JDD(Japan Digital Design)の資本金は30億円(含む資本準備金)。同じ三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱東京UFJ銀行と共に、これまで内部組織として取組んできた「イノベーション・ラボ」の活動に、外部エンジニアの採用や地域金融機関との協働等も加え「社会的コストの低減」や「既存のレガシープロセスの革新」に向けた研究開発や各地域における次世代イノベーション人材との協働を進めるために設立。今後、地域金融機関と業務提携を行い、次世代リーダーの受入れや、協働での実証実験、ユーザー起点でのデザイン思考・アジャイル開発等をともに実践していくという。
上原 高志氏(Japan Digital Design 代表取締役 CEO)が登壇。MUFGが目指す明日の社会に向け、エイジング、モビリティ、インバウンド、ヘルスケア、バンキングをキーワードに、既存の枠組みを壊し、金融をさらなる情報産業へと推し進めるために始動。社会的な課題に着目し、どのように満たすことが出来るか、どういった人にどのような体験を届けるか、マーケットとのインタラクションの中から生み出していくとした。そのために、サンドボックス「MUFG-β」を用意し、会員制の組織/アプリ/WEBサイトにアイデア(IoT Payment、どこでも納税、ATMシェアカー、AIファクタリング、Inbound Community、など)を投下し、実際に使ったフィードバックを得て、新陳代謝の中で新しい金融のデザインを創っていきたいと語り、進めているアイデアの狙いと概要について紹介した。この日の進行は、武田 正秋(Japan Digital Design 副社長 経営管理部長)が務めた。
平野 信行氏(三菱UFJフィナンシャル・グループ 取締役 代表執行役社長 グループCEO)が登壇。お礼の言葉と共に金融事業のデジタル化に興味を持った最初のきっかけを披露。その後、「デジタルを活用して金融イノベーションを起こすこと」をテーマにイノベーションラボを立上げ、銀行のカルチャーと別のところで予算やドレスコードなどを任せた結果、多くのネットワーキングを築き国際的なコンソーシアムにも多数加入した成果を述べた。その一方、「具体的に自分たちの力で新しいビジネスモデルを本当に組み立てられるか」という点で欠けていたものは「自前の開発チーム」だったとし、デザインからプロトタイプ、そして実用化のプロセスを短くするためにスピンオフし、発想を更に柔軟かつ大胆に、豊かなタレントを採用し、更なるネットワーキングを広げるべく地域金融機関にも参加してもらうべく、Japan Digital Designの設立経緯と狙いを紹介。デザイン思考に立ち、プロトタイプ化、顧客フィードバックをスピーディーにまわす新しい文化を築き、「デジタル思考に即したフェイルファスト(Fail Fast)」、大いなる期待の言葉を述べ、締めくくった。
三毛 兼承氏(三菱東京UFJ銀行 取締役 頭取 執行役員)が登壇。マーク・アンドリーセン氏の「Software is eating the world」の言葉を引用し、グローバルトップ企業の多くにIT企業が登場し、次々とデジタル化の波が起きている中、消費者の行動も変化し、モノからコト、保有からシェアなど、企業の行動も変わり、金融ビジネスもその例外ではないとした。そして、新しい付加価値と機能を提供しないと生き残れないと語り、アジャイルなトライ&エラー、取引先とオープンに新しい事業をクリエイトしていきたいとし、JDD(Japan Digital Design)の挑戦への期待を込め、乾杯が行われた。
続いて、Japan Digital Design に参画した、楠 正憲氏(CTO)、石山 洸氏(AI、Marketing 担当)、曾川 景介氏(Payment 担当)が登壇。それぞれの得意分野と自己紹介、参画の経緯を披露し、今後の取組みに向けた抱負を述べた。