「Money20/20 Asia」は世界中から多数の参加者が訪れる金融業界で最大級のFintechカンファレンスイベント。会場には著名な経営トップなど豪華なスピーカーが一堂に会し、3日間にわたり複数の会場で数多くの講演・パネル・ピッチが行われた。
今回のプログラムのテーマは、ペイメント、コマース、法規制、イニシアティブ、イノベーション、クロスボーダー、レンディング、レボリューション、金融包摂、ビットコイン・ブロックチェーン、AI、セキュリティ、ディスラプティブなど13テーマに分類され、講演・パネル・ピッチ(アジェンダ)などが行われた。
「Chair Opening」では、Naga Munchetty氏(Journalist and Broadcaster)が登壇。今回の開催期間の3日間にわたりメインステージ(The Universe)の司会・進行を務めた。
「Embedding financial services into consumers' everyday life experiences」では、Madhivanan Balakrishnan氏(Chief Technology & Digital Officer, ICICI Bank)を迎え、Chris Skinner氏(CEO, The Finanser)がモデレーターを務めた。ICICI銀行が提供する日常生活の金融サービスや決済ソリューションにおけるパートナーシップや銀行プラットフォームの"Digital Villages"イニシアチブについて語った。
「Welcome to the dark side」では、Ralph Echemendia氏(Founder & CEO, Seguru, 'Ethical Hacker' & Technical Advisor to Hollywood Director Oliver Stone)が登壇。仮想通貨やICOの領域におけるサイバーセキュリティの脅威と損失に触れ、ハッカーのモチベーションやタイプに対する対応について解説した。 「AI is not enough: humans, machines and safe guarding our future」では、Nuno Sebastiao氏(Co-Founder, Chairman & CEO, Feedzai)が登壇。AIのリスクやセキュリティへのこれまでの取り組みと私見を披露し、技術と人がつながり実現する未来について語った。
「How to scale Artificial Intelligence and apply it to everything」では、Antoine Blondeau氏(Co-Founder & Managing Partner, Alpha Intelligence Capital Fund)が登壇。進化するAIをいかに活用し適合していくか、M&A動向や適用分野のほか、AIがAIをデザインする大きな波が到来する見通しを示した。
「Changing consumer mindsets and behaviour - breaking the cash conundrum」では、Diana Layfield氏(VP, Next Bilion Users, Google)を招き、Leda Glyptls氏(CIO, Qatar National Bank)がモデレーターを務めた。モバイルファイナンスの民主化が進む中、より速く安全で安価なパーソナライゼーションを実現するためのAPIパートナーシップなど、新たな数十億人の潜在ユーザーの開拓に向けたインドなど新興国市場におけるGoogle Payの展開について語った。
「The Payments Race」では、香港からシンガポールに直行便を使わずに金、現金、ビットコイン、カード、モバイルウォレットなど、旅行全体で1つの支払い方法に限定した旅行に実際にチャレンジした5名のそれぞれの所感や洞察を披露し表彰した。
「Breaking the payments barrier: unifying commerce across borders and channels」では、Roelant Prins氏(CCO, Adyen)が登壇。競争の激しい小売業界におけるペイメントにおいてどのように統合的な成果を出し成長につなげていけばよいか解説した。
メインステージでは、その後も、Ant Financialによるテクノロジーフォーラム「Ant Technology Exploration Conference: New Technology - Bringing the world equal opportunities」が行われ、「Technology supporting an open ecosystem and an inclusive society」では、Cheng Li氏(COO of International Business Group & CTO, Ant Financial)が登壇。
「Singapore’s success story and how AI/blockchain has driven the country’s march into a Smart Nation」では、Sopnendu Mohanty氏(Chief FinTech Officer, Monetary Authority of Singapore)を迎え、Pat Patel氏(Content Director, Money20/20 Europe & Asia)がモデレーターを務めた。
BBVAによる「Startup Pitch: risk, cybersecurity & fraud」では、Mio Takaoka氏(Partner, Arbor Ventures)が審査員を務めた。
「Characteristics of a FinTech entrepreneur」では、Yoshiki Yasui氏(Founder & CEO, Origami)が登壇。
「Evolution of Payment Technologies: Delivering unique and sustainable value」では、Tac Watanabe氏(EVP, Brand Infrastructure & Technologies, JCB)が登壇。
「Credit & Debit cards: maintaining growth and creating customer intimacy」では、Yuichiro Kadowaki氏(SVP, Business Development & Coordination, JCB International)が登壇。
「Accelerating financial inclusion through alternative payment methods」では、Akihiro Ishizuka氏(Head of Global Payments Division, NTT Data Corporation)、Dinh Tien氏(Deputy General Director, VietUnion)が登壇。
この日の夜は、CÉ LA VI Club Lounge において、ネットワーキング「Industry Night」が開催された。Marina Bay Sandsの57階にあるルーフトップからは、シンガポールの夜景が一望できるパノラマビューが広がる。
Day2では、ICICI Bank や Google、Feedzai や Adyen、Seguru など、大手銀行やプラットフォーマーが目指す日常生活の金融サービスや決済ソリューションにおける数十億人の潜在ユーザーの開拓に向けた戦略と展望、AIやペイメントの最新事情、サイバーセキュリティといった分野のテーマを中心に話が繰り広げられた。国境を越えた市場と消費者を見据えたパートナーシップやプラットフォームをいかに位置づけイニシアチブをとっていくか、いち早く世界レベルの欲求に応えていくためのフォーメーションの重要性を実感する一日となった。
(取材、撮影、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )