2016年9月21日(水)、Fenox Venture Capitalは、東京国際フォーラムにおいて、世界14ヶ国16地域で開催される世界最大級のスタートアップピッチコンテスト「スタートアップ・ワールドカップ 2017 日本地域予選」を開催した。
日本予選は、インドネシアに続いて2番目の開催。今後、南アフリカ、中国、韓国、チリ、インド、オーストラリア、台湾、イスラエル、ルクセンブルク、アメリカ(シリコンバレー、オースティン、ボストン)、チェコ、イギリスで予選を開催、地域優勝者16チームは、2017年3月24日(金)にサンフランシスコで行われるフィナーレイベント「ワールドカップ決勝大会」に出場し、優勝企業には1億円の投資が行われるという。今回の日本予選には10社が登壇、英語でのプレゼンテーションや業界第一人者の審査員による質疑応答が行われた。(動画はこちら)
開会の挨拶は、アニス・ウッザマン氏(Fenox Venture Capital 共同代表パートナー & CEO)が登壇。Fenox Venture Capitalは、現在15億ドルのファンドを世界で70名で運営、85社以上に投資しており、日本においても今度3~5年で200億円投資する計画で大きくコミットしており、これまでに投資先3社が上場(ディー・エル・イー、メタップス、エボラブルアジア)しているほか、Terra Motors、ジーニー、ZUU、Kii、もしも、アイアンドシー・クルーズ、MoneyForward、FiNCなどに投資しているという。
また、2017年3月22日(水)~24日(金)には、シリコンバレーツアー、ワークショップネットワーキングイベント、ワールドカップ決勝大会(定員2,500名)などイノベーションを体験・勉強できるツアーについても紹介。アニス氏にとって日本は特別な国であり、日本が優勝すると嬉しいとし、日本のソニー、富士通、東芝、オムロン、リコーのような企業になることを目指して、ぜひ頑張ってほしいと語った。
スポンサー挨拶は、城野 洋一氏(インフォコム オープンイノベーションセンター センター長)、大場 正利氏(テックアクセルベンチャーズ 職務執行者)が登壇。
城野氏は、企業向けREPパッケージや医療向けソフトウェアの提供や「デジタルヘルスコネクト(Digital Health Connect)」のほか、「GnB Accelerator」や「Infocom Fund」などFenox Venture Capitalとの取組みについて紹介、日本地域予選の優勝企業がフィナーレイベントで、世界をあっと言わせることを楽しみにしているとした。
大場氏は、2016年3月に1号ファンド「テックアクセルファンド」を立ち上げ、リコー、オムロン、SMBCベンチャーキャピタルがGPとして、産業革新機構、三井住友銀行がLPとして出資していることを紹介。シード・アーリーステージのテック系ベンチャー企業への投資と育成、ファンド出資者の特徴を活かし、Fenox Venture Capitalと協調投資していくとした。
ピッチは、各登壇者によるPRビデオの上映(30秒)、プレゼンテーション(3分30秒)、Q&A(1分30秒)、審査員は業界著名人で構成。
・堀江 貴文氏 (SNS media&consulting ファウンダー)
・小笠原 治氏 (ABBALab 代表取締役、さくらインターネットフェロー)
・松原 健二氏 (セガゲームス 常務取締役、コンシューマ・オンライン カンパニー COO/CTO、セガネットワークス カンパニー CTO)
・砂金 信一郎氏 (日本マイクロソフト エバンジェリスト)
・石井 芳明氏 (経済産業省 新規事業調整官)
・平野 洋一郎氏 (インフォテリア 代表取締役社長兼CEO)
・國光 宏尚氏 (gumi 代表取締役社長)
・櫛田 健児氏 (スタンフォード大学 アジア太平洋研究所 日本プログラム研究員)
AsMama 代表取締役 CEO 甲田 恵子氏が登壇(子育てシェア事業)。子育てを頼れずに理想をあきらめる人が大勢いる一方、誰かの役に立ちたい人は80%もおり、両者をつなげれば多くの人の理想がかなうとし、ワンコインで子育てを頼りあう地域ネットワークを展開。リアルな知人同士だけをつなげ子育てを共助する仕組み、頼り合える社会のインフラを広げ、世界中の各地域コミュニティのインフラになることを目指していくとした。
Alpaca Head of Japan R&D 北山 朝也氏が登壇(人工知能によるトレーディングサービス開発などのフィンテック事業)。AIとDBのテクノロジーを活用し、成果を出した過去の取引からディープラーニング分析を通じて個人投資家に向けてプログラミング無く自動で取引のアイデアを提供。簡単に速くリアルタイムで取引アラートを取得し完全自動でブローカーを通じて取引ができ、対象商品を広げ国内外のブローカーと話を進めているという。
テラドローン 代表取締役社長 徳重 徹氏が登壇(産業用ドローン事業)。テラモーターズのグループ会社として設立。インターネットを通じてフライトポイントを指定、動作開始信号をドローンに送信、自動航行、気象や風力に応じて自動飛行。自動運転のドローンによる土木測量をメイン事業に産業アプリケーションからプラットフォーム、将来はデータ収集と解析がドローン産業の重要な部分になるとし、グローバルマーケットを狙っていくという。
トリプル・ダブリュー・ジャパン 代表取締役 CEO 中西 敦士氏が登壇(排泄を予知するウエアラブル機器を用いた事業)。自分が気づく前に、排泄のタイミングを予知するDFreeを開発。高齢者など排泄をコントロールできない人のサポートや看護婦の負担を減らすべく、現在はトライアルを行っている企業5社(4万床)、今後、待ちリストにある企業30社(20万床)に向けて展開し、ライフスパンからパーソナルファイナンスまで幅広く展開していくという。
FiNC 代表取締役社長 CEO 溝口 勇児氏、経営戦略本部 海外戦略室 室長 Lucas Hannell氏が登壇(専門家や人工知能によるコーポレートウェルネスなどのヘルスIT事業)。Turning daily life into lifelong health を掲げ、ライフスタイル(レジャー、美容、ソーシャル)、ウェルネス(アクティビティー、栄養摂取、睡眠、ストレス)、ヘルスケア(診断、治療)におけるデータを統合し、世界にメンタル・フィジカルヘルスサービスを展開していくという。
FULLER 代表取締役 COO 櫻井 裕基氏が登壇(スマートフォン用アプリのデータ分析事業)。20代~30代のメンバーを中心に約40名でアプリケーション・アナリティクス・サービスを提供。スマートフォンでどのようなアプリがよく使われ、誰が、いつ、どれくらいの頻度で使っているかなど、国別、カテゴリ別、ページ別、顧客属性別に可視化。現在、フリーで2,000社、有料で60社の利用があり、今後、グローバルサービスに向けて展開していくという。
マネーフォワード 代表取締役社長CEO 辻 庸介氏が登壇(自動家計簿・資産管理サービス等のフィンテック事業)。お金を前へ。人生をもっと前へ。をミッションに掲げ、個人や企業のお金に関する課題を解決すべく、個人向けPFM(400万ユーザー)、中小企業向けERPソリューション(50万ユーザー)を展開。資産の可視化、オープンバンクAPI、新たなレンディングスキーム、クラウドエコシステムなどフィンテック業界をリードし、海外展開を目指すという。
ミライセルフ 代表取締役社長 表 孝憲氏が登壇(人工知能による人材採用配置最適化ツール)。各個人のキャリア志向や価値観、パーソナリティーなどを総合的に分析し、応募者と企業のカルチャー分析などマシーンラーニングによるHRプロセスを最適化。当初はデータを集め、データを活用したナレッジシェア、そして最適な人を最適な場所につなげ最高のチーム作りを支援するマッチングマーケットへの展開を目指していくという。
ユニファ 代表取締役社長 土岐 泰之氏が登壇(家族コミュニケーションをサポート)。家族みんなが集まりたくなる「家族ポータルメディア」の創造、世界中のみんなが喜ぶサービスの提供を目指し、園児見守りロボットのMEEBO(みーぼ)を通じて、連絡帳、スマート体温計、スマートベッド、写真、動画と連携。フェイスブックやグーグルもアクセスできていない最強コンテンツ(子供の写真、ヘルスケア、成長データ)で世界を目指していくという。
Liquid 林 圭亮氏が登壇(人工知能による生体認証プラットフォーム)。1 対 N(10億)のシチュエーションにける最速認証(1秒以下)、クラウドベース、グローバルIDソリューションのプラットフォーマーを強みに、スキャンニングデバイスおよび既存プラットフォーム(e-money、クレジットカード、モバイルペイメントサービス)と連携。イオン銀行やハウステンボスでの実用事例もあり、世界中どこでも身体をIDにしていきたいとした。
審査員は控室へ、審査結果集計中の合間、堀江 貴文氏とAnis Uzzaman氏の対談が行われ、フォーブス ジャパン 副編集長 兼 ウェブ編集長 谷本 有香氏がモデレーターを務め、イノベーションを起こしグローバルで成功するための条件について私見が披露された。
そして、審査結果発表へ。審査員およびスポンサー企業にワールドカップにちなんで記念のカップが手渡された。
日本地域予選の優勝企業は、ユニファ(家族コミュニケーションをサポート)が選出された。アニス氏から土岐氏へトロフィーが手渡され、会場からは旗が振られ受賞の喜びをシェア、エールが贈られた。
2017年3月24日(金)にサンフランシスコで行われる「スタートアップ・ワールドカップ」のフィナーレイベントには、世界でも著名な投資家が多数参加する予定ということもあり、優勝企業への1億円の投資はもちろんのこと、地域予選優勝者として出場できる機会だけでも、その出会いから生まれるグローバル市場における認知やリーチ、有望なパートナーとの提携など、その価値は計り知れないほど大きい。残る14地域の予選にも注目しつつ、フィナーレイベントに向けた「スタートアップ・ワールドカップ」の行方を楽しみにしたい。
グッドウェイは、1万人を超える金融機関、IT企業、メディア関係者とのネットワークを基盤に、未来の創造・共存共栄・エコシステムを目指すメディア・プロモーション・カンパニー。”日本経済の成長と国民生活の安定に寄与する「好循環」の実現、変化への対応と健全性の維持” の実現を目指し、金融とIT業界の最新情報の共有、カンファレンスの企画運営、海外視察ツアーの実施などを通じて、金融とITを活用したヒトとビジネスのつながりを応援する「リレーションシップアドバイザー」を目指し、「スタートアップ・ワールドカップ 」のイベントサポーターとして、取組みの成果につながる応援活動を続けてまいります。
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