2023年1月4日(水)、日本取引所グループ(東京証券取引所)は、東証アローズ オープンプラットフォームにおいて、新春恒例の大発会を開催した。
昨年に引き続きコロナ感染症対策の影響で参列は市場関係者のみの式典となったなか、日本取引所グループ発足10周年の節目を祝いつつ、2023年の堅調な株式市場と経済を願って大発会のセレモニーが執り行われた。
年頭挨拶 | 清田 瞭氏(日本取引所グループ 取締役 兼 代表執行役グループCEO)
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清田氏はウクライナ情勢等で激動の年となった昨年の株式市場や経済を振り返ったあと、1年間のJPXの取組みとして市場区分見直し、デリバティブ市場の新規上場や祝日取引、JPX総研設立の背景や期待される効果等を紹介。NISA拡充・恒久化や金融教育充実化についても市場インフラの立場からしっかりと貢献していきたいと語った。さらに、新たな10年の一歩を踏み出すにあたり、安心して利用してもらえる市場運営に努め、我が国金融市場の発展、経済の成長、豊かな社会の実現に貢献すべく取組んでいくと抱負を語り、本年の株式市場を展望して新年の挨拶とした。
来賓挨拶 | 鈴木 俊一氏(財務大臣 兼 内閣府特命担当大臣(金融))
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鈴木氏は、冒頭に60年ぶりの市場再編などを含む一年間のトピックスを振り返ったあと、本年はNISA拡充・恒久化に加え顧客や年金加入者の最善の利益を考えた業務運営のための制度整備、利用者目線での金融教育充実化、顧客の立場に立ったアドバイスの提供促進といった、安定的な資産形成を支援する総合的な取組みを行っていくと挨拶。地方公共団体や民間企業と共に国として推進し、安心して利用できる環境を整備していくと語ったうえで、卯年相場への期待感を述べて来賓挨拶を終えた。
2023年の打鐘では来賓挨拶を行った鈴木氏の他、2022年度新規上場クロスボーダー企業代表者が、五穀豊穣にあやかり取引開始を告げる鐘を5回鳴らした。
打鐘の後、川井 洋毅氏(東京証券取引所 執行役員)の発声による手締めにより、大発会は閉会した。
初日の日経平均株価は売り注文が優勢となり、前年末比259円57銭安の2万5834.93円安と反落でのスタート。2023年も不安要因が多い年とみられるなか、清田氏が「『卯跳ねる』の縁起の良い相場格言にあやかり、株式相場も大きく飛躍する年になれば」と年頭挨拶で述べた通り、安定的な資産形成の環境整備を促進する意味でも、リスク要因を吸収しながら本年の株価が堅調な推移を辿ることを期待したい。
(写真、取材、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部@株式会社グッドウェイ )