2014年1月26日(日)、松井証券は、東京・有楽町にある東京国際フォーラム(B7ホール)において、個人投資家向けにNISAを活用して投資を始める上で役立つ情報を提供するため、「NISAではじめる上場投信(ETF)セミナー」を東京証券取引所と共催した。
先ず、第1部講演「2014年の経済と市場展望(60分)」(武者リサーチ代表 武者 陵司 氏)では、米日欧がけん引する世界経済の状況を解説、日本株が大復活に向かうと見る根拠について、市場の様々なデータを多角的に用いながら論理展開した。
続いて、第2部「上場投信のご紹介とその市場動向(15分)」(東京証券取引所 マーケット営業部)では、東証の重点戦略の一つであるETF市場の拡大に向けた取組みとその市場動向、日本企業の収益性・価値向上を促進すべく新たな投資ベンチマークとして誕生した指数「JPX日経400」の狙いと特徴、ETFの活用法、ETF銘柄およびETF・ETNスクエアについて紹介した。
休憩の後、第3部「上場投信(ETF)の魅力と活用方法について(45分)」(インデックス投資アドバイザー カン・チュンド 氏)では、ETFとは何か、そのメリット・デメリット・分類、点から面への投資、ETFを通じた国内から海外の投資対象へのアクセスができることに触れ、ETFが持つ圧倒的に幅が広がる金融ツールとしての顔を、わかりやすく解説した。
第4部「松井証券NISA口座のメリットと「上場投信ガイド」のご紹介(10分)」(松井証券 営業推進部)では、NISAのポイント、上場投資信託の銘柄検索・シミュレーション・比較などに便利な上場投信専用ツール「上場投信ガイド」、松井証券の手数料体系について紹介した。
最後に、第5部「NISA口座の賢い投資方法を考える!(30分)」では、研究派の棋士で「コンピューター桐谷」の異名をとる一方で株式投資の「株主優待」で有名な桐谷 広人 氏と松井証券シニアマーケットアナリスト窪田 朋一郎 氏によるトークセッションが行われ、利回りと優待を重視する桐谷氏の考え方や日常生活の中における優待をフルに活用した様々な楽しみ方を披露、窪田氏よりNISA口座やツールの活用、ETFの魅力、優待と株価の関係や投資タイミングの考え方などについて解説された。
セミナー当日は天候にも恵まれ、会場には多くの個人投資家が訪れた。講演の合間の休憩時間やセミナー終了後には協賛企業4社(三菱UFJ信託銀行、ブラックロック・ジャパン、バークレイズ証券、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)のブースの前で足を止め、セミナーで得た情報を少しでも自分のものにしようと4社全ての資料を持帰る来場者の様子が印象に残った。
<取材を終えて>
キャンペーンをはじめとする金融業界のNISA口座開設への積極的なプロモーション展開により業界全体のNISA口座開設数が増えている中、今後は、さらに、投資に対する非認知層の認知化に向けた施策、若年層の資産形成の促進に向けた中長期的なマネーライフに対する教育、商品選択と資産管理に対するアドバイザリーの高度化など、投資後の実運用ベースで投資家視点に立った初心者投資家への手厚いモニタリング・リバランス支援サービスが求められている。
アベノミクスによる経済発展と市場の活性化、貯蓄から投資への流れを加速させる潮流の先にある、これからの未来志向のブローカレッジサービスとセミナー等を通じた啓蒙活動と投資教育への取組みに注目したい。
(取材、撮影、記事、編集・制作: 藤野 宙志)