンドと20年後の資産運用サービス~資産運用業界が今なすべきことは何か?」をテーマとした、「ジャパン・インベストメント・カンファレンス2017」を東京・大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンターで開催!

| by:ウェブ管理者


 2017年7月27日(木)、日本CFA協会は、「社会のメガトレンドと20年後の資産運用サービス~資産運用業界が今なすべきことは何か?」をテーマとした 「ジャパン・インベストメント・カンファレンス2017」を東京・大手町フィナンシャルシティ カンファレンスセンターで開催した。

 日本CFA(Chartered Financial Analyst:日本語名は、CFA協会認定証券アナリスト)協会は、
CFA Institute(CFA協会)と協力して投資に関する教育プログラムを実施し、投資運用に関する専門知識の普及を目指している団体で、今回は20年後の日本社会に対して様々な角度から焦点を当て、将来の社会構造の下で求められる金融や資産運用サービスの姿を追求することを主なテーマとした。



 開演前の会場の様子。開演時間が迫るにつれ、会場の席も参加者で埋まり出す。将来の日本社会とはどのようなものなのか。その中で金融に対して、そして資産運用に対してどのようなニーズが新たに生まれてくるのか。丸一日をかけて行われるカンファレンスがまもなく開演する。



【開会の辞】日本CFA協会会長 青砥 政孝氏「社会のメガトレンドと20年後の資産運用サービス~金融を通じて社会に貢献するために、まず社会がどうなっていくかを知る必要がある。」

 日本CFA協会 神谷 精志氏(写真左上)の紹介で挨拶に立った青砥氏は、開催にあたって来場者、関係者への感謝の言葉を述べた後、「CFA協会は今年70周年を迎えた金融アナリストの団体で、会員はグローバルで15万人に迫っている。米国の本部が「CFA Institute」、各国の支部が「CFA Society(Japan)」で、多数のボランティアにより運営されており、投資・職業教育、交流機会の提供、当局・各種団体との協力など様々な活動を展開している。」など、協会の概要を紹介。

 その後、今回のテーマを「社会のメガトレンドと20年後の資産運用サービス」とした背景について、「当協会のミッションが、究極的に社会のためになるように、様々な活動を通じて資産運用業をリードすることにあることを踏まえ、金融を通じて社会に貢献するために、まず社会がどうなっていくかを知る必要がある。」として、20年後の社会と資産運用業を展望する内容のカンファレンスにしたことを挨拶で説明した。




【基調講演】衆議院議員、自由民主党 IT戦略特命委員 福田 峰之氏「新時代の幕開け「水素エネルギー」~新しいニッポンを創る~」

 軽装で登壇した福田氏は冒頭にその理由を説明した後、「IT戦略特命委員ですが、今日はFintechや資産運用の話しではなく、水素の話をさせていただきます。」と述べて、まずは水素の特徴や水素を取り巻く取組、展望について解説。「水素エネルギーは利用時に水しか排出しないクリーンなエネルギー源で、大きな可能性を秘めた水素を本格的に利活用する「水素社会の実現」は、環境とエネルギーセキュリティー双方の視点から極めて重要。将来のエネルギーミックスの一役を担うポテンシャルの高い二次エネルギーとして、日本は世界に先駆けて水素社会を実現させるため、関係大臣から政府一体となって取り組むための基本戦略を年内に策定するようにと指示があった。」として、東京オリンピックにおける水素利用、燃料電池の効率的なエネルギー利用の実現など、二次エネルギーによって変貌する未来について詳しく解説した。



【第一部】社会経済の変化と金融業へのニーズ

 第一部のセッションでは、日本CFA協会 神谷 精志氏がモデレーターとパネリストを紹介、パネル議論の前に各パネリストが自社のプロフィールや取組を紹介した後、それぞれ設定したテーマについて解説。登壇者は以下の通り。(写真左から)

【ロジックで紐解く未来社会】 アクアビット 代表取締役 田中 栄氏
【近未来のヘルスケア:健康経営】 FiNC 代表取締役副社長 乗松 文夫氏
【20年後の東京と都市ソリューション】 三菱地所 開発推進部長 井上 俊幸氏

 その後、「20年後の社会の姿と金融の役割」をテーマに、モデレーターを田中氏が務め、各々が展望する未来の社会像に基づいて活発な議論を交わした。




【スポンサー講演】ランチタイムや休憩時間の前後にスポンサーによる10分程度の講演も実施

 登壇企業は以下の通り。(写真左から)

【KPMGのFinTechに対する取り組み】 あずさ監査法人 保木 健次氏
【人工知能(AI)とアクティブマネジャー(人間)】 ティー・ロー・プライス・インターナショナル・リミテッド東京支店 塩田 大吾氏
【これからのポートフォリオにおけるESGの意義】 ステート・ストリート・グローバル・アドバイザー 遠藤 信也氏



【ランチタイム特別講演】「女性管理職比率は企業価値向上のバロメーターか?人と組織のマネジメント・ブラックボックスを解明する。」

 ランチタイムにはランチボックスが全来場者に配られ、一通り食事が終わった頃に、この日、唯一の女性講師である立教大学 教授 中川 有紀子氏によるランチタイム講演がスタート。




【第二部】金融業の変化と資産運用業へのニーズ

 第二部のセッションでは、日本CFA協会 中山 貴司氏(丸写真)がパネリストを紹介しながら第一部と同様の流れで進行。各パネリストは以下の通り。(写真左から)

【社会構造と金融機能】 AIGジャパンホールディングス 竹田 竜哉氏
【IT技術による金融機関の行動変化とその課題】 京都大学 岩下 直行氏
【個人の資産管理と運用】 三菱UFJ信託銀行 星 治氏
【多様化する金融サービス】 KPMG コンサルティング 東海林 正賢氏


 パネルディスカッションでは竹田氏がモデレーターを務め、金融業の変化と資産運用業へのニーズについて意見を交わし合った。



【第三部】資産運用サービスへのニーズに対する業界の取り組み

 第三部のセッションでは、日本CFA協会 有江 慎一郎氏(丸写真)が進行役。各パネリストは以下の通り。(写真左から)

【機能と意味~これからの資産運用会社の展開】 コモンズ投信 渋澤 健氏
【世界最大の長期投資家からみた資産運用業界の今後の課題】 年金積立金管理運用独立行政法人 水野 弘道氏
【経済構造の変化と金融政策】  日本銀行 白塚 重典氏

 パネルディスカッションでは渋澤氏がモデレーターを務め、資産運用サービスへのニーズに対する業界の取り組みの現状やあるべき姿について活発に議論した。




【展示会場】スポンサー企業各社のブースが出展

 展示会場にはスポンサー企業のブースが立ち並んだ。出展企業は以下の通り。

KPMG監査、税務、アドバイザリーサービスを提供するプロフェッショナルファームのグローバルネットワーク
State Street Global Advisors世界屈指の優良な機関投資家や金融法人のパートナー
T. Rowe Price米国S&P500指数に採用されている、資産運用に特化した独立系上場運用会社
QUICK FactSet JOINT SALES TEAMQUICKとアライアンスを強化し、共同販売チームを構築。金融情報・分析アプリケーションを提供
Schrodersロンドン証券取引所に上場している、英国屈指の独立系資産運用会社
S&P Dow Jones Indices指数ベースの重要なコンセプト、データ及びリサーチを提供する世界最大のグローバル・リソース企業



【総括】および【閉会の辞】

 こうして全ての講演が終了後、カンファレンスを総括した
神谷氏は、基調講演から第3部までを振り返りつつ、「社会にとって何をすることが付加価値になるのか、それは「人の幸福」ということであり、社会の幸福という言葉の定義をしっかりさせて、20年後に何が達成されていなければならないのかを見据える必要がある。」として、金融市場のプレイヤー、1人1人の心構え、オープンイノベーションの重要性などについて総括で触れた。

 また
青砥氏は閉会の辞で、5月にフィラデルフィアで総会が開催され、協会設立当時の理念が残っていて、変わるもの、変わらないものの融合が大事だと感じたこと、また、グローバルに比べて日本はまだ認定アナリストが少なく、特に女性のCFAの比率が極端に低いため、改善するための取組を検討していることなどを挨拶で述べてカンファレンスを締め括った。




【懇親会】香港から来日したCFA協会アジア・パシフィック・オフィス ジョイ・チャン氏の音頭で乾杯。多くの来場者が参加して閉会まで賑わう。
 
 全講演終了後に行われた懇親会には多くの来場者が参加し、この日のため香港から来日したCFA協会アジア・パシフィック・オフィス Joey Chan(ジョイ・チャン)氏が乾杯の挨拶と音頭を取ってパーティーがスタートし、閉会の時間まで参加者は歓談を楽しんだ。

 日本CFA協会は、1999年にCFA協会の日本支部として設立され、プロフェッショナル教育、交流、倫理と最良執行に関する提言、業界団体や大学との協力といった分野で活動を広げてきた。CFAプログラムは、グローバルに認知された大学院レベルの教育カリキュラムで、実世界の投資分析やポートフォリオマネジメントの強固な基礎となる知識や技能を学べる資格試験である一方、協会では一般の人も気軽に参加できる勉強会も定期的に開催している。ご興味のある方はイベントカレンダー等でご確認いただきたい。社会への貢献を目指そうとする同協会の次回のカンファレンスも盛況となることを願いたい。



(取材、撮影、 記事、編集・制作:柴田 潔 @株式会社グッドウェイ





09:54 | 取材:金融・IT業界向け

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