研修会では、複業人材の事業支援成果の共有やデル事業の概要、振り返りと今後の連携について様々な議論が行われた。
冒頭、田代 克弘氏(興能信用金庫 理事長(代表理事))は、次年度から事業運用が早々に開始されるにあたって、今回のコロナ感染症は改めてリアルの大切さや、現実と正面から向き合う事、地域の結束・地域間の繋がりの重要性を再認識させてくれたと挨拶。現実に向き合う中で工夫や可能性が生まれ、事業を進めていく中で、閉塞感を脱して未来に一歩踏み出すことができたと続けた。さらに、関係者へ改めて御礼を述べた後、本取組みから生まれる可能性を事業者に活用してもらい、活躍の場を求めるワーカーに、能登でのコアなファン作り・新しい環境・繫がりを作ってもらえることを目指したいとして語って挨拶とした。なお、冒頭の進行役は豊若 裕治氏(興能信用金庫 地域支援部 調査役)が務めた。
豊若氏から引き継いだ灰谷 貴光氏(能登町役場 ふるさと振興課 主幹)の進行の元、複業人材導入の成果の共有も含めた干場 健太朗氏(ふくべ鍛冶 代表取締役)から見た複業、および同社で複業人材として活躍する大路 幸宗氏(ふくべ鍛冶 複業人材)から見た複業についての現状や感想が語られ、自治体の取組みへの印象、今後の人材活用の予定なども共有された。
質疑応答では、灰谷氏や田代氏、石川 貴志氏(Work Design Lab 代表理事)、久能 雄三氏(クノウ 代表取締役)から、長くパートナーとしてやっていきたいと感じた背景、専門家と複業人材の相違点、想定していなかった課題や可能性、プロジェクトの具体的な進行の仕方などについて質問が寄せられ、干場氏と大路氏が回答する形で進行した。
以降、前述の参加者に加え、田中 英春氏(興能信用金庫 地域支援部 部長)、木村 信綱氏(福島学院大学 教授)、藤野 宙志氏(グッドウェイ 代表取締役社長)など参加機関やオブザーバーを交え、共有された能登地域における複業人材活用モデル、参加機関における今後の人材紹介支援、研修を受けての感想と今後の連携や課題について様々な質疑応答や意見交換が行われた。
また、この後のグループセッションでもさらに掘り下げた議論が行われた他、終了後に参加した関係団体職員等から感想などが述べられた。
クロージングとして、田代氏と石川氏から最後の挨拶が行われた。田代氏は、過去の5回の開催で様々な方々との出会いで付加価値が生み出され、特に今回は双方の当事者の話が事業者の共感を得るものがあったと述べ、体制整備と受皿作りを町・商工会・金融機関・事業者が一体となって今後も続けていくことが重要だと語った。
なお、本事業(研修会)は今回で一旦終了するも、今後もフォローアップミーティングのほか、事例集づくりやセミナー・相談会の開催など継続して複業人材の活用による地域活性化を図っていくという。石川県と能登町の新たな展開に注目したい。