2011年8月30日、日本ユニシス豊洲本社において、金融機関の経営課題に対するサービスインテグレーターとしての今後の取組みについて、報道関係者に向けた「金融事業部門説明会」が開催された。
会場には15~17名ほどの報道関係者が集まり、用意されたランチボックスと共に説明会と質疑応答が行われた。
2011年度の日本ユニシスグループの体制は、金融、製造流通、公共サービス、社会公共、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)サービスの5部門からなり、うち金融はメガバンク・信託・証券・保険などを担当する金融第一事業部、信金・信組を担当する金融第二事業部、地銀・ネットバンクを担当する金融第三事業部、および金融企画部の4部門からなる。
既に8行で採用が内定している銀行勘定系フルオープンシステム「BankVision®」は最終的に20行の獲得を目指し、NRIなどシナジーを見込める協業ビジネスモデルの推進などを軸に、2011年3月期の総売上高2,529億円のうち26.8%にあたる679億円を占めている金融機関向け売上高を、今期は704億円とする目標を掲げている。
2011年4月より金融事業部門のトップとして率いる常務執行役員・金融事業部門長の岩田 和洋氏。
金融事業には25年間と長くかかわり主に営業畑を歩むが、入社当初1年目はシステムエンジニアとしての経験も持つ。
途中、トヨタグループ担当として名古屋に5年間赴任。
「異業種とのコラボレーションを推進し、市場の変化を的確に捉え展開していきたい。」(岩田常務執行役員)
既存ビジネスを固めると共に、IFRSや決済系など業界動向、強みを持つ基幹系を中心とした新規開拓などに力を入れていく基本方針の下、BPO(Business Process Outsourcing:業務プロセスアウトソース)、BCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)、クラウドなどをキーワードに推進し、国内市場の競争激化とグローバル化に備えていくという。
金融トレーディング基盤(証券・商品・FX)においては、「世界的に見ても再編が進んでいる取引所や金融機関の統廃合および法制度の見直しが加速しており、ここ2~3年で環境は大きく変わっていく分野でもあることから、将来の変化を見据えタイムリーに対応できるよう総合プラットフォーム化の整備を進めている。将来的には、市場シェアの20~30%の獲得を目指していきたい。」(金融第一事業部 橋本副事業部長)
2011年6月、第67回定時株主総会ならびに取締役会で承認された 黒川 茂 代表取締役社長による新体制の下、日本ユニシス金融事業部門の今後の展開に注目していきたい。
日本ユニシスグループ 機構改革・人事異動(2011年3月11日)(取材:藤野 宙志)