待望の創業支援センターがまもなく霞城セントラル2階に開業されることに伴い、起業・開業への機運を盛り上げようと、施設の進捗状況、県内のコワーキングスペース施設やネットワーク、新たに整備が進む施設が紹介された他、施設を活用した起業気運の盛り上げ方について活発な議論が行われた。
冒頭、進行役を務める正野 裕太郎さん(山形県 産業労働部中小企業・創業支援課)より、2021年11月開業予定の創業支援センターの現在の様子が紹介された。新たな施設の完成に向け、これから内装工事が本格化するという。
ジョージ・ヤマガタ氏の開会挨拶では、オープンイノベーションの場として、起業に関心のある若者などが最初に訪れる窓口機能のみならず、多くの新結合を生み出すオープンイノベーションの場となるべく準備を進めているとして、県内のコワーキングスペースをWEB会議システムにより常時接続し、施設の枠を超えたネットワークを作ることで、多種多様なコミュニティの拡大と新たなビジネス創出の取組みも進められていることが紹介した。
セッション①「常時接続ネットワークについて」で松村 茂さん(東北芸術工科大学 デザイン工学部企画構想学科教授・工学博士)は簡単な自己紹介の後、既に1990年代にテレワーク構想があった山形は、テレワークやコワーキングスペースについては先進県であり、人口当たりのスペースの数だけ見ても大阪府とほぼ同数であると解説。また、コワーキングスペースは知恵のジェネレータ(発電所)であるとして、各所のスペースを常時オンラインで繋げ、イベント、定期交流会等でも連携することの重要性および期待される効果についても説明した。
施設②「かみのやま」では、岩瀬 義和さん(博士(工学)/ デジコンキューブ 代表取締役社長)が、「新しい働き方と学び方~コワーキングスペース活用事業~」を副題に、山形での労働の現状、新しい働き方と新しい学び方の考え方、地域ICTクラブやその他の活動事例等を紹介後、若者の首都圏への流出を抑えるため、起業マインド醸成と環境整備により、地元での起業やU・Iターンを推進することの重要性を説明した。
4人によるパネルディスカッションでは、ネットワークの活用状況、期待される効果や今後の予想される展開について、状況説明や意見交換が行われた。
施設④「(仮称)HAKKOLAB(ハッコウラボ)」では、井上 昌樹さん(井上農園)が、新しい価値やビジネスを生み出す事業創造集団である一般社団法人YOKAMOS、および人生を発酵させる空間・場として酒蔵をワーケーション拠点へ改修しオープン予定の「HAKKOLAB」、観光の活性化などの活動内容等の説明を行った。
最後の全員でのパネルでは、山形の起業・開業率が全国で44位と低迷する中で、開業へのハードルを少しでも下げるべく、気軽に相談できる場所として、創業支援センターが開設されることを踏まえ、今後の連携方法等について様々なアイデアを出し合った。また11月10日(水)締め切りの「やまがたビジネスプランコンテスト」の案内も行われた。