【トムソン・ロイター】世界の企業、女性管理職(取締役)の登用に関する統計レポート～世界的に健全な方向へ、アジア・日本は依然低い
http://share.thomsonreuters.com/general/PR/Asset4_BoardDiversity_July2013.pdf
トムソン・ロイターでは職場における女性活用の現状について、「企業での 管理職(取締役)のジェンダー・ダイバーシティ」とした調査結果をまとめました。 これ は、世界/地域別の動向、セクター間比較、 また 女性の活用が情報開示の向上や より健全な株価に貢献するという分析レポートとなっています。
(*調査対象：全世界の上場企業4,100社 ～うち、日本企業401社含む)
1． 世界的なトレンド～健全な方向へ
2008年以降、女性管理職(取締役)の登用の割合は着実な増加傾向にある。調査対象企業のうち、女性取締役(BoardMember)の割合が2008年には56%だったのが2012年には59%となっている。 また、全取締役のうち女性の占める割合が10%超となる企業は2008年の39%から45%と上昇した(同じく20%超となる企業は2008年の13%から17%へ。)。
2． セクター間における特色(5年 前との比較、女性取締役の割合) ：各セクターで上昇傾向が見られるが、 特に上昇トレンドが顕著なのはテクノロジー、生活必需品、工業。一方、ヘルスケアセクターはジェンダー・ダイバーシティが最も低 い。
3． 地域間における特色 ～女性管理職(取締役)の割合 EMEAが世界をリード、アジア太平洋は依然として低い
地域別にみると、EMEAと 米州は似通っている。特にEMEAは女性取締役の割合が10%超、20%超の企業 の割合が他地域と比較して高いのが判る。一方、地域別比較においてAPAC(ア ジア太平洋地域)の割合はかなり低い結果となっている。
** 日本企業のみの検証では、10％ 超の企業は5％、20％ 超の企業は0％となり、アジア地域の中でみても日本は低い結となっ た。(例：中国 10％ 超：36％、インド 10％ 超：28％)
4． ESG(環境・社会・ガバナンス)と の相関
(1) 各国の規制・法令などがジェンダー・ダイバーシティに大きな影響を 与えている ： ダイバーシティや機会均等に関する自社のスタンスやプロセスを公 開している企業の割合は過去5年であまり顕著な発展は見られなかった。ま た、地域別内訳ではアジア太平洋の企業の(5年前からの)上昇率、特にオーストラリア、インド、韓国 が最も高くなった。北米(カナダ、米国)は依然と して情報公開の割合が高い(72%の企業で明確なプロセスが存在してい る。) EMEAに おいては、例えばフランスでは2017年までに女性取締役の割合を最低40%とするとされた規制(*従 業員500人超の企業)に も後押しされ、フランス、英国の割合が高くなっている。
(2) パフォーマンス(株 価)との相関 ：女性取締役の居ない企業の株価のボラティリティーは、(女性管理職が)居る企業 と比較して僅かに高くなり結果としてトラッキング・エラーも高くなる。対ベンチマーク(WSCIワー ルド)でも女性管理職の居る企業がより良いリターンとなっている。
本調査・レポートを担当したトムソン・ロイターのＥＳＧプロダクト・マネ ジャーAndre Chanavatは、“企業においては、過去5年の間にダイバーシティ、機会均等を向上させる様々な対策が取られたと言 える、また女性取締役登用の企業の割合も僅かに高くなった。しかし、道のりはまだ長いようだ。この調査により男女双方の取締役が いる企業の株価は、男性だけの企業と比べて多少アウトパフォームしており、職場におけるジェンダーの公平性は投資やビジネス感覚 などにおいて良い結果をもたらすアイデアを補強している。”
本レポート・分析は、トムソン・ロイターの収録する上場企業のＥＳＧ（環 境、社会貢献、企業統治）の観点から企業評価・分析を行うＡＳＳET４の収録データを基に4100社を対象とした。
(本レポート発表に関するプレスリリース(原文)はこちらをご確認ください。)
http://thomsonreuters.com/press-releases/072013/Average-Stock-Price-of-Gender-Diverse-Corporate-Boards-Outperform-Those-with-No-Women
