清田氏は挨拶冒頭で、本年の株式市場の振り返りとして、「ロシアによるウクライナ侵攻を転機に、世界的なインフレに火がつき、世界各国の中央銀行は相次いで大幅かつ急ピッチな金利引き上げを行った。不安定な世界情勢の中で、日本の株式相場はロシアのウクライナ侵攻の直後の2022年3月9日に2万4,000円台という最安値をつけたが、堅調な企業業績が株価を支えた」と述べ、年間を通してみると、比較的落ち着いた動きをした相場となったとしてこの1年の相場を振り返った。
続いてJPXの取り組みとして「東京証券取引所では、2022年4月4日に市場区分を見直し、3つの市場区分プライム・スタンダード・グロースに再編したこと、デリバティブ市場においては2022年4月に電力先物の本上場とLNG先物の試験上場したこと、そして2022年9月には祝日取引を開始した」ことなどについて説明。デジタル化データサービスの多様化、サステナビリティの推進といった取引所の枠組みにはとらわれない新たな挑戦もした1年であったと語り挨拶とした。
【挨拶】岸田 文雄氏(内閣総理大臣)
岸田氏は挨拶で、「さまざまな社会課題を成長のエンジンに転換し、官民連携して持続可能かつ包摂的な経済社会をつくり上げていくためのスタートアップ育成計画と資産所得倍増プランが重要な柱であり、その実行には資本市場、そして市場にかかわる皆さまの力が欠かせない」と語り、スタートアップ企業と市場の重要性を述べた。そして日本の家計金融資産2,000兆円は大きく拡大することができるポテンシャルがあると考えているとし、「NISAの口座数は1,700万口座累計の買い付け額は28兆円で、政府はこれを5年間で倍増させることを目指していきます」と述べ、官民一体となって、個人の投資を盛り上げていきたいとした。「新しい年が日本経済、そして国民の皆さまにとって良い年となるよう、全力で政策課題に取り組んでいきたい」と述べ締めくくった。
【挨拶】三谷 幸喜氏(脚本家)
三谷氏は挨拶で、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本を行ったことに触れた後、「鎌倉時代は先が読めないという意味で、現代とすごく近いような気がしている」と語り、最後に来年の干支であるウサギを例に「ウサギというのは非常に危機管理能力が発達しておりまして、寝てる時もずっと目を開けていると言われております。僕らもしっかりと目を開けて、少しずつ前向きに新しい未来へ進んでいきたい」と語った。
【打鐘】岸田 文雄氏による打鐘
はじめに、岸田氏による3回の打鐘が行われた。
【打鐘】三谷 幸喜氏による打鐘
続いて、三谷氏による2回の打鐘が行われた。鐘を打ち鳴らす「5回」は穀物が豊かに実る「五穀豊穣」に由来するという。
【手締め】最後は手締めで2022年の大納会を締め括る
打鐘が行われた後、川井 洋毅氏(東京証券取引所 執行役員)による手締めが行われ、無事大納会は終了した。
来年の卯(うさぎ)年の相場格言「卯跳ねる」。企業の業績をはじめ皆さまにとって躍進につながる、よい一年になることを期待したい。
(写真、取材、記事、編集・制作 : GoodWayメディアプロモーション事業部@株式会社グッドウェイ)