「基調講演 I 」の中では、総合的な取引所化に向けた民間の適切なタイミングと判断と合わせ、当局としても政令環境の整備を進めると共に、一層存在感を高めつつあるPTS(私設取引システム:Proprietary Trading System)、安定基盤を前提とした取引所機能の拡充やアルゴリズム・HFT(高頻度トレード:High Frequency Trading)増大に伴うシステム障害や価格形成の歪みの防止や規制強化の議論、店頭デリバティブ取引の清算集中化など、取引参加者のシステム投資が大規模化する中で、合理化や利便性の向上に繋がるべく業界全体で取組んでいく必要があるとした。
また、「基調講演 II 」の中では、外部環境の変化や信用取引制度の改正に伴う流動性の向上、個人投資家のシェア拡大と海外投資家の売買動向について触れられ、日本取引所グループ(JPX)の概要とアジア地域における今後の取組み、重点戦略と統合効果へのインパクトが語られた。
日本取引所グループが掲げる”Your Exchange of Choice”(日本・アジアの経済成長を支える、アジア地域で最も選ばれる取引所へ)の実現を目指し、金融庁、日本証券業協会、証券会社、ISVをはじめとする様々なベンダーの取組みが、広く国内外の投資家へ発信されるよう、業界内での連携の行方に注目したい。