2018年5月23日 (水) 、アプリ事業の世界的なコンサルティング企業であるApp Annie Inc.の日本法人App Annie Japanはベルサール東京日本橋で定期セミナー「DECODE TOKYO」を開催した。
今回のテーマは「金融サービスのデジタル化」。金融業界のエキスパートに登壇してもらい、オープン化を進める従来型のサービスと、新しいサービスで生活者に利便性と接点を提供しているフィンテックが出てくるなかで、今後金融サービスはどのように変化していくのかについて、講演とパネルディスカッションが行われた。
「金融サービスのデジタル化に即した国内金融業界の変化やチャレンジについて」
副島 豊氏(日本銀行 決済機構局審議役 FinTechセンター長)
最初の講演に登壇した副島氏は、金融サービスを再発明する企業コンセプトについて、金融機関は生活の提案業としてプラットフォームの提供が必要だとし、企画は人々が理解する外側の領域にあるとした。また、あらゆる事象がデータ化、統合化され、サービスとコネクトする中、最高のマーケティングデータを持っている銀行はプラットフォーマーとして「総合ライフサービス業」になれると語り、再発明に必要なことは「技術に対する感度」「妄想力」「組み合わせるチカラ」だと述べた。
「アプリデータから見える金融サービスの変化」
滝澤 琢人氏(App Annie Japan 日本代表ディレクター)
滝澤氏はアプリ利用状況の変化を1日あたりの利用時間は2015年比で30%増加、1カ月あたりの平均アプリ利用数は40本など利用状況について解説。ファイナンスカテゴリのダウンロード成長率は他の非ゲームカテゴリよりも高く、特に決済サービス系が大きな成長を継続していると語った。
パネルディスカッション「金融サービス変革の時代」
パネルディスカッション「金融サービス変革の時代」では、パネリストとして、綿貫 辰耶氏(セゾン自動車火災保険 マーケティング部 マーケティンググループ副長)、法貴 大輔氏(マネックス証券 システム開発部 企画・設計グループ)、原 亮太氏(横浜銀行 総合企画部 デジタル推進プロジェクトチーム 副調査役 )が登壇、林 良太氏(Finatext Co-Founder & CEO)がモデレーターを努めた。
パネルの中では、提供するアプリの利用を促進するためのチャレンジやアクティブレートを上げるための取り組み、オープンイノベーションの時代の中で外部との連携することやAPI公開、AI利用、これから取り組んでいきたい分野について各社がどのように対応しているかなど質問が投げかけられた。
全てのプログラム終了後は懇親会が開催され、参加者は名刺交換、挨拶、歓談など閉会までネットワーキングを行った。
生活のデジタル化、モバイル化が進み、個人の金融サービス利用者にとってはアプリを通じてフィンテックのメリットを享受する機会が益々拡大していく中で、今後金融サービスはどのような変化を遂げていくのか、次回の開催が期待される。
(撮影、記事、編集・制作 : GoodWayプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ )