2013年11月8日(金)、毎年恒例となった証券業界の交流の場、第9回「マーケットフォーラム(Market Forum)2013」が東京・大手町サンケイプラザで開催された。
主催する「内閣府認証NPO法人 金融証券マーケットフォーラム」は、証券業界における交流を広げ、証券市場の活性化に寄与していくことを目的として、業界の有志が幹事となって始まったフォーラム。業界の有志が幹事となり、証券業界(証券会社の他、取引所、IT/情報ベンダー、メディアなど)や証券市場に関わりを持つ企業・個人が集まり、交流の輪を広げることで、お互いにとって新しいビジネスチャンスやコネクションを得る機会を提供していくことが、第9回を迎えた「マーケットフォーラム」という交流会の目的だ。取引所の取引が電子化される前は、取引所の立会場で各社の場立ちが交流できる時代が長く続いたものの、電子化された今では、特に業界の若手証券マンが他社の社員と情報交換し交流を広げる機会が非常に少なくなってしまったことも、こうした交流会開催を続けている理由のひとつとなっている。
交流会は2005年より『Market Forum』という名称で開始され、参加者が低予算で気軽に申込できる制度を維持する目的から2008年から協賛制度を導入、さらに2009年に「金融証券マーケットフォーラム」が内閣府認証NPO法人に認定されたことで、より大きな会場での開催も可能となるなど、開催を通じて証券業界振興への貢献を目指して活動を続けている。
安倍首相が第2次安倍内閣において掲げた一連の経済政策に対して与えられた「アベノミクス」という通称は、ちょうど1年前の2012年11月から多用され始め、1兆円前後で推移していた当時の東証一部・一日平均売買代金はその後の円安、株高によって翌2013年1月には2兆円を突破。さらに同年4月には3兆円超えを果たし、5月には3.9兆円と4兆円に迫る勢いを見せた。以降は相場も一旦沈静化し、8月を除いて概ね2兆円台で推移、前月の10月は2.1兆円という水準で売買代金は推移している。(参考資料・東証データ・Excel)
1年前のアベノミクスで始まった今回の相場、2014年以降の動きについての見方は様々であり、その相場の動向が金融市場や金融機関・ベンダーの業績、ひいては事業計画にも大きな影響を与えることも事実だが、相場動向に左右されず、証券業界の振興と活性化を目指して草の根活動的に業界を支えていこうとするこうした活動が、今後も長く続くことを強く期待したい。
なお、2014年2月には第2回となる「マーケットフォーラム in 大阪」が予定されている。
(取材: 藤野 宙志、柴田 潔 / 撮影、記事・編集・制作: 柴田 潔)