2020年1月11日(土)、大手ネット証券の楽天証券は、横浜市みなとみらいにあるパシフィコ横浜 国立大ホールで毎年恒例の「新春講演会2020」を開催した。
米中貿易摩擦など世界情勢が混迷の度合いを深める中、投資家は何を判断基準の拠り所としていくのか。令和初となる今回の新春講演会では、「想定外をも予測する2020年の世界地図」と題して、東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授 竹中 平蔵氏をはじめとした豪華講師陣が登壇し投資戦略のヒントを提供したほか、展示会場も過去最高の参加者の来場により終日盛り上がりを見せた。
世界最大級の国際会議場「国立大ホール」や、展示ホールなどからなる会場の「パシフィコ横浜」。令和2年の国際情勢、経済や相場の行方に大きな関心を持って来場する投資家が早朝から長い列を作ったため、予定時間を早めて入場受付を開始した。
受付を済ませた後、展示会場を通って講演会場へ。展示会場には楽天証券の他、グループ各社や運用会社、IFA(金融商品仲介業)などのブースが立ち並び、スタッフの元気な掛け声などで入場開始と同時に会場は盛況な雰囲気に。講演会場となるおよそ5,000席を有する国際会議場の国立大ホールもどんどん席が埋まっていく。
【挨拶】楽天証券 代表取締役社長 楠 雄治氏「ポイントのサービスなどをつけ加えながら、手数料無料化をさらに進めていく」
楠氏は冒頭で新年の挨拶、および国際情勢や相場について軽く触れた後、国内株式の売買動向のグラフを用いて「海外投資家の買い、個人投資家の売り」の構図が続いており、相場の地合いは引き続き良好であることをアピール。
年末以降のネット証券各社の手数料無料化の流れについては、「当社は手数料の依存度が最も低いが、ポイントなどプラスアルファのサービスをつけ加えながら手数料無料化をさらに進めていく」と意気込みを語った後、ポイントでの投資信託購入、投信の取扱手数料無料、楽天カード(クレジット)での積み立て、PTS等のサービスや強みを紹介して挨拶とした。
【講演】東洋大学教授/慶應義塾大学名誉教授 竹中 平蔵氏「2020年、グローバリズムの崩壊が日本経済にもたらすものとは?」
竹中氏は冒頭に労働所得と資本所得について、「特に資本所得について、資産をどのように活用するのかが、もの凄く重要だ」と語り、「今日はそのことを1日掛けてしっかり考えて貰えれば」と述べて、イランとアメリカの問題や国内外の情勢、日本経済について持論を交えながら解説した。また、2020年は本当の意味での21世紀の始まりであるとし、第四次産業革命、AI、IoT、BigDataなど、今までの延長線上ではないクリエイティブな発想が重要だと力説した後、IR(カジノを含む統合型リゾート)についても、依存症や犯罪などに十分配慮することを前提に、G7の中でカジノを持っていない国は日本だけだとして肯定的な考えを示した。
【講演】楽天証券経済研究所 チーフ・ストラテジスト 窪田 真之氏「2020年 日本株投資戦略」
窪田氏は講演のポイントとして、配当利回り・買収価値から現在の株価は割安と判断でき、日本株は長期的には「買い場」と判断できること、およびAI、IoT、ロボットなどのグロース株や大型高配当株のバリュー株にも妙味が感じられると講演した。
【講演】ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC プレジデント&CEO 堀古 英司氏「2020年 米国経済 株式相場の見通し」
【パネルディスカッション】人生100年時代の資産運用戦略
<パネリスト>
・ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者 オフィスべネフィット 代表 特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長 岩城 みずほ氏
・セゾン投信 代表取締役社長 中野 晴啓氏
・フィンウェル研究所 代表 野尻 哲史氏
<モデレーター>
・楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田 尚子氏
モデレーターの篠田氏は、「長寿化社会におけるお金との向き合い方とは?」、「長期分散投資と資産形成の重要性とは?」、「資産活用とその社会的意義とは?」といった質問をパネリストに投げかけながら活発な議論を行った。
【展示会場】休憩時間を中心に、終日賑わいを見せた出展ブース
展示会場には出展ブースやデモコーナー、セミナー会場、書籍販売やサイン会のコーナーなどが所狭しと並び、終日にわたって盛況となった。
【セミナー会場】メイン講演会場以外にも3つのセミナー会場が!
今回は3Fセミナー会場、ホワイエセミナー会場、FXブースセミナー会場でも興味深いテーマのセミナーが多数実施され、写真の通りいずれも多くの来場者が聴講した。各セミナー会場のプログラムはこちらをご参照いただきたい。
こうして新春講演会は来場者数が4,500名近くに迫るなど、同社の新春講演会としては過去最高を記録して大盛況のうちに閉会した。
顧客の資産形成に役立つサービスメニューに加え、楽天グループのシナジーをフル活用したカード・銀行との連携によるスーパーポイントアッププログラム、および投資信託・国内株式の楽天スーパーポイント買付サービスや、国内株式の一部取引手数料、国内ETF101銘柄・米国ETF9銘柄の取引手数料、投資信託販売手数料の無料化を発表した同社の2019年の年間口座開設数はインターネット証券業界の中で1位を獲得。さらに同社への口座開設者の半数以上が、初めて証券会社に口座開設している状況を踏まえ、証券投資が一般に浸透し始めた好機とみて、より幅広い層がファンとなってくれることを目指し、同社はさらなるサービス拡充に注力していく構えだ。
(取材、撮影、記事、編集・制作:メディアプロモーション事業部 @株式会社グッドウェイ)