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2016/02/13

【サムライインキュベート】三大メガバンクFinTech担当者が登壇、日本の金融機関はFintechとどう向き合っていくべきか、「Fintechスタートアップ最新トレンド2016」を開催!

| by:サイト管理者


 2016年1月20日(水)、サムライインキュベートは、天王洲アイルにあるSamurai Startup Islandにおいて、「Fintechスタートアップ最新トレンド2016 ~ロンドン、アフリカ、イスラエルから学ぶ、日本の金融機関はFintechとどう向き合っていくべきか~」を開催した。

 大手金融機関やVCによるアクセラレータープログラムの提供機会が増えている中、会場には、Fintechやスタートアップへの興味を持つ参加者、登壇企業の事業に関わりたいという参加者が多く訪れた。なお、当日の司会は、サムライインキュベート  辻 勇気氏が務めた。

 辻氏によると、Samurai Startup Islandでは年間200回ほどのイベントを開催しており、イベント開催時点におけるサムライインキュベートの投資先企業数は108社(日本で88社、イスラエルで19社)。また、インキュベートのほか、大企業とのアクセラレーションプログラムの運営やミートアップ/ハッカソンなどを行っているという。





 パネルディスカッション「アフリカ・ロンドン・イスラエルの最新のFintech事例」では、パネリストとして、ZEROBILLBANK 創業者 CEO 堀口 純一氏、クラウドクレジット 代表取締役社長 杉山 智行氏、クラウドキャスト 代表取締役 星川 高志氏が登壇、マネーフォワード 取締役 兼 Fintech研究所長 瀧 俊雄氏がモデレーターを務めた。

 冒頭に、各パネリストから各国への着眼点について解説。堀口氏はスタートアップ・ネーションと言われるイスラエルの起業大国としての国民性と生活環境の良さに加えて日本人が少ないことによるチャンスを挙げた。また、杉山氏は貧困層が多いアフリカのカメルーンにおける携帯電話の普及とプリペイドカードによる電気・ガス・水道などの支払いなどフィンテックによる貧困削減への取り組み余地の大きさを挙げ、星川氏はオリンピックの開催を迎える東京との共通点が多いロンドンにおける既存アセットをベースとしたスタートアップとの網羅的なエコシステムLevel39など)の整備を挙げた。

 また、パネルの中では、今後の日本国内におけるFintechで盛り上がりそうな分野海外でスタートアップが盛り上がっている背景について、それぞれの私見が披露された。




 続いて、三大メガバンクのFinTech担当者による各銀行の取り組み紹介(各社5分)が行われた。

みずほ銀行 インキュベーションPT 参事役 高梨 昇氏

 みずほのFinTechへの取組みについて解説。3年前から始めた若手を中心とした10年後の金融リテールビジネスの検討を通じて、新規ビジネスの創出を加速する独立した各セクションのハブとなり、ベンチャー、VC、ベンダー等とのリレーションを構築する組織として、
副社長が専担役員として統括する「インキュベートPT」を銀行とグループに設置。グループ横断で多様な経歴を持つ約50名の体制で、先進的技術、環境変化、外部知見を集積し、所管領域の現在のビジネス推進とは別に、非連続的な新規ビジネスの創出による顧客サービスの向上を目指していくとした。
 また、みずほMessenger(チャット)、Watsonや音声感情認識技術を活用したコールセンター高度化の取り組み、Apple Watchの活用、Pepperなどのロボットの活用、LINE口座照会サービスなどの事例や、NTTデータとのアクセラレートプログラムやオープンイノベーションフォーラムの連携、「成長企業支援ラボ」を通じたベンチャー企業サポート、投資ファンドWilへの出資を通じた海外VCとの連携について紹介した。

三菱UFJフィナンシャル・グループ デジタルイノベーション推進部 シニアアナリスト 藤井 達人氏

 MUFGのオープンイノベーションの活動について解説。自社で全てを解決する「自前主義(クローズド・イノベーション)」から、スピードを優先して外部の知見を活用してでも何とかすべく「社外と連携(オープン・イノベーション)」する必要性が出てきたことの背景として、多様化する顧客ニーズ、製品やサービスのライフサイクルの短縮化、グローバル化による競争構造の変化などを踏まえ、競争に勝つために達成すべきレベルと自社で達成できるレベルのギャップが拡大していることを挙げた。その上で、昨年実施したコンテスト「Fintech Challenge 2015」(レポート)から2つのアイデアを実用化した事例(銀行が発信するオウンドメディア:ZUU、お客さまの投資活性化アプリ「FUNDECT」:Finatext)を紹介。これまで1年~1年半がかかるような取り組みを僅か3ヶ月間でリリースしたという。
 また、新たに革新的な事業立ち上げを支援するプログラム「Fintech Accelerator」(レポート)を通じたメンタリング、コーチング、出資やファシリティ提供、アクセラレータ提携(PLUG AND PLAY)のほか、銀行APIハッカソン「Fintech Challenge 2016 "BRING YOUR OWN BANK !"など、今後の取組みについて紹介した。

三井住友フィナンシャルグループ 
ITイノベーション推進部 オープンイノベーショングループ 部長代理 古賀 正明氏

 三井住友フィナンシャルグループの「ITイノベーション推進部」の立ち上げ経緯と体制について解説。2012年8月に発足した「ITネットPT」では10年後の未来を予測することを目的に活動を開始。銀行は銀行法により出来ることは3つだけ(お金を貸す、預かる、為替行為)に制限されているとし、三井住友カード、三井住友ファイナンス&リース、SMBCコンシューマーファイナンスなどグループの英知を集結し、2015年10月に三井住友フィナンシャルグループ直下に「ITイノベーション推進部」を設置したと経緯を紹介。その上で「常に新しい顧客体験を創造し、明日の金融にサプライズを!」をスローガンに掲げ、失敗を許す取り組みを推進していくとし、リテール、ホールセール、市場、グローバルなど各部門と網羅的に広く連携していくとした。
 また、チーム体制については、オープンイノベーショングループ(ビジネスアイデアを考える)、業務推進グループ(日本総合研究所と連携したシステム開発)の二チーム体制で、ベンダーやベンチャーが持つビジネスアイデアを共有し、ワンストップで進めていきたいと語った。



 パネルディスカッション「メガバンクはFintechとどう向き合っていくべきか?」では、ナビゲータープラットフォーム 取締役 アナリスト 兼 Longine 編集委員長 泉田 良輔氏がモデレーターを務め、ゲームチェンジのポイントとして、集中から分散、垂直・水平統合、スタンドアローンとネットワーク、ハードウェアとUIなどを挙げ、今は産業構造が変わる前夜にあるとした上で、メガバンクのFinTech担当者に対して、日本の金融業界でどのようなFintechのニーズがあるか、そして、Fintechのスタートアップに期待することは何かなどについて質問、それぞれの私見が披露された。



 その後、登壇者と来場者による懇親会が催され、クラウドクレジット 代表取締役社長 杉山 智行氏より乾杯の挨拶が行われた。

 多くの顧客を抱え資産を預かり
大きな影響力を持つ日本のメガバンクが、FinTechをきっかけに取り組みスタンス、組織、プロセスに変化を起こし、新しいコラボレーションスキームが生まれることにより、今後の日本における国際競争力の向上と有機的な活動の環が広がっていくことに期待したい。

(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )




18:26 | 取材:金融・IT業界向け

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