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2025/03/17

【FinGATE(平和不動産)】FinGATE Campus 第18回「GX推進による経済の活性化~AI時代における金融のチカラ~」を開催!

| by:ウェブ管理者


  2025年3月6日(木)、平和不動産は、東京・日本橋茅場町の金融インキュベーション施設「FinGATE KAYABA」にて、「FinGATE Campus 第18回」として、「GX推進による経済の活性化 ~AI時代における金融のチカラ~」をテーマにセミナーを開催した。

  FinGATEは、平和不動産が“金融とイノベーションの融合”を目指して設立したコミュニティであり、定期的にセミナーや勉強会、交流イベントを開催している。今回のセミナーでは、脱炭素社会の実現(GX)をいかに経済・地方創生や金融の力で推進できるか、そして急速に進化するAIとどのように掛け合わせていくのかについて、官民・地域金融・スタートアップ投資の有識者がパネルディスカッションを行った。



  セミナー冒頭では、総合司会(MC)は中井 沙織氏(三井住友銀行 / 三井住友フィナンシャルグループ デジタル戦略部)が担当し、FinGATEを運営する中島 優人氏(平和不動産)より「地方創生や投資の呼び込みにもつながるGXを盛り上げたい」という熱意が語られ、来場者に向けて改めてFinGATEのコミュニティや施設の説明が行われた。 続いて中井氏からは、当日のセミナー全体の狙いや本テーマの重要性が共有され、登壇者のバックグラウンドとともに「GX×金融×AI」というユニークな取り合わせがどのようなシナジーを生むのか期待が高まった。



  最初に登壇したのは、西山 香織氏(札幌市まちづくり政策局 GX推進担当局長)。「北海道・札幌市の挑戦 ~GX産業の集積とアジア世界の金融センターを目指して~」をテーマに、北海道における再生可能エネルギーのポテンシャルや、国家戦略特区を活用したGX事業者・資産運用会社の誘致施策などが紹介された。
  北海道は国内トップクラスの自然エネルギー資源を有しており、今後の日本全体のGX投資の中で極めて重要な役割を担う可能性があること、そして札幌市としては「金融センター化」を狙い、GX×金融を大きく推し進めていくというビジョンが示された。特に「チームさっぽろ北海道」を中心とした官民連携の取り組みや、今後の税制優遇策についても説明があり、地方創生とGXの掛け合わせを実践している先進例として、参加者からも関心が寄せられた。

  続いて阿部 一也氏(フィンテック養成コミュニティ 共同発起人)がミニ講演を行い、「GX推進における好循環な地方創生」というテーマのもと、システム思考を用いて地方銀行や地域企業が環境負荷削減をきっかけに経営改革と雇用創出を同時に実現し得る可能性が示された。
  具体例として、廃材をバイオマス発電に活用したり、商店街全体で省エネ投資をまとめて行うことでコスト削減と地域活性化を両立するイメージなどが紹介され、参加者は「地域全体を巻き込む」大切さを再認識する機会となった。



  休憩後に行われたパネルディスカッションでは、「AI時代における金融の力 ~GX推進から考える経済の活性化~」をテーマに、AIやGX(グリーントランスフォーメーション)、そして金融機関・投資家の視点から、経済の活性化に向けた具体策が議論された。モデレーターを務めたのは橋本 卓典氏(共同通信社 編集委員)。パネリストとして、藤井 達人氏(みずほフィナンシャルグループ デジタル企画部 執行役員)、夫馬 賢治氏(ニューラル 代表取締役CEO)、岡崎 貴彦氏(Pinecone 投資ディレクター)、河合 祐子氏(高知銀行 副頭取)が登壇し、AI技術の活用やGX推進がもたらす金融業界への影響と、投資家が果たすべき役割など多角的な視点から意見が交わされた。

  前半ではGX・脱炭素の潮流が世界的に不可逆的であることを確認しつつ、投資家や事業者が短期利益と長期的な環境価値をどのように両立させるかをテーマに、バークシャー・ハサウェイの投資戦略や地方銀行の山林活用などが具体例として取り上げられた。
  後半では、「AI時代」における急激なデータ需要がCO2排出やエネルギー問題をさらに先鋭化させる一方、AIの活用によって効率的に地域課題やリスクを可視化・最適化できる可能性も論じられた。特に森林管理にAIを活用して火災リスクを低減しながらカーボンクレジットを創出するなど、技術的・金融的な連携が重要になるとの見解が示された。
  最後のまとめでは、GXとAIはいずれも人の営みと不可分であり、地方創生や実利、さらに人口減少や地域の持続可能性といった日本特有の課題を総合的に解決する必要があると強調。複数の要素を連立方程式のように捉えて同時に推進してこそ、“真のトランスフォーメーション”につながるという認識が、参加者の印象に強く残る締めくくりとなった。



  最後にMCの中井氏より、各登壇者への謝辞とともに、SNSなどでの情報発信やアンケート回答のお願いが行われた。その後、「本日の学びを広く共有し、さらに議論を深めてほしい」との呼びかけがあり、会場は大きな拍手に包まれた。
  セミナー終了後にはオフライン参加者向けのネットワーキングが行われ、軽食とドリンクが提供される中で登壇者や来場者同士が情報交換を行いながら交流を深めた。



  今回のFinGATE Campusは、金融庁Fintech協会が共催し、2025年3月3日(月)から3月7日(金)までをコアウィークとして開催された「Japan Fintech Week 2025」のサイドイベントとして実施された。FinGATE Campusでは今後も、多様なテーマの勉強会やセミナーが毎月のように計画されており、その継続的な活動に引き続き注目したい。




09:09 | 取材:金融・IT業界向け

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