【新経済連盟】新経済サミット2013 / Japan New Economy Summit 2013 取材レポート!国内外の著名IT企業経営者が集結!
2013年4月16日(火)、新経済連盟は東京・紀尾井町のホテルニューオータニで「新経済サミット2013」を開催した。本サミットは、国内外から世界的に活躍する企業経営者や起業家などを中心にゲストスピーカーを複数招き、主に日本国内の政官財界関係者、経営者、起業家、社会人・学生などを対象に、新経済連盟が主催した第1回目のサミット。各セッションにおける議論の内容は提言にまとめ、政府に提出されるという。今後はアジアからもスピーカーを招くなど、定期的に開催していく予定だ。
新経済連盟については、前夜祭・安倍首相来賓スピーチの写真ニュースでもお伝えの通り、楽天が2012年に日本経済団体連合会(経団連)を脱退後、三木谷 浩史 社長がインターネット関連企業で構成していた「e ビジネス推進連合会」を「新経済連盟(新経連)」へと改名。この団体は「イノベーション(技術革新)を促進させるため、あらゆる角度から政策提言」することをテーマとし、代表理事の楽天代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史 氏のほか、サイバーエージェント代表取締役CEO 藤田 晋 氏、フューチャーアーキテクト代表取締役会長兼社長 金丸 恭文 氏、GMOインターネット代表取締役会長兼社長 熊谷 正寿 氏、ライフネット生命保険代表取締役副社長 岩瀬 大輔 氏の4名が理事に名を連ねている。
インターネットを利用したコンテンツ産業を行う企業群が参加する経済団体として「eビジネス、ITビジネスをはじめとした様々な新産業の発展を通じ、国政の健全な運営、地域社会の健全な発展に資すること」などを目的としている。
「統括 - 日本への提言」では、モデレーター岩瀬 大輔 氏(ライフネット生命保険)により、新経済サミット2013まとめとして、日本がアントレプレナーシップのルネサンスに入り、何かが変わる予感と期待が生まれつつある中で、以下の7つのポイントが挙げられた。
1.挑戦者を称賛する風土や環境づくり
2.特区など国が応援する仕組みづくり
3.日本の強みに自信を持って取り組む
4.最初から世界を目指す、グローバル
5.教育改革
6.税制改革
7.規制改革
また、最期は三木谷氏により、今回のサミットを通じて、あらためて日本を見つめなおし、ベンチャーのみならず大企業を含めて大きく変わりつつある中、イノベーションとアントレプレナーシップが日本経済の成長エンジンとなり、粘り強く政府への働きかけ、次回からはエネルギーや先進医療など幅を広げ世界的なイベントとして情報発信に取組み啓蒙していくとまとめた。
自分が信じるもの(目的、方向、価値)を世の中に提案し続けるということ、失敗や困難があっても、忍耐強く前に進み、自分の思いを深めていく。成功しているビジネスの裏にはあくなき挑戦と失敗を恐れない突破力が欠かせない。言葉の壁、文化の違いを超え、「ワァォ!」という喜び ・ 興奮 ・ 満足といった感動や共感により、人々の心を掴み、役立つことや便利になることをしっかり考え抜くことで生活にタッチしていく、そのようなユーザーエクスペリエンスと感動の連鎖が、これからの時代に求められている。新たなビジネスを創造させる規制改革、ベンチャー企業を支援・応援する風土と枠組みの底上げ、エンジニアやデザイナーといった創造的人材の評価軸見直しと環境の整備など、今後、世界中で起きているイノベーションが急速に融合・拡散していく中、日本においてもその世界社会の一員として将来に向けた継続的な情報の共有とビジネスの創造に資する提言を行う場(コミュニティー)が広がり、金融、エネルギー、医療など人々の明日を担う各成長産業における横断的な組織が形成されていくことに期待したい。
(取材、撮影: 藤野 宙志 / 編集・制作: 柴田 潔)
<新経済サミット2013 プログラム詳細>
セッション1:「破壊的なイノベーションとは何か?」
三木谷 浩史(楽天)、アンディ・ルービン氏(Google)、ジャック・ドーシー氏(Square)、ベン・シルバーマン氏(Pinterest)、ニクラス・ゼンストローム氏(Atomico)
セッション2:「日本から破壊的なイノベーションを起こすには?」
森川 亮氏(LINE)、伊藤 穰一氏(MIT Media Lab)、田中 良和氏(グリー)、まつもと ゆきひろ氏(Rubyアソシエーション)、熊谷 正寿(GMOインターネット)、関口 和一氏(日本経済新聞社)
セッション3:「今起こりつつある破壊的なイノベーションの新潮流とは何か?」
ブライアン・チェスキー氏(Airbnb)、ゲーリー・スワート氏(oDesk)、ジェイソン・ゴールドバーグ氏(Fab)、トラビス・カラニック氏(Uber Technologies, Inc.)、田中 章雄氏(インフィニティ・ベンチャーズLLP)
セッション4:「破壊的なイノベーションにおいて起業家とベンチャーキャピタルの果たすべき役割とは何か?」
デレック・コリソン氏(Apcera)、ジョージ・ケラマン氏(500 Startups)、ジョシュ・ジェームズ氏(Domo)、カツジン・デビッド・チャオ氏(DCM)、フィル・リービン氏(Evernote Corporation)、岩瀬 大輔(ライフネット生命保険)
セッション5:「破壊的イノベーションによる新産業創造のロードマップ」
村井 純氏(慶応義塾大学)、迫 慶一郎氏(SAKO建築設計工社)、石田 宏樹(フリービット)
セッション6:「総括・日本への提言」
三木谷 浩史(楽天)、金丸 恭文(フューチャーアーキテクト)、熊谷 正寿(GMOインターネット)、藤田 晋(サイバーエージェント)、石田 宏樹(フリービット)、伊藤 穰一氏(MIT Media Lab)、ニクラス・ゼンストローム氏(Atomico)、フィル・リービン氏(Evernote Corporation)、岩瀬 大輔(ライフネット生命保険)