【会場レポート】
2011年8月22日(月)19:30~、東京証券取引所は、23日(火)に新しい商品としてETN(指標連動証券)を上場するにあたり、六本木のワールドインベスターズ・トラベルカフェにおいて、『上場ETN新規上場前夜祭』を開催した。
(前半)
会場には約50名の投資家や関係者が集まり、今回東証に上場するETN[iPath]を世界的に展開しているバークレイズ・キャピタル証券インベスター・ソリューション本部長の石橋氏が、晋陽FPオフィス カン・チュンド代表からETNに関する質問や疑問を受ける形式でわかり易く解説、前夜祭の様子は、ワールドインベスターズTV にも生配信された。
(カン・チュンド代表)
「投資家の皆さまには、今後どのようにETNを活用してもらいたいですか?」
(石橋氏)
「投資家の皆さまのビューに合った投資対象を商品化し、これまでに無かったような日本オリジナルのETNを提供していきたい。投資家が自ら考えて選んだ投資対象のニーズに応えていくことで、投資教育にも貢献していきたい。」
会場に設置された大きなスクリーン上の資料とともに説明は続く。
ETFのFはFund(ファンド)、ETNのNはNote(債券)、その違いとは、金融機関(発行体)がその信用力をもとに価格の連動を保証する債券であるため、トラッキングエラーが発生せず、かつETFとは異なり証券に対する裏付資産を必要としないことから、これまでETFでは実現が難しかった対象にまで投資の幅を広げる事が可能となる。
また、口座や税制についても一般の株式と同じ取扱となり、特定口座や株式税制など同様に適用される。
ただし一方で、ETNは発行体の金融機関の信用力をもとに発行されているため、発行体の倒産や財務状況の影響により、ETNの価格が下落する又は無価値となることがあるので、特に注意が必要である。
(後半)
第一弾となる上場ETF[iPath]商品について、日経マネー記者の坂崎氏と4名のスピーカーによるパネルディスカッションが開催された。
『日本でETNは浸透する!?』、『上場後、注目しているETN「iPath」銘柄は!?』、など投資家目線の問いかけに、スピーカーはそれぞれ立場(取引所、証券会社、発行体)としての考えを示しながらも日本発上陸となるETNの発展に向けた強い想いと今後の取り組みを感じられる、とても興味深いディスカッションとなった。
<司会、スピーカーの皆さま>
日経BP社 日経マネー編集 坂崎 絢子 記者
東京証券取引所 上場推進部 調査役 内藤 友則氏
マネックス証券 マーケティング部 藤原 剛氏
楽天証券 外国株式事業部長 兼 国際ビジネス推進室長 新井 党氏
バークレイズ・キャピタル証券 インベスター・ソリューション本部 ディレクター 杉原 正記氏
(坂崎氏)
今後、ETNに期待するところなどあればお願いします。
(マネックス証券 藤原氏)
『将来的には、現物取引の世界の中でETNによるブル・ベア型のレバレッジ商品など提供していけたら面白い。』
(楽天証券 新井氏)
『コアサテライト戦略への活用、そしてBRICsの次のフロンティア市場、または外国人に対して取引を規制している市場などへの投資手段として活用されていくのではないか。』
(東京証券取引所 内藤氏)
『個人的な見解ではあるが、バークレイズキャピタル証券さま以外の発行体となる金融機関も更に増え、今後1~2年くらいで50~100銘柄ほどの上場を期待したい。もちろん、発行体リスクについては厳しく審査していく。』
(坂崎氏)
『ETN[iPath]ならではのメリットは?』
(杉原氏)
『世界共通ブランドで展開しており、その実績から既にグローバルスタンダードとして認められている商品です。情報も充実しており、世界中にアクセスする投資が可能になります。』
- 以上 -