を開催した。　

　セントラル商事は商品市場の動向の他、為替や経済、金融などをテーマとした講演会を年に4回開催しており、今回は2013年1月19日に開催された（「2013年　経済金融展望と投資戦略」取材レポート）に続く講演会。講師には第一生命経済研究所首席エコノミストで、著名な経済学者として多数の書籍も出版している熊野 英生 氏、および貴金属のスペシャリスト池水 雄一 氏が招かれ、来場した多くの個人投資家が熱心に講演に聞き入った。

　　第一部の講演は第一生命経済研究所　首席エコノミストの熊野氏による「2013年日本経済 アベノミクスの課題」。経済の動きや諸問題に関する調査・分析・予測などの仕事をする専門家（エコノミスト）として、様々な景気指標を基にした考察を披露する熊野氏の講演に、熱心に聞き入った個人投資家は最後の質疑応答時間に積極的に質問をぶつける。

　質問を行った若い世代の中国人投資家に休憩時間中に話を聞くと、「来場したきっかけは先行きの動向を勉強するためで、講演会のことはGoogleで検索していて偶然知りました。今のところＦＸでの運用を考えていますが、中国の人は確かに金も好きです。私も両親から金のネックレスなどの装飾品を買ってあげるとよく言われましたので、金への興味はもちろんあります」と語った。

　ちなみに熊野氏の年内の見通しは、日経平均が15,000円程度、および為替（米ドル/円）は110円程度をつけても全く不思議はないとの見通しだ。



　第二部の講演は貴金属スペシャリストとしてお馴染みの池水氏による「金市場展望 NY金価格の変動要因と円安の影響」。偶然にも講演当日の金相場が海外で大幅安となり、１オンス＝1,500ドルを割り込んでの入電。講演もこの動きを受けての解説が中心となったが、当面はＥＴＦの売りが止まらず在庫が減少していること、株が高いことなどを背景に弱含みを予想も1,400ドルは下値の目処になる考えを披露した。

　また、サーキットブレーカーが発動された最近の不安定な長期国債の動きをモニターで観察していると、万一の際の国債暴落が連想され、ある種の恐怖感を覚えるという感想も語るなど、暗に将来に向けての資産防衛の必要性を示唆した。



　来場したもう1名の若い個人投資家は「今は個別株で運用中で、相場の動きも良いので毎月15％の割合で運用資産が増えています」とにこやかに語る。見えない将来に対する不安が常に伴い、資産を自分で守り増やす必要性に迫られる今、個人投資家および投資家予備軍の投資商品への熱い視線がイベントやセミナー会場の盛況に繋がっている。

　次回の2013年07月27日（土）開催講演会「参院選後の経済金融展望～株・為替・金投資戦略～（仮）」（案内）の講師には、多岐に亘る分野を分析、大胆な考察力と内容の濃い講演内容で、1月の新春講演会で大きな拍手を浴びたスリーネーションズリサーチ代表取締役 植草氏が再び登壇する。

　なお、今回のセミナーの講演録はセントラル商事ＨＰの資料請求より申込できる。

（取材、撮影、記事、編集・制作　：　柴田　潔）